私の出身である福島県いわき市は、東北のほぼ最南端に位置し、市内に
9つの海水浴場がある。(非常に恥ずかしいが、「東北の湘南」と呼ばれて
いるらしい) 夏になると、高速道路の開通によって交通の便が良くなった
せいか、関東や会津方面などからの客でどこの海水浴場もあふれる。そんな
中で育った私にとって、当時は何も気付かなかった。
大学は仙台、友人達と車で良く海水浴に行った。この時は、「仙台の海は
大してきれいじゃないな」とは思ったが、それ以外は何とも思わなかった。
(仙台の海は、南北方向ともに松島湾から離れるほどきれいである。)
それは、とある夏の日の宮城県ローカルニュースの時間。視聴者からの
質問で、
「幼稚園の子供を連れて海水浴に行きたいのですが、幼児にとって
安心して泳げる水温はどのくらいで、いつ頃が良いでしょうか?」
というのがあった。何気なく聴いていたので自信がないが、確か
「水温で言うと26℃以上ですが、残念ながら仙台でこの水温に達する
時期はありません。福島県でも達しません。幼児の方は十分に気を
付けて楽しんで下さい。」
という内容だったはず。そうか、仙台もいわきもそうなんだぁ。
社会人になり、関西で初めて海水浴に行ったのは、入社した年の7/10頃
だった。梅雨はまだ明けていなかったが、関西の梅雨は蒸し暑く、冷たい
やませの吹く東北太平洋側の梅雨に慣れている私にとっては、非常に耐え
難いものである。でも、いくら蒸し暑くても、こんな時期じゃまだ海は
冷たいんじゃないの? そう思って、南紀白浜に降り立つと、更に蒸し
暑い。砂浜は人で埋め尽くされ、レジャーシートを敷くのもままならない
ほどだ。でも、この日は薄曇りだったせいもあり、泳いでいる人は少なく
海の中は空いていた。ほら、やっぱりまだ冷たいんだ。でも、折角来たの
だから、とりあえずは泳ごう。さぁて....
ぬ、ぬるい。なんじゃぁこりゃ〜!
いわきで18年間、仙台で5年間。受験勉強やバイトで忙しくて回数こそ
少なかったかも知れないが、人生23年、今まで泳いだどんなに暑い日の
海よりも、いま浸かっている白浜の海の方がぬるい! 冷たくないと
感じたことは希にあったが、海が温いと感じたのは生まれて初めてだ。
それ以来、関西における私の海水浴シーズンは、巷とは大きくかけ離れた
ものとなった。翌年には6月中旬に、その翌年には6月第1週目に、と
年を追って初泳ぎの日は早まり、翌年には遂に5月に泳いだ。そして今年、
一度も泳げなかった昨年の屈辱を晴らす?ため、更に記録を3日更新する
5/23に初泳ぎを決行した。
先週のニュースで、同じ白良浜でシーカヤック教室開催の映像が流れた。
そこには、ライフジャケットを身につけて教えてもらう生徒の他に、
波打ち際で遊ぶ子供達の姿も映っていた。しまった、先を越された!
昨日の大阪は、5月としては記録的な3日連続真夏日(最高気温が30℃
以上)となったが、白浜では日差しが弱く、午前中は薄曇りだった。
それでも、ここ数日の天候で海水は温く、既に仙台の深沼海水浴場の
真夏の海水温よりも暖かかった。砂浜では100人程度が遊んでいたが、
海に入っていたのは私達夫婦の他には数人程度いるだけであった。客も
少ないので水は澄み、首まで浸かっても足の指がはっきりと見える。
(菖蒲田や野蒜と比べてはいけない。いわきの海よりもきれいだ。)
この白良浜のビーチをほぼ独り占め。最高の贅沢である。
ということで、来週以降も天候が良ければ、毎週泳ぎに行こうと思って
いる。7月になれば関西人で埋め尽くされるので一旦オフ、お盆に帰省
したときにまた泳ぐことにしよう。そして今年のもうひとつのテーマ、
プライベートビーチ開拓にも力を注ぐ。めぼしい場所は既にチェック済。
果たして何回行けるだろうか?
昨日の夜は、先日入籍を済ませたばかりの、奈良に住む大学のサークルの
後輩宅でお祝いのパーティだった。その帰り道のこと、いつも頭を悩ませる
奈良の道の悪さに腹を立てながら、久しぶりにR309(水越峠)を走った。
建設中のトンネルはいつ完成するのかなぁ、と思ったら、既にできていた。
3000m位のトンネルとそれに続く道路の整備によって、御所市〜富田林市
間の所要時間は大幅に短縮された。大阪市内から吉野方面へ向かわれる
方にとってはかなりの朗報ではないだろうか。私も今後愛用するかも。
開通ついでにもうひとつ。白浜(正確には上富田町朝来)と本宮町(終点は
三重県尾鷲市)とを結ぶR311。私達の温泉巡りには欠かせないルートだが、
建設中だった中辺路町の小広トンネルが開通していた。中辺路町と本宮町
との境界あたりはまだ一部改良工事中で道が悪いが、こちらもかなりの
時間短縮が図られた。