『グローカル』624号(12月9日号)より
エコ・フェミ世界システム論私は、社会学を専攻していて、いつもは女性労働、家内労働などの調査をしている。東京・北区の生まれ。子どもの頃、周りの町工場では女性たちがずっと働いていた。女性は男性よりも早く仕事場から上がるとしても、その分家事労働をしている。女性は一日中、コマネズミのように働きどおしだった。労働者というとそうした女性の姿が思い出される。 ところが、大学院に入って、女性労働の研究をしようとしたら、女子労働者を分析する枠組みがなかった。「労働者」といえば男性の家族持ちのことをさしていて、家内労働者や女性は典型的な「労働者」とはみなされていなかった。 アカデミズムでは有名な戸木田階級構造論でも女性の位置づけがない。マルクス主義でも女性は被抑圧者であり「労働者の連帯の相手」という位置づけで、それ自身が労働者階級かどうかはうたがわしい。そこでフェミニズムに接近しドイツの社会学者マリア・ミースたちの理論に出会った。 マリア・ミースは、世界システム論のパースペクティブに立って社会科学の隘路を抜け出している。エコロジーの思想にねざし、一国的な視点ではなく世界経済としてシステムを見る見方だ。 その後は、ウォーラステインの世界システム論にたつ世帯構造論の研究などもして、現在は世界システム論にも片足を突っ込んでいる状態。日頃はアンペイドワークと言われる女性の無償労働の実証調査をしている。勤めている長野大学では、地域循環型社会システム作りや地産地消などのとりくみをしている。地域に根ざしたユニークな大学なので面白い実践ができる。私自身は、フェミニズム、エコロジー、世界システム論を統合する立場なので、最近は、なにしてる人と聞かれたら「エコ・フェミ・世界システム論」と自称している。 以下、本号掲載 ●サブシステンス生産とは ●北にも南にも危機をもたらすグローバリズム ●世界経済システムの現段階 ●誰がこんな社会にしたのか ●サブシステンスの危機 ●多様なフェミニズム ●ジェンダー分業 ●破壊=生産パラダイムをこえるアンペイド・ワークの再評価 ●買い叩かれるパート労働 ●オランダのコンビネーション・モデル ●サブシステンスを基盤に世界を紡ぎ直す ●コモンズの再創造を ●サブシステンス・パースペクティヴ |
【九月二八日、二〇〇二年グローカルセミナーでの講演から】