このウェブページ作成に使っているのが、2000年に購入した PowerBook G3 です。
当時の最新型 PowerBook は、400/500MHzの"Pismo"でしたが、あえて1世代古い
333/400MHzの"Lombard"を購入しました。予算的な理由もありましたが、最大の
理由はSCSIポートが付いていることでした。その前に使っていた PowerBook 180c は
HDDが160MBしか無かったので、写真などのデータは全て外付ドライブでMOに保存
していました。このMOドライブをそのまま使いたかったので、SCSIが搭載された
最後のPowerBookである"Lombard"を選択しました。
しかし、早いもので購入から既に6年。当時最新版だったOS9はOSXになり、
様々なソフトのサポートが徐々に打ち切られ、ウェブページも正常に表示されない
ことが多くなってきました。更に、昨年来続いていた原因不明のフリーズが頻発する
ようになりました。OSを再インストールして何とか解消されましたが、今度は
起動時に「内部メモリに問題が見つかりました」というエラーが表示される状態に。
早速アップルへ電話してみると、昨春にサポートを終了したので修理不可との回答。
販売終了から5年を経過したための措置のようでした。
さて、困りました。ネットで調べてみると、"Lombard"はCPUの2次キャッシュが
無くなるという致命的な欠陥があるらしく、最悪の場合は起動も出来なくなるとか。
データはMOにバックアップを取ってあるとはいえ、本体が動かなければどうにも
なりません。そうこうしているうちに、遂に電源ボタンを押しても起動しない事態に。
背面にあるリセットボタンを押してからでないと起動しません。更に、起動した後も
マルチユーザ機能が正常動作せず、メニューバーからの終了や再起動も出来なく
なりました。
こうなると、専門業者に修理を依頼するしかありません。ネットで探し出したある
業者に相談してみると、CPU基板の新品は入手できないので、程度の良い中古品と
交換するしか方法が無く、それ故に同じ症状が再発する可能性を否定できないので、
その点をご理解頂けるならば修理します、との回答でした。ここまで来ると、もう
悩んでいる暇はありません。宅配業者の専用箱に梱包し、速攻で修理に出しました。
このページは早速、修理から直ってきた"Lombard"で作成しているのですが、感想は
「感動」の一言です。業者の診断の結果、2次キャッシュ以外にHDDにも物理的な
不良があり、終了や再起動の操作が出来ない不具合はこちらが原因とのことでした。
最終的な修理内容は次の通りでした。
「感動」したというのはHDD交換です。この6年間の技術の進歩は目覚ましく、
音がほとんどしないのです。当然、アクセス速度も速くなっていて、メモリ増強と
相まって、修理前とは別のマシンではないか?と錯覚するほどの変わり様です。
PowerPC G3 プロセッサは元々発熱が少ないため、Lombardの放熱ファンが動作する
ことは滅多に無く、HDDのモーター音とアクセス音だけが聞こえていたのですが、
修理後はその音がほとんど無くなり、ほぼ無音に近い状態となりました。CPUの
スペック的には不満が無かったので、更に数年間は現役を維持できる....とても
満足のできる修理となりました。
交換前のCPU基板。右写真の左上にあるのがモトローラ製 PowerPC G3 プロセッサ。
メモリ用ソケットは、CPU側に1つ(標準)と反対面に1つ(増設用)。
交換前のハードディスク。富士通製 MHH2048AT。4.8GB/4200rpm/13ms。
キーボードと放熱カバーを外した状態
交換後のCPU基板とHDD。
見えているメモリは今回増強した中古品128MB。この裏に購入時の増設メモリ128MBがあり、
合計192MB→256MBに。HDDは日立製 HTS424040M9AT00。40GB/4200rpm/12ms。