活きいき
2006.4. 1
随録 (近緑老白)
病院の帰り(縄文村にて)
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「近」は近視、「緑」は緑内障、「老」は老眼、「白」は白内障。私の持病のひとつである。
今から15年くらい前の春、花粉症のようだからと思い近くの眼科に行った。花粉症どころではなく大きな病院の眼科に行くように紹介状を書いていただいた。それ以来緑(緑内障)と付き合っている。ちょうどその時期、単身赴任だったが通勤途中にある仙台市立病院を訪れた。眼科部長が診察してくれて最初の言葉が「お酒は飲んでもいいよ」と言われているのを憶えている。そのときの治療も点眼だったと思うが、もう忘れてしまった。
白内障は手術で回復するそうだが、緑内障は治らない、あのソウルシンガーのレイ・チャールズも幼いとき緑内障で失明したそうだ。
単身赴任が終わった平成2年ごろからバスと電車一駅を乗り継いだところにある大学の付属病院に通院している。
最初の頃、房水の流が悪いといわれレーザーにより穴を開けた。レーザー光線で一部を破壊するらしく、撃ち続けると眼球が熱くなってきたのを憶えている。
その後現在まで通院時、毎月の眼圧測定、3ヶ月毎の視野検査、半年毎の眼底検査、毎日の点眼が治療である。
50代後半のとき、白内障の気があると言われ「もうそんな歳か」とショックを受けた。
病院は大学病院故なのか1年、あるいは数年で部長を除き医師は去っていく。ここでインターンとして修行を積んでいるのかもしれない。
ある年の春診察で順番を待っていると、わかい男性の医師が私の名を呼んだ。カルテをみながらその医師は「XXと言います。よろしくお願いします」と言った。
この病院に通い始めて15年にもなる。カルテを見るとずいぶん厚くなってきた。患者としても大ベテランということだろう。
視野検査というのは、ある一点を見つめていて、そのまわりで見えにくいところがないか検査する。弱い光のポイントが点滅する。点灯したのを確認できればボタンを押す、ポイントが半球のあちらこちらと移動する。点灯しない場合もある。私の知識では、網膜に張り巡らされている視神経の一部が機能しなくなるとそのポイントの視力を失う。「ハンフリー」という名の機械でやる。片方の目で10分以内だが神経を集中しているためかものすごく疲れる。いつも右目からはじめて左目の最後の頃には集中力をなくし眠くなってくる。
この検査を始めた頃、光点をメカ的に移動させているらしくゴー、ゴーと音がする。その音の後点灯するのであれば、確認できなくてもボタンを押せば、検査機はどのように判断するだろうとか、被験者が見えたことを機械はどのように判定するのか。一度検査技師さんに尋ねたが今もってよくわからない。
22日の検査のとき「新しい機械を買ってもらったんですよ」と言われた。なるほど新品のいい臭いである。
どうやら、メカ的に動かしていた光点を光学的に移動させているようである、音がしない。片方が3分半で終わった。ボタンを押す反応が速い場合、検査機もそれに応じて移動するそうだ、賢い。う~ん世の中ドンドン進歩している。
今日は気分よく検査が終わった。帰りは開花しているサクラを探して川沿いを歩こう。