雑味館抄 <あいさつ>  2003. 9. 19


秋を予感させる・・・
朝夕はだいぶ涼しくなった。昼間はかなり気温が上がるが、それでも日陰をウオーキングすると真夏の暑さとは違うと感じる。
あのうるさいセミの泣き声も聞かれなくなり、その姿も時折見かける程度になった。
過ごしやすい秋は近づいている。晩冬に春を待ち望んだ あの気持ちはもてないのはその後に来る長い灰色の冬を思うからかもしれない。

最近、目を通した本で「半死半生語集」と言うのがある。いわゆる「死語」まで至っていない言葉を集めたものである。
パラパラめくって見ると自分では 「今使っているのに」(Aグループ)と思うものと「懐かしい」(Bグループ)と思うもの。「知らないナー」(Cグループ)と思うものもあり一人で悦にいっている。
少し紹介してみよう。表にしてみた。

Aグループ
(使っているもの)
倹約節約は行動、倹約は精神も含むらしい。
財布
ズボン元はフランス語のjupon。今パンツ、スラックスが多いそうだ。
騙し騙し昔は慎重に使うときに用いた。
Bグループ
(懐かしい)
雨合羽ビニール製のものを着たっけ。
燠(おき)消し炭、火消し壷なども懐かしい。
汽車夜汽車に揺られてて帰省した。
散水車撒水(さっすい)がほんとではだって
チャック正しくはChack。でも日本語で巾着の着からだそうだ。昔の人は面白い。
謄写版小・中学校の職員室でよく見かけた。
メリケン粉よくお世話になった。今は小麦粉。
ドンゴロス唐米袋ってのもあった。
Cグループ
(初耳)
一閑張いっかんばり。葛篭屋さんで作ってたそうだ。
臥焔がえん。乱暴者。臥焔って江戸時代の火消しだそうです。
出職でしょく。研屋、畳屋さんなどでかけての仕事。対は居職(いじょく)

セントラル・パーク(多摩中央公園)

世の中ではほとんど使われていないのを使っていたり、懐かしいと思うものがかなりあったりするのは、自分が年を取ったことであろうと改めて思った。

これもまた年をとったからだと思うが、「便利さの追求」もほどほどにと思うこの頃である。
停滞したら終わりとばかりに便利なものが次々と世に出てくるが、便利さと人間らしさは反比例すような気がする。
古くは、自動車、エアコン、最近は 携帯電話、それに付随したメール。いつでもどこでも話せるようになったが便利になった反面、利用者が失ったものも大きいのではないか。