きいき
2008. 11.  16
随録 (イヤだねぇ~)
八王子城山で・・・

 「イヤだねぇ~」 Aさんの口癖のようだ。
自分のことも含めて、チョッと自嘲的に表現するときに使われている。
 そのAさんは健歩クラブでしばらくお顔を見られなかった、体調を崩していたとのこと。
 先月の終わりのウオーキングと反省会にも参加され「イヤだねぇ~」節も復活した。

 その「イヤだねぇ~・・・」私も口に出ることが多い最近である。
 私の場合は・・・
 
その1
 朝食を準備する、私の朝は和食である、味噌汁に納豆は欠かせない。 お椀と納豆のパックを並べている、あまり意識しないで準備を進めているとお椀の中に納豆の辛子を入れてしまう。
   次は温めの作業、冷蔵庫の隣に電子レンジを並べている、冷蔵庫から出した小皿を電子レンジで温めるつもりなのだが、冷蔵庫の扉をふたたび開けている。
 歳を取ったせいか、おかしな行動をするときがある、 笑っていいものか。
 「イヤだねぇ~」

その2
 朝食の後片付け、茶碗を洗って拭いているとき、ときどき取り落とすことがある。 なぜだか分からない。 歳とともに運動神経が鈍くなったのだろうか。
 物忘れも多くなった、二階にあるものをとりに上がって、はて何を取りに来たのだろう。 これは多くの人が経験するらしい。 老化が最初に現れるのが海馬だという。
 白内障を手術する前の私は近視が強かったので、眼鏡を外すときは手元においてすぐかけられるようにしていた。 よく眼鏡をどこにおいたか分からないという人がいるが、私にはあり得ないし信じられなかった。
最近は眼鏡なしでもそこそこの動きが出来るが、本や新聞を見るときは外さなければ見えない。 そこいらにおいてしまって、あとで「どこへやった!」
 携帯電話なら、呼び出して在り処を知ることが出来るが・・・。 こういう備品に無線の受信機能を持たせるといいのかもしれない。
 「イヤだねぇ~、まったく!!」

 ついでに眼鏡を新しくつくるとき、お店の人に教えてもらったことを記しておこう。
 「水晶体は人工のレンズですから、膨らんだりしません。 近視は進まないと思いますが、これからは”お手元のもの”が必要になってくるかと思います。」
 「お手元のもの」・・・、老眼鏡と言わないところが憎い表現だね。
 老化はまだまだ進む。
 「イヤだねぇ~」

その3
 老化といえば、私のパソコン「R」君もそうとうなものだ。 丸7年になり使い込んで愛着が涌いてきている。
 最近の寒さで少々おかしくなってきた。 入力画面で勝手に文字が入り込んでしまったり、押したキーに続いて勝手に文字が入る、それも特定のキーのようだ。
 ところが暖かい日にはそういう現象が起きなかった。 そこで寒いときに部屋を暖めてやると素直に動いてくれた。 パソコンもご主人様に似てきたのかな。
 「イヤだねぇ~」

その4
 猫の額にも満たない狭い庭に今はなき家族が小さな植木を育てていた。
 私はその方面は不調法なのでほったらかしにしている。 どんどん伸びて無精者の私でも切らねばと思うようになった。
 なかなかやらないわけはその木がピラカンサ、柚子などのトゲがあるからである。 柚子は実が採れるのでまだしも・・・、ピラカンサなんてウンザリである。
 「あっイテェ、なんでこんなもの植えやがった!」 庭が狭いから剪定した枝はおいて置くわけにもいかず、ぶつぶつ言いながらビニールのフクロに入れている。 市のゴミに出すわけで収集の人に迷惑をかける。 ゴメンナサイ。
 「イヤだねぇ~、まったく!!」

その5
 昨年暮れに家の外装工事をやってくれた業者の営業さんがときどき顔を見せる。
「ちょっと、近くを通りがかったものですから・・・」。 古い人間の私はこういう金にならなくても顔をつないでくれる営業さんは非常にいいと思う。
   固定電話には、勧誘などがかかってくることが多い。
 「もしもしご主人ですか?」  ”はい”
 「今、XXXにお店を開店・・・」  ”どちらへおかけですか?”
 「電話帳を見て順番に・・・」 
 今日は私も機嫌がいい方だ、丁寧にお断りする。   ”ゴメンナサイ、そういう電話に出ているヒマはありませんので・・・”
 楽してうまくやろう、それが効率がよい・・・。 そんな世の中なのだろう。
 「イヤだねぇ~」


随録