雑味館抄 <あいさつ> 2006. 11. 11
私のホームページ(ぞうみかん)は定年後「毎日が日曜日」の生活の中での自分の思いを記し、いわば定年後の自分史にしたいと思っている。
2005年1月大部分を占めた「母の介護」を卒業した。いままで息抜きでやっていた「美術鑑賞」、「映画鑑賞」、「ウオーキング」、「たび」などを自分の仕事として精神生命を鍛えて生きたい。その中で感じたことを「藝」、「楽」、「生」などのテーマ別に記すつもりです。


車内風景二題
これで一本だって!  (菊祭り 06. 11. 3)
  ある日のウォーキングの帰り、経堂駅で待っていた多摩急行に乗った。乗客のほとんどがこの駅で下車し車内はがらんといている。多摩急行は新百合ヶ丘で乗り換えずに多摩線に入っていくので私にとって便利なものである。
次の停車駅、成城学園前駅から制服を着た小学生の女の子が乗ってきて私の隣に座った。ほとんど空席のシートでわざわざ隣に来た。制服は濃紺に紅いストライプだったと思う、メガネをかけたその女の子はランドセルから、カバンだったかな、本を取り出して読み始めた。本はまもなく終わるほどページが進んでいた。熱心に読んでいる姿に声をかけようと思ったがためらってじっと眺めていた。
読み終わると再びページをめくり返していた。本の名前は「少年八犬伝」という題だった。やがてシートの背もたれに頭をかしげて眠り始めた。
私の下車駅である多摩センター駅に近づいたのでその女の子を見るとまだ眠っていた。
電車から降りて振り向くとその女の子も降りていた。ちゃんと下車駅では目が覚める”現代人”なのだろう。”おじょうちゃん、本をたくさん読んで大きくなりなさい”そう心の中でつぶやいた。

あるウォーキングの帰り、本川越駅から急行・西武新宿行きに乗った。急行といっても田舎の方は各駅に止る、わたしの下車駅の小平駅、その先田無駅まで各駅停車だ。
始発駅のせいかひとつの車両には数えるくらいの人しか乗っていない。私はシルバーシートに腰を下ろした。
最近シルバーシートに座ってもなんの抵抗感がない。
座って前のシルバーシートに目をやると若い女が左にはバックと大型の一眼レフのデジカメを置いてお店を広げている。がらあきの車内でなぜシルバーシートにわざわざ座らなければならないのかやがて分ってきた。
シートと横の窓ガラスとの間に15センチ位の棚状のスペースがある、彼女にとってこれが必要なのである。ここに化粧の道具をならべている。
見るとはなく観察する。棚に並べたお化粧の道具をとっかえひっかえしてお顔をペイントしたり、睫をいじっている。素材を考えて塗っているのだろうか
全身黒ずくめの衣装をまとい、足はO脚なのか広がっている。爪は人差し指以外は銀色で長い、人差し指の爪が短いのはそれなりの理由があるのだろう。
やがて新所沢駅に近づき彼女は立ち上がった。黒い靴の高いヒールだけが金色だった。この駅近くの学生だろう。

小学生のお嬢ちゃんもこんなになるのかな~。


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