くるまのページ <ドライブ編>


本州最南端へ(1998.4.4)

本来の目的はこれではなかったのですが....

[オイル交換]

[大台ヶ原へ?]

[遅いランチタイム]

    時間は14:00を過ぎている。どこでランチにしよう.... 伯母峰トンネルを
    越えて上北山村に入る。そうだ、「道の駅・吉野路上北山」がある。
    ベンチがあったらここに座ってランチにすることにしよう。
    ところが、またしても予想に反して、道の駅にはベンチはなかった。駐車
    場に車を止めて車中で食べても良いが、これでは先週見かけたJR阪和線
    山中渓駅前の老夫婦のようで、いささか怪しい。駐車場の前がすぐ山
    なので、既に日陰になっている。う〜む、いまひとつ。仕方なくまた先を
    目指す。
    しかし、この先道の駅はない。しまった、最後のチャンスだった。
    仕方ない。道の駅は諦め、とにかくどこでも良いから、座って食べられて
    桜が咲いていればそれでいい。そういう場所を探そう。とは言うものの、
    分水嶺を越えて太平洋に向かい出した吉野路は、交通量が減るばかり。
    そのようなスポットがあるはずもない。桜の咲いている空き地は多いの
    だが、そのどれもが建設資材置場。土建屋さんの建設機械を横に見ながら
    ランチというのも良いが、ここまで探し回った苦労を考えるともう少し
    いい場所で食べたい。川を渡って対岸にあるお寺にも行ってみたが、ます
    ます怪しまれそう。そうしているうちに、下北山スポーツ公園の看板が
    立ち出す。あそこなら確実に私達の条件を満たしてくれるが、あと30分
    走ったら15:00を越えてしまう。それは何としても回避したい。
    そんなとき、ヘアピンカーブ部分に公衆電話のある空き地が目に入った。
    確かあそこはそこそこ広いし、休憩している車も良く見かける。もう
    時間も無い。残念だけどここで車を止めてランチにしよう。背に腹は代え
    られない。車を左へ寄せた。他に2台止まっている。ボンゴ・フレンディと
    デミオであった。ボンゴ・フレンディは、フリートップとリアハッチを
    開けていた。そ、そうだ、リアハッチを開けて、そこでランチにしよう!
    早速リアハッチを開け、常備してある寝具類を前方へスライドさせて、
    即席ベンチの出来上がり。

      (解説)
      私のセレナの3rdシートは、左右に跳ね上げずにフルフラット状態を
      defaultとしています。その最後尾(3rdシートの背もたれ部分)に、
      こたつ用敷布団1枚、薄い毛布2枚、厚い毛布1枚、タオルケット
      1枚、枕4個を常備してあり、いつでも車中泊できるようになって
      います。

    以前から、「(パジェロ等の横開きタイプと違って)雨が降ってもここに
    座ってバーベキューとかできるね」と口にしていたが、すっかり忘れて
    いた。天気も良いので靴を脱いでシート(背もたれ)に腰掛けると、これが
    なかなか良い。リアハッチのガラス越しに満開の桜が見える。眼下には
    ダム湖を走るボートの姿も見える。木曜日に降った雨が心配だったが、
    湖面は鮮やかな緑色だった。愛車の新しい?使い方を再発見した喜びを
    胸に、久々の手作り弁当(と言っても、おにぎり+鳥唐揚げ+卵+トマト
    +αというお決まりメニューですが)。これまた久しぶりに感じる幸せな
    瞬間であった。

[温泉へ]

    お腹も満たされ、まずは一安心。15:30頃になっていただろうか、再び走り
    出す。とりあえず、出発時の目的であった手作り弁当でのランチは無事終了
    したので、このまま真っ直ぐ帰っても良し、はたまたドライブを続けるのも
    良し。とは言え、往路と復路で同じルートを通らないことを信条としている
    私にとってこれは愚問。迷わず、そのまま南下を続けた。とりあえず、10km
    ほど先にある下北山スポーツ公園を目指すことにする。道端には、「下北山
    さくら祭り」の立て看板が目立つようになった。ん、もしや...
    その予感は的中した。池原ダムを越えて急坂を下り始めると、満開の桜で
    埋め尽くされた「下北山スポーツ公園」が見えてきた。あぁ、もうちょっと
    だけランチを我慢すれば、池のほとりの芝生に腰を下ろし、満開の桜の下で
    食べれたなぁ。
    悔しいので、中に入ってみることにした。桜は見事に満開。広大な芝生は
    人で埋め尽くされることなく、適度な盛況振り。人混みの嫌いな私にとっ
    ては非常に好都合。それもそのはず、ここは奈良県のほぼ最南端の村で
    ある。あと1時間ほど南下すれば熊野灘である。その割には、奈良・三重
    ナンバーの割合とほぼ同じくらい、京阪神のナンバーの車が目立つ。やはり
    知っている人は知っているのだなぁ。
    余談だが、ここに併設されている「下北山温泉・きなりの湯」は、私の
    お気に入りの温泉のひとつである。また、公園入口のゲート横にある
    ちょっと怪しげな食堂(名前失念)も意外と美味しい。この組合せは、
    以前夜にここへ来たときに実践したものだが、行き当たりばったりで入った
    食堂の釜飯はなかなかだった。日が暮れればかなり心細い風景となる奈良県
    南部において、空腹を満たすことのポイントをひとつでも押さえているのは
    心強い。
    おっと、今回入ろうとしている温泉はここではない。目指すは太平洋で
    ある。R169をひたすら南下し、三重県熊野市に入ってからはR309を経由
    して、R42へ出る。まさか翌週もここを通ることになろうとは、この時は
    予想できなかった。初めてここを通ったときは、もっと道が細かったように
    記憶しているのだが、気のせいだろうか、非常に快適なドライブで、下北山
    スポーツ公園からは30分ほどでR42へ出ることができた。
    さて、R42はどちらへ曲がろうか? ちょっとだけ悩んだが、右折して
    新宮市方面を目指すことにした。この辺りで温泉に入ろうと思ったら、
    とりあえず思い浮かんだのが、本州最南端の串本町であった。確かあそこ
    にはあったはず。会社の同僚から教えてもらった記憶がある。(ちょっと
    自信がないが)
    七里御浜の街道も快適。久しぶりに海を見たような気がする。「道の駅・
    パーク七里御浜」で休憩後、更に南下。すぐに「道の駅・紀宝町ウミガメ
    公園」が現れる。後で分かったのだが、三重県は道の駅が多い。岐阜県も
    多いが、それに匹敵する数である。車中泊の絶好のポイントを全国に作って
    くれた建設省に、この時ばかりは感謝しなくてはならない。
    日本一面積の狭い村である鵜殿村まで来ると、川の対岸は和歌山県である。
    新宮市に来ると、なぜここが和歌山県なのだろう?といつも思う。県庁
    所在地である和歌山市まで200kmも離れているという距離の問題だけでは
    ないと思うのだが、最高時速130km/hの新型特急車両導入で2時間40分まで
    短縮されたとはいえ、やはり遠すぎる。まあ、つい先日までは3時間半
    かかっていたことを思えば、時代も変わったと思わなくては。
    新宮から那智勝浦町へ向かう。あわよくば、本場のまぐろを買い込もう
    かと思っていたのだが、時刻は既に17:00過ぎ。市場は当然閉まって
    いるし、町の魚屋さんもほとんど閉まっている。次回ここに来るときは、
    早朝を狙って新鮮なまぐろを買い込もう、そう誓って勝浦を後にした。
    くじらの町、太地町も通過。くじら博物館は近くまで行ったことはあるが、
    まだ入ったことはない。そのうち入ってみようとは思うが、もうひとつの
    名物、落合博満記念館はどうも気が進まない。しかし、有名スポーツ選手は
    意外と田舎の出身者が多い。つい1時間ほど前に通過した三重県御浜町は
    阪神の薮投手(道の駅には等身大のパネルもあった)、昨年四国一周した
    ときも徳島最南端の宍喰町はゴルフの尾崎兄弟の出身地であることが、これ
    また道の駅で発見した。やはり、都会のごみごみした環境からは生まれ
    にくいのであろうか。
    そうこうしているうちに、橋杭岩が見えてくる。串本町に入った。2年振り
    くらいだろうか。最初にここを訪れたのは、社会人1年目の秋、部署旅行の
    時だった。その1月ほど後には、嫁さんを連れてここに来たし、その後も
    何度か来てはいるが、どうもセレナで来た記憶がない。9万kmも走っていな
    がら、まだだった。橋杭岩は前回来たときに途中下車?したので今回は通過
    して、とりあえずJR串本駅を目指す。地方へ行ったときに駅へ行くのは
    鉄則である。それは何も、私が嫁からテッチャンよばわりされているから
    ではなく(子供の頃はみんな好きなはずなのに、大人になってちょっと
    鉄道に詳しいとなぜこう見られるのだろうか? 筋金入りの人達には到底
    足下にも及ばないレベルなのに。)、観光案内板を見るためである。今は
    セレナでどこでも車中泊ができるが、学生時代に友人と二人で三陸海岸を
    ドライブした時や、能登半島を1周したときなどは、この案内板で宿や
    食堂の情報を得て探したものだ。早速案内板で調べる。地図上にはなかっ
    たが、「サンゴの湯」が運動公園内にあると書かれていたし、駅前の看板
    にも記されていた。徒歩5分。駅から近いのもうれしい。ホームからは、
    新大阪行きの最終「オーシャンアロー」が出発したところだった。
    しかし、車に乗って運動公園を目指すも、一向に公衆浴場は見えてこない。
    おかしい。駅から海の方へ徒歩5分に相当する距離だけ走れば、海岸沿いに
    運動公園があり、そこにあるはずなのに。旅館やホテルは近所にあるの
    だが。もしや、体育館の中に併設されているのだろうか? 嫁が受付の
    おじさんに尋ねてみるが、耳が遠いらしく会話が成立しなかったらしい。
    仕方なく引き返し、また駅周辺をうろうろする。おかしい、ここには
    ちゃんと看板も出ているのに.... ふと上を見ると、「災害時避難場所」と
    して運動公園が指示されていた。そうだ、この看板に従って行けばたどり
    着けるはず。早速走り出す。が、さっきと同じ道をたどるだけ。おかしい。
    もう一度駅から。良く見ると、運動公園までの距離が遠くなる方向に走って
    いた。今度は距離も確認しながら走る。あれれ? 駅の裏側に入った。駅の
    案内板では運動公園は海岸沿いになっていたはずなのに... 
    踏切を渡る。ますます反対方向。ところが、前方にはナイター照明が見えて
    くる。こっちが本物の運動公園のようだ。すると、「サンゴの湯300m先」の
    看板が。やっとたどり着けた。駅からは北東方向にあたる。徒歩5分では
    不動産屋でも無理だ。うそつき! 周囲はだいぶ暗くなっていた。車を
    止めて温泉に入る。値段は大人¥300。¥500以下をモットーとしている
    私達にとって、文句無しで合格である。嫁さんと別れて男湯へ入る。

        ・・・・・・・・・・

    あまり詳しく書いてしまうと、嫁さんのページの内容と重複してしまう
    ので、一言で説明するならば「立派な銭湯」という感じでなかなか良かった
    です。


[夕食]

    空を見上げれば満天の星空。ここから白浜町までは、街の明かりも減って
    (つまり田舎)絶好のドライブコースである。ん? 待てよ。ということは
    夕食は???
    思えば、2年前に串本に来たときは、思いっきりハズレの寿司屋に入って
    しまい大失敗だった。それ以来、「るるぶ」情報は信用しないことにして
    いるので、今回はなんとしても外したくない。でも、串本で別の店を探す
    勇気はなかった。
      (誰か美味しい食堂をご存じでしたら教えて下さい)
    という訳で、ちょっと寄り道をして、本州最南端である潮岬へ行ってみる
    ことにした。昼間には2度ほど来ているが、夜は初めて。R42から左折
    して、潮岬の周回道路へはいる。窓を少し開けてみる。快適そのもの。
    そういえば、さっき入ったサンゴの湯で、住民のオジサン達が「今日は
    少し寒い」と言っていたのを思い出した。私にとっては、お盆の頃の青森を
    思い出させる気候だと思っていたのに、串本の人達は寒いらしい。さすがは
    本州最南端の町である。灯台の光が眩しかった。
    R42へ戻り、田辺市を目指す。ここには美味しい店があるのだ(後述)。
    しかし、時間的に間に合わない可能性が強い(営業時間は確か21:00迄)。
    さてどうしよう。とりあえず走り続ける。すさみ町へ入る。かつてここから
    密入国した人達がいたが、ここの海岸は何度通ってもそういう雰囲気だ。
    道端にも密入国監視所なるものがある。交通量も少ない。ちょっと怖い。
    日置川町へ入る。日置川にかかる橋を渡ると、右手に桜並木が見えた。嫁が
    ちょっと見てみたいという。こっちは先を急いでいるというのに、どうせ
    間に合うはずがないから寄り道しようと言う。仕方なく県道に入り、川
    沿いの道を紀伊日置駅まで走る。確かに桜は綺麗だった。が、駅まで行っ
    ても食堂なるものはない。確かに駅前には食堂があったけれど...これまた
    勇気無し。またR42へ戻り、北上する。
    少し走ると、「道の駅・志原海岸」の看板が見えた。しかしこの時間と
    なってはレストランが営業している可能性は低い。とにかく行ってみる。
    やはり閉まっいた。このまま先を目指すか? その時、「さっき美味し
    そうな店があった」と嫁がいう。確かに、寿司屋風の店が1件あったような
    気がしたが.... とりあえず戻ってみることにした。日置川町役場の隣で
    あった。民宿も兼ねている「あばれん坊」という食事処であった。
    しかし、駐車場に車は停まっていない。中を少し覗いてみる。客が数名いる
    ようだ。雰囲気は非常に明るいが、串本での失敗が頭をかすめ、どうも入る
    勇気がない。どうしよう...と思っていると、嫁はさっさと入ってメニュー
    (値段)をチェックしている。あぁ、もう引き返せない。私も入ることに
    した。果てさて、味と値段の方は......

      (執筆活動一時停止により記憶が薄れました。ご容赦下さい。)

    結論から言うと、「大当たり!」。
    刺身定食と天ぷら定食を注文しましたが、空いていたせいか10分もせずに
    出てきた。値段は確かどちらかが¥1,200、もう片方が¥1,000だったと
    思う。味の方は、さすがは海の近く、ネタは新鮮、量も結構多め。逆に、
    なぜこんなに空いているかが不思議なくらいだった。
    そういえば、以前に津軽半島&下北半島をドライブしたときも、同じ様な
    ことを感じたなぁ。地元の子供とその母親との会話で、
    「お母さん、今日もお魚? 飽きた〜。たまには焼き肉食べたいよ〜。」
    都会に住む人からすれば、なんという贅沢な会話だろう。うらやましい。

    腹も満たされたので、家路を急ぐ。10分位走ると白浜町に入った。すさみ
    町や日置川町はもっと遠いイメージがあったが、意外と近いものだ。という
    ことは、折角見つけた日置川の美味しい店も、案外すぐに行けてしまう
    のか。やはり、串本や新宮で見つけなければ....
    白浜まで来れば、家までは150km。時間も時間なので、東北地方を昼間に
    走るのと同じ3時間で着く距離だ。
    (関西圏は諸般の道路事情が悪く、平均50km/hなんて滅多に出せない。)
    私は真っ直ぐ帰ろうと思ったが、嫁がどうしても「とれとれ市場」に寄り
    たいと言う。もちろん既に閉まっているが、折角来たのだから明日の朝
    一番で買って帰りたいと言う。しかし、私は結構疲れていた。疲れている
    なら、最寄りの道の駅で車中泊すれば良いのだが、今回は内心「耐久
    ドライブ」のつもりで走っていたので、車中泊は考えていなかった。
    いまここで寝てしまえば、今日の走行距離は400kmにも満たない。久し
    ぶりに500km以上走りたかった。ただそれだけの理由で、嫁のお願いを
    振り切り、白浜を後にした。

    <おまけ>
    「とれとれ市場」は年に数回程度の割合で愛用しています。刺身も野菜も
    美味しくて新鮮で値段も安い。閉店間際に行けば半値セールもあります。
    最近はコレのために小さめのクールボックスを常備しているほどです。
    場所は、大阪から白浜に向かえば看板がいくつもあるので詳細は省き
    ますが、R42と白良浜との中間あたりです。
    あと、田辺市にある「銀ちろ」は、美味しい和定食が食べられます。
    私達のお気に入りは、刺身と天ぷらが一緒になった「銀ちろ定食」
    値段は¥1,700だったと思います。(最近入っていないので自信なし)




    今回のドライブデータ(記憶があやふや....)

    • 走行距離 520km
    • 燃費   480km/46L?=10.4km/L?(岩出町での給油以降)
    • 走行時間 約15時間30分
    • 平均時速 33.5km/h(休憩時間含む)