しむ


2010. 5. 14
たび(ハウステンボス)
宿泊したホテルアムステルダム

  • 日時:4月28日~29日
  • 場所:佐世保市
プランニング
 プランニングは全てりうクンのママにおまかせ、私はときどき話を聞いていただけ。 
最初はハウステンボス・・・?と思った。 しかし考えてみると年取った老人がひとりで行くところではない、絶好の機会である。
園内のホテルで1泊、二日目は長崎市へ、そこで2泊して4泊目は小倉、今年白寿である義父を訪ねる。 帰りは新幹線で・・・。
 私はここ何年か、新幹線に乗ったと言う記憶がない。 博多から小倉へは500系、小倉からはN700。 N700はママの好みだとか、りうクン「いいよ、ママの好きなN700で・・・」となったらしい。
 りうクンたちは3年続けての長崎旅行だという。 鉄子・鉄生の二人はJR九州の特急に乗るのが楽しみだという。  私も鉄道は好きだが、新しいものはどうも苦手、古いSLや線路を見ていれば楽しい。
 てなわけで長崎のホテルはJR長崎駅のホームや駐車線が遠望できて、さらに市内電車が見える部屋となった。

ハウステンボス入国
マウリッツ広場の噴水

 ハウステンボスはこの4月から旅行会社が経営支援を行うという新聞記事があった。 そして、私達が訪れたときは何事もなかったように開園していた。
 長崎空港からJRかバスで行くか決めていなかった、たまたま高速船の案内がまもなく出航と教えてくれ乗り場へ急ぐ、船内には10人足らずの乗客がいた。
 大村湾を北上すること50分、マリンターミナルに着いた。 荷物はホテルへ運んでくれる。
 ガイドマップを見ながら歩きはじめる・・・と言うと聞こえがいいが、私はもっぱらついて歩くだけ。 マップによればテーマパークゾーン(有料)とフリーゾーン(無料)があるそうだ。  到着したところはフリーゾーン。
 北に向かって歩いて行く、右手の海岸にはヨットハーバー、帆船デ・リーフデ、左手には昔の異国風建物・・・タイム&ゾーン・スリップした気分である。 観光客は少ない。
なにやら入場ゲートでティケットを見せて通り抜ける、サウスゲートだそうだ。 後で分かったがここから北のエリアが有料ゾーンでティケットを見せれば出入りは自由らしい。

見物 (運河、ビネンスタッド、ニュースタッド、フリースランド、観光丸 etc)
運河の白鳥にごあいさつ

 ビネンスタッドというエリアに入る。すぐ右手に宿泊するホテルアムステルダムの建物が見える。 まぁ、ホテルらしくないところがいい。 しかし迷って探すときは大変かも。
 近くにアレキサンダー広場がある。
街路をパカパカと音をたてて乗合馬車が走る、中世のオランダを模したという。 
街並みは全て昔風、このゾーンはショッピングのエリアらしい。 店先に大きなチーズやフルーツがバスケットの中に並べられている、もちろん本物ではない。 
 私はひとつを取ってりうクンの頭にポン・・・。 喜ぶりうクン!
建物の向こうに行って見るとメリーゴーランド、カルーセルと書かれている。 オランダ語なんだろう。
ひと組の客が乗って回っている、何かものさびしい。 こういう遊び具は前世紀の遺物のように思えたからそう思ったのかもしれない。
 りうクンに勧める・・・イヤだそうだ。 そう、りうクンは遊園地が嫌いなのである。

白馬に見入るりうクン

 このゾーンも運河に囲まれていて、時おり20人くらいを乗せられる遊覧船が泳いでいる。 そういえばオランダは海面に近い国なのだろう。
運河の脇の歩道に降りてみる、   白鳥が寄ってくる。人懐こい・・・スレていない?  さっき路面にいたスズメも人の近くに寄ってくる。
「りうくん! こんにちは・・・って言ってごらん」
「こんにちは」
白鳥に声をかける。 こちらもスレていない。

 運河に架かっている橋をわたりニュースタッドというゾーンに行く。 こちらはホライゾン・アドベンチャー、フライトオブ・・・、XXXシアター、体験型のエリアらしい。 この手のものはりうクンは苦手だそうだ。
  ママいわく「チーズワーフ」お料理がいいらしい、じゃぁ明日のお昼はそこで・・・。
マウリッツ広場の噴水を見ながらフリースランドへ向かう。
 白いお馬がジッーとして動かず立っている。 よく見るとタテガミは三つ編だ、街中で乗客を乗せた馬車を引いていた馬もタテガミは三つ編みだった。 この白い馬は休憩中なのかもしれない。
 動物好きのりうクンはしばらく白馬の様子を見入っている、関東の牧場に行ったときもアルパカから離れず遊んでいたという。 きっと動物のように素直でやさしい心を持っているのだろう。
「行くよ!」ママの声にその場を離れる。
ドラマ撮影にも使われた帆船

 アートガーデン、バラの運河でお花を観賞し、ドムトレーン・高さ105mのランドマークタワーを横目に観光丸を見に行くことにする。

 観光丸という名の外輪をもつ気帆船は復元されたものだそうだ、大村湾をクルージングするらしいが着いたときこの日の営業は終了していた。 
 しばらく外観を眺めたあと、近くの龍馬伝館に入る。 ドラマの撮影にもこの船を使ったそうだ、そしてCGで外輪を隠したらしい・・・そういう映像が流れていた。
 外に出ると、気象予報のとおり雨がポツリポツリ、急いでテーマパークゾーンにあるホテルへ向かう。
ママが左手に見える建物を指差し教えてくれた「この建物もホテルだった・・・でも今は営業していない」
 今日は28日、GW前日とはいえ平日、歩いている人が少ない。

和食レストランでびっくり・・・
 ホテルは園内に三つあるらしい。
 私は夜中に目覚めることが多いから別々の部屋の方がいいだろう、そして常用している目薬を冷暗所に保管するため冷蔵庫つきであること、当然あるものと思っていても確認は必要だ。 それが私の条件だった。
 それ以外はママにお任せだ、3人だが隣り合わせのツイン二部屋。   夕方から降りだした雨の中をりうクンとママはお散歩に出かけた。 さすがの私も・・・と言おうか、当然と言うべきか、疲れ果てソファに横になっているとウトウト・・・。
 トントン、夢の中で目覚める。 ここはどこだ? 嗚呼・・・ハウステンボスか、今の音はりうクンか?
 やや間をおいて現実に戻された。 ドアを開けるとりうクンがニコニコしながら小さなぬいぐるみを持って立っていた。 雨の中のお散歩、ついていく方も大変である。 ご苦労さん!

 雨が降っているからホテル内で夕食をとも思ったが、フリーゾーンにある和食のレストランへ行くことにする。 外へ出てみると雨脚が思った以上だ。りうクンを背中にと思いしゃがむとすぐ乗ってくる。
 入口に近い窓際のテーブルで旅の最初の夕食がほぼ終わりに近づいた頃、大勢の団体さんが入ってきた。 仕切りを隔てた隣の席などあちらこちらに分散して座ったかと思うと大きな声でわめき散らしている。 
 九州出身の私はこの辺りの九州弁は理解できるが、 話している言葉が理解できない。 どうやら大陸の言葉らしい。  帰りのレジで私は「ずいぶん賑やかですね」、「でもお金をたっぷり落として行ってくれるといいですね」と言ってしまった。 レジの男性は「C、K,Tからの方が多くなりました」と。
(このページを記述している日の新聞のシリーズもののタイトルに、日本は「観光客 頼みの綱」とあった。 今やわが国はこの国のお金が頼りらしい)

29日は早朝から・・・
風車は何で動く?


 29日、6時半にドアをノックする音がした、「おはよう」りうクンである。 もう朝の散歩を済ませたとか。 
 7時からの朝食も早々に済ませて「ジージ、行こう!」。
 ”さっき見てまわっただろうに・・・”同じ場所に私を連れ出す。
 運河の縁の遊歩道を歩いていると白鳥が集まってくる。 河がクロスしている場所で、数えてみると10数羽。 りうクンの歩く後を追っかけているように。 りうクンは愛用のカメラ(もちろんおもちゃであるが・・)のシャッターを押す。  カシャッ、カシャッ。
「りうくん!! どうしてカシャッ、カシャッって2回押すの?」ジージの意地悪な質問である。
「だって・・・」
 10時頃チェックアウト。
りうクンはキンダージムというお子様の体験コーナーへ。最初はしぶっていたがアッという間に30分が過ぎたようだ。  その間、私は暖かな、いや暑いくらいの日差し、アンブレラの下で日差しを避けながら通りを行きかう人を眺めていた。 九州弁も聞こえてくれば大陸の言葉、欧州系の言葉もあった、なかなか国際色豊かである。

そして、出国・・・
城のような建物は・・・

 出国ゲートに向かう途中に大きな風車が4、5基立っている、それほど風はないのに回っている。 昨日は回っていなかった。 建物の後ろの方でモーターが回っているようだ。 
  入国ゲートの方から家族連れ、若者グループがやってくる、そうか今日は29日・祝日である。 
 ゲートを出るとバスやタクシーなどの乗り場がある。 右の方に向かうとJR九州のハウステンボス駅である。 
 佐世保の方から青い車体で2両編成のディーゼルカー「快速・シーサイド・ライナー」が駅に着くのが見えた。 残念ながら乗り損ねた。 次の列車まで50分くらい待つようだ。
 駅前広場のベンチに腰掛けて写真のような青い梅、青い空、時たま行き交う列車を眺めながら駅の売店で買ったお弁当を食べる。 なかなか得がたい体験であった。
12時42分のシー・サイド・ライナーに乗って長崎へ向かった。

<以下次号>


たび