スロットルセンサー交換から2年以上経った、とある冬の日。新潟転勤となって
エンジンを掛け、1分間ほど暖気してオイルをエンジン全体に行き渡らせてから、
ディーラーへ行き、メカニック同乗で現象を伝え、診断してもらった結果は、
えっ? ご、5万円?? エアフロって、そんなに高いのか!?
すかさず、ネットで検索。(「レガシィ・エアフロ・故障」だったかな?)
[参考情報]
早速、このページを見ながら、エアフロを分解し、はんだごて(自宅用)で
さて、半田クラックではないとなると.... センサー部が故障したのだろうか。
ところが、よく見ると、コネクタのピン数が違う。私のレガシィに元々付いて
心配しても始まらないので、早速取り付けて走ってみたら....何事も無かった。
ここまで来ると、欲が出てくるもの。手元にエアフロが2個あるということは、
これがセンサー部。写真で上側に見える黒い部品が、"発熱抵抗"と言われる、
さて、いざ清掃するとなると、どうやって清掃するかが、最大の問題だった。
これを、スプレータイプの小分けボトルに入れ、センサー部に直接吹きかけた。
心配は、杞憂に終わった。中古エアフロから洗浄後のエアフロに戻し、ECUの
念のため、家に戻って、エアフロ出力電圧をテスターで測定してみたところ、
エアフロ出力電圧が低い
洗浄前は、このようなECUの補正演算により、燃料噴射量が多めになって
これで、5万円の出費は、当面回避できた。そして、特許文献などを調べて
このページを見て、ひとりでも、無駄な出費を回避することができますように。
オススメ度:☆☆☆☆ 但し、あくまで自己責任でお願いします。
エアフローセンサー交換(?)
最初の冬は、10万キロを超え、様々な不具合が出るようになっていた。中でも、
寒い朝などに顕著に現れたのが、冷間時におけるエンジンフィールの悪さだった。
転勤で、電車通勤からクルマ通勤となったので、毎朝のように悩まされた。
住宅街を1速2000回転程度でゆっくり200mほど走って、国道に合流する。
その後も、水温計が動き出すまでは、3速2000回転(40km/h)以下で
1キロほど暖機運転。更に1キロほど走って、水温計が中央付近で安定すれば、
ほぼ解消するものの、それまでの間は、息継ぎのような症状がしばしば現れた。
スロットルを僅かに開けただけでは加速せず、多めに踏み込んでようやく加速。
しかも、スロットル開度を一定に保っているのに速度が安定せず、比較的軽度の
しゃくりも起きていた。
「特に異常なし」だった。O2センサー等のフィードバック系が怪しいのでは?
と思っていたのですが、メカニックに聞いてみると問題ないらしい。もう少し
突っ込んで聞いてみると、「あえて言うなら、エアフロの出力電圧が、この型の
レガシィにしては少し低いが、許容範囲には入っているので、特に問題ない。」
という答えが返ってきた。「このまま様子を見て、更に症状が悪化してから
交換を考えてはどうでしょう? 部品が4〜5万円しますから....」
すると、レガシィのエアフロが不調となるのは、かなりメジャーな症状らしい。
とはいえ、5万円もする部品を、そう気軽に交換することもできない....
更にネット検索してみると、「修理すれば直る!」というページを見つけた。
読んでみると、コネクタ部分と内部基板とのはんだ接合部にクラックが入り、
導通不良になりやすいようだ。(おいおい、それって設計不良じゃん....)
スバルのエアフロを修理してみる
接合部に追い半田をしてみたが.... 症状は改善しなかった。考えてみれば、
半田クラック=接触不良なのだから、エンストなど、もっとひどい症状が出る
場合には効果的だろうけど、私のような中途半端な症状では無意味だったか。
とはいえ、経年劣化でいずれクラックが入るだろうから、コネクタ接続部ほか
可能な限り追い半田を施したことは、予防という観点から良かったと思う。
思い当たるのは、1年ほど前、エアクリーナーの清掃にあわせて、エアフロに
キャブクリーナーを吹きかけたこと。でも、センサー部に直接吹き付けた訳
ではないから、多分大丈夫....いや、自信が無い。そこで、オークションで
中古品をゲットし、交換して様子をみることにした。ところが、ターボ用は
容易に見つかるが、NA用は数が少なく、それも製造年の古いものが目立つ。
(私のレガシィがモデル末期の製造だから、ある意味、仕方ないのだが。)
贅沢は言っていられないので、即決3500円の96年製をゲットした。
いるエアフロは、右端のピンが無い4ピン仕様だが、この中古品は5ピン仕様。
でも、型番は同じ(22680AA160)。大丈夫だろうか?
それどころか、スロットル開度が小さい領域でのフィーリングが、明らかに
良くなっている。回転がスムーズに上がるし、スロットルOFFでの減速も、
燃料カット解除が自然な感じで、ギクシャク感はほぼ皆無。とても気持ちいい。
ディーラーの診断結果どおり、不調の原因はやはり、エアフロだったようだ。
1個ダメになっても予備があるということ。そうとなれば、実験あるのみ!
元々付いていたエアフロの洗浄にトライしてみることにした。
白金で作られた空気流量検出素子(いわゆるホットフィルム)、下側に見える
板状の部品が、温度補償抵抗である。なお、エアフロの動作原理については、
部品を製造しているユニシアジェックスの特許公報が公開されているので、
割愛する。(興味のある人は、特許庁のデータベースを検索してみては如何?)
キャブクリーナーが悪影響を与えた可能性を否定できないため、これよりも
強力な洗浄力を持つブレーキクリーナーなどは論外。まして、センサー部に
直接触れて清掃することもできない。適度な洗浄力を持ち、かつ電子部品の
劣化に配慮したクリーナーなど、あるのだろうか? ....と悩んでいたとき、
ふと思い出したのは、カセットデッキのヘッドクリーニングで愛用していた、
無水エタノールだった。(薬局で買える。1000円くらいだったかな。)
びしょ塗れになるまで何十回も吹きつけたが、さすがは無水エタノール、抜群の
速乾性だ。エアフロから床にこぼれたエタノールを拭き取ると、こぼれた部分の
ワックスが脱脂されていた。なんと強力な洗浄力だろう.... 一瞬、発熱抵抗の
白金の剥離が心配になった。果たして、センサーは大丈夫だろうか....?
メモリをクリアして、エンジンをかけてみると、見事に一発始動。家の周りを
1速〜2速でゆっくり走ってみると、息継ぎやしゃくりは皆無。その後、郊外を
少し走り回ってみたが、今までの不調が嘘のように、何事もなくスムーズに回る。
エンジン停止時(IG=ON)で0.28V、アイドリング時が1.02V。
整備書を見ると、基準値は前者が0.3V、後者が1.1±0.3Vだった。
つまり、ばっちり良品だった。1年前、ディーラーで「電圧が少し低め」と
言われたが、どうやらそれも解消された模様。無事、洗浄に成功したようだ。
→実際の吸入空気量よりも検出空気量が少ない
→燃料噴射量が少なく(空燃比がリーンに)なる
→空燃比がリッチになるように燃料噴射量が多くなる
いたものと思われる。どうりで、プラグが被ったような息継ぎが起きた訳だ。
いくうちに、なぜこの部品が5万円もするのか、その理由が少しだけ分かった。
エンジン制御における最重要な部品と言われる、エアフローセンサー。それは、
単に白金を使ったセンサー部分が高いのではなく、センサーの汚れなど様々な
外乱に対応した補正機能を有する、電子回路部分にも相当の技術があるようだ。
だからこそ、エンジンの調子が悪くなると、やり玉に挙げられる。機械系の
整備と違い、電子系の整備は、相当な専門知識が必要であるが故に、面倒臭い
部品は悩まず「交換」で済ませた方が、ディーラーとしても楽なんだろうぁ。
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