ウオーキング
05. 7. 1
ウオーク(多摩の里山巡り)
はじめに
小町井戸
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日時:6月25日(土)9時15分~
コース:パルテノン多摩広場⇒多摩南野⇒小野路城址⇒萬松寺⇒小野神社⇒野津田公園⇒町田牡丹園⇒薬師池公園⇒鶴見川遊歩道⇒鶴川駅(約14km)
30数年前の職場で一緒だったS氏からこのウオーキングのお誘いがあった。S氏は現役としてある団体に勤務されている。このウオーキングはその団体の同好・健歩会のイベントである。この日の参加者は約50名、部外者は私だけだった。それでもメンバー表にはS氏の友人として記載されていた。謝々。
この日のコースの中で小野路城址は未だ訪ねたことがなかったので楽しみにしていた。以前近くまで来ていたらしいが行きつかなかった。
ここ2、3日梅雨の晴れ間というより梅雨の長休みと気象予報士が報じていたが、この日は最高気温が32℃と予想されていた。しばらく晴天が続くという、私は異常気象でことしの梅雨は終わったのではないかと思った。
ウオーキング中の熱中症対策もしっかり行い、ペットボトル2本の水分と折り畳み傘を用意して来た。
パルテノン多摩⇒多摩南野⇒小野路城址
小野路城址
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パルテノン多摩は多摩市の文化施設で大小のホールや小さな展示室もあり、また地域の歴史書などの蔵書もあり私はよく利用させてもらっている。
準備体操があって9時半過ぎにスタート。多摩ニュータウンの住宅街をぞろぞろと50人の列が歩く。荻久保公園という小さな公園で小休止、私は当然ながら顔見知りはいないので、S氏としゃべりながら歩く。氏もいわくこの健歩会に参加しても黙々と歩くだけという。私もウオーキングでしゃべりながら歩いたのは初めてである。さて多摩市南野から小野路への道を下りながら右手の木々に覆われた畑の方へと登っていく。
この辺りには奥州古道の中尾道があったという。
山道を覆いかぶさった木々の間から所々畑が見える。付近の農家の人の作業場だろう。所々に大きな屋敷がぽつんと見えるが、落人の里のようでもあり、東京の中でニュータウンから少し歩いたところにもこのような風情を楽しむことが出来ると感心したり驚いたりする。
小野路城址のすぐそばに小町井戸という湧き水がある。近くの説明板には次のように記されている。
萬松寺
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この湧き水は小町井戸と呼ばれている。平安期のむかし、小野小町が病にかかったおり、この山に千日こもり、この水で目を洗ったところ全快したという伝説からでた名といわれている。また仙人水とも呼ばれたらしく「武蔵名勝図会」にその記載がある。
小町井戸はここから東南へ100m程の崖下にある「滝つぼ」と呼ばれる湧き水とともに、小野路城の水源として使われたものと思われる。いずれも水量はわずかだがひでりにも涸れることがないという。
武蔵国分寺の近くには「真姿の池」があり、こちらは玉造小町という人が不治の病に苦しんだが池の水で身を清めると、たちどころに病が癒えたという。(こちらに真姿の池の写真あり)
このあたり一帯は東京都の歴史環境保全地域に指定されており、小野路城は豪族小山田氏の副城であったといわれるそうだが、他に滝壺、こうせん塚、乗越八幡跡、白山権現跡、神名社跡など歴史的遺産が点在している。
副城と記されているが、もう少し西の方にあった小山田城が主城らしい。
萬松寺⇒小野神社⇒野津田公園
木々が生い茂った山道は数日前に降った雨をたっぷり含んでいる。滑らないように気をつけながら山を下る。
やがて萬松寺というお寺に着く。境内には小石が掃き並べられていた。このお寺は正式には「小野山萬松禅寺」といい、由緒によれば創建は元徳二年(1330)だそうだ。
1330年は鎌倉時代も末期で、3年後には分倍河原の合戦もあり鎌倉幕府が滅ぶこととなる。
さらに山を下ると、車の通る音が聞こえてくる。小野神社に着いた。私はこの神社は数度参拝している。以前とお変わりないようである。
昼食(野津田公園)
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ふたたび今来た方角に戻りながら野津田公園に向かう。ローマ字表記ではNOZUTAとなっていた。
11時半、ちょっと早めだが昼食の時間となり、陸上競技場前の木陰を見つけ腰を下ろす。
12時15分の出発前に全員が揃って記念撮影。こういうことが出来るのはウオーキング行動がまとまっているからだろう。
私がよく参加するウオーキングはスタート、昼食、ゴールインも自由である。
町田牡丹園⇒薬師池公園
薬師池公園
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さて日差しが真上から照りつける今日の気温はかなり上がっていることだろう。野津田公園の湿生植物園の脇の山道を登り、上の原という名の広場から下り坂となり住宅街を通り抜け、芝溝街道を横断し、さらに鶴見川にかかる丸山橋を渡る。再び坂を登ったところの町田市ボタン園で小休止、木陰を見つけ水分補給。ボタンの時季はとうに過ぎ園内は緑一色、シーズン中は有料らしい。
梅雨が明けたかのような日差しを浴びながら薬師池公園へ向う。この公園は度々訪れたことがある。駐車場が整備されていて、休日でも早い時間帯なら待つことはなかった記憶がある。正門から出入りしていたが、今回は薬師堂のあるほうから降りていく。園内の梅、桜の木など青々とした下を通り池のほとりに出る。小径をはさんだ菖蒲園は見ごろの花を人々が見回っている。木陰に腰を下ろしスケッチしている人も見かけた。菖蒲園の向うの土手にはアジサイが負けじと彩っているが、ここでは菖蒲のほうが主役のようだ。
ウオーキングの幹事さんが本日の気象に配慮して、ここで一次解散ということになった。
当初のゴール、小田急鶴川駅まではオプショナルとなったが、日影がないところばかりとのこと。
田植え風景
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S氏と相談のうえ最終ゴールまで歩くことにし、13時半に出発した。
鶴見川遊歩道⇒鶴川駅
薬師池公園内の蓮田を通り鎌倉街道に出て鶴見川まで北上する。
鶴見川の直ぐ北側には芝溝街道が走り、更に北には野津田公園の東側の小高い山が見え、今年3月ごろ開通した鎌倉街道の直進トンネルが見えた。このトンネルが出来てないときは迂回して小野路の交差点に向っていた。車で迂回している頃は遠回りだ思っていたが、今は便利なった反面何かを失ったのではないかと考える。
鶴見川緑道とは名ばかりで河畔道である。川の両岸は石が積み上げられた防水堤防で何の趣もない。S氏と話をしながら鶴川駅までの4kmの道を黙々と歩く。
河畔道の直ぐ脇で写真のように田植えの風景を見つけた。腰をかがめて一本一本手植えであった。なにか懐かしい気がした。