活きいき
2009. 9. 3
随録(せみ時雨・・・)
大嵐が・・・
八月三十日、倒幕軍が「政権交代」の掛け声とともに最後の総攻撃をしかけた。
「政権奪取」に呼応する民の声を幕府はもう抑える余力はなかった。 将軍みずからの治世を訴えて味方軍を鼓舞するのだが、なかば諦めるものもいた。 それほど今回の民の声はすざましかった。
やがて押し寄せてきた倒幕、その中には此度の戦が初めてという少年たちが多かったが、彼らのけだるいまでの奇声に
幕閣の重鎮さえ身じろぐものがいた。
勢いに勝るかの百人を越える少年隊の一群は屋敷の中をかけ廻り、標的を探し回った。
見つかった老幕閣の中には久々に太刀を身構えたが、日頃の不摂生がたたりとても闘える状況ではなかった。
そして女性のような面立ちの少年の一振りに敢え無い最後を遂げた。
時が経つにつれ、各曲輪を守護する大物幹部、摂津守、肥前守、筑前守の討ち死にが伝えられて来た。 中には深手を負いながらも一命ををとりとめる者もいた。
しかし「政権交代」の大勢は止められなかった。
「おやかた様っ! もはやこれまでにごじゃりまする!」
夏草や兵どもが夢の跡
もうひとつ
せみ時雨兵どもの夢も消え
もうひとつ嵐が・・・
8月31日台風11号が関東地方に接近、前日早暁には小笠原諸島の東にあり北北西に向かっていた。
やがて北に向きを変え、日本の北方東西停滞している高気圧の間を、”どうやってすり抜けようか・・・”と伺うように進んでいる。
31日には関東南部に最も近づき房総半島をかすめ北上して行った。
その日は晦日、りうくんのお迎えを頼まれている。 私のように年金暮らしで社会とのかかわりが無い人間は、雨風が強ければ家で寝ていよう・・・なんて思うのだが。 りうくんは、そうは行かない。
早く通り過ぎてくれること、せめて小降りであること願いつつ車に向かう。 車をいつもと違い保育園の駐車場においた。
「きょうはこっちだよ」 「えっ、歩くの?」
そして公文で三十分ほどお勉強。
「帰ったら何をする?」 「野球!」 (といっても室内で柔らかいボールをプラスチックのバットで・・・)
「ご飯は?」 「あとで!・・・」
というわけで、暫しの間
「野球!」を楽しんだ
認知症・・・
番組表の中に「認知症・・・最近の治療・回想法」の文字を見つけた。 日曜フォーラムと言う番組でこの回想法が紹介されていた。
頭の表面に電極を付けて脳の血流を見られる仕掛けを作り実験したところ、日常のあいさつ程度の会話では血流は多くならないが、回想することを行うと顕著に増えたという。 そこで回想法を認知症の予防、緩和に役立てる試みが行われている。
青森と三重での事例が紹介されていた。 施設に入所している認知症と診断された80歳代のおばあさん、
ダンマリで話をするわけでもなかったおばあさんが、今は使わなくなった脱穀機を目の前に昔の農家の仕事を話題にされたとき、いきいきと話し始めたという。
別の番組で認知症の予防には「有酸素運動」、「会話」、「生活習慣病を防ぐ」ことが有効と報じていた。
私が参加している「認知症・介護家族会」に先月新しいメンバーが加わった。 母親とご主人を介護されている婦人である。
母親は同じような症状があるが診断されていない、ご主人は若年性アルツと診断され新しい薬も治験されているそうだ。
話を聞いていると、私も発症する可能性はあるように思え他人事とは思えない。 特にご主人は私よりだいぶお若い。
昔からのメンバーは被介護者が既に他界したとか施設で暮らしているという方が多い。
認知症は病気だから、運命の如くある時期罹患するのかもしれないが、その要因があるように思われる。
例えば私の場合、「有酸素運動」は意識的に実行するようにしている、「生活習慣病」もそこそこ気を付けているが一人暮らしでは「会話」する機会が少ない。 その代わりは「役割分担」だそうだ。 炊事洗濯などの家事を行うことはいいらしい。
何もしないでボーとしているのがよくないのかも、危ない危ない。