プレイバック☆PartV
私の職場も10時を過ぎる頃には、多くが帰宅し人気がまばらになってくる。
そして 口うるさい 敬愛すべき上司が帰ると、私は大抵CDを聞きながら
仕事に集中する事にしている。 いや、あくまでも集中力を高める為である。
そんな時、大した仕事もせずにフラフラ残ってた、後輩のU君が話し掛けて来た。
「あれ〜、みずっちさん、今は何のCD聞いてんすか?」
『これか、これは香織ちゃんのCDさ。』
「香織ちゃんのCDって一体なんすか?」
『なんだ解らんのか。 香織ちゃんと言ったら “ Every Littele Thing ” の
伊藤さんに決まってんじゃん。 ちなみにこれは、昨日 “ Do As Infinity ” の
アルバムを買うつもりでCD屋行って、なんとなく買ったELTのベストアルバム』
「ああ伊藤さん、ってあの森本レオじゃなく持田香織でしょ。 そんなもん
わかる訳がないじゃないですか。 しかも買いかたまで訳わかんないし。
ちなみにあれっすよ、俺の彼女の名前もカオリって言うんすよ」
本人は集中しているツモリなのだが、すでやる気が薄れきった時間帯である。
そんな時は、ちょっとしたきっかけでも、すぐに仕事の手が止まってしまうのだ。
渡りに船と無駄話モードになってしまったのも、決してCDのせいではない。
『まぁ仮に日本語では同じカオリだとしてもだ、でも英語で言うなら
“フレグランス”と“スメル”位に違う 訳だろ?』
「へ〜、でも持田香織をスメルなんて言っちゃ失礼ですよ。
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