オーキング
05. 8. 11
花鳥風水(サギソウなど)

はじめに
サギソウ
花鳥風月という言葉がある。天地自然の美景のことをいうらしいが、私は最後の「月」を「水」に変えて、花鳥風水としそれぞれを追っかけてみた。
新聞の地方版の片隅に「昭和記念公園でサギソウまつり」の紹介が載っていた。それによると「青葉」、「銀河」、「輝き」の3種3万本を展示しているという。
私は「サギソウ」と聞いても鷺に似た花だろうくらいしか想像できない。
新聞にはシラサギが翼を広げた姿に似た花が咲くことに由来して、かって国内各地の湿地に自生していたが、開発や乱獲で減少し、現在では環境省のレッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類に指定されていると記されている。また植物図鑑には「らん科で地中に球根があり、花びらの1枚は大きくて、三つにさけてシラサギが飛んでいるような形」と記載されている。
近くの川でコサギなどの姿をよく見ているのでサギソウの姿をイメージしながら見物に行こうと思っていた。とはいえ連日最高気温が35℃近くだと出かけるのも気後れする。
幸い8月9日は32℃と予想されていたので多少救われるかも知れない。

ハス
昭和記念公園は冠に国営とついている。立川市と昭島市にまたがっているがまだ入園したことはなかった。旧米軍立川基地が返還された(昭和52年:1977)跡地に造られ、昭和63年(1988)に開園したそうだ。
米軍基地は立川駅からそんなに遠くないところにゲートがあったと思う、ゲートのちかくには映画館が数軒並んでいて、街の中心を基地が占有してたいへんだろうという記憶がある。
その基地跡のほとんどが公園となり、中に入ってみると昔のことを知らずに遊ぶ子供たちが群れていた。

道中
今日の目的の「サギソウ」の展示場は、西立川口の近くらしい。モノレールで立川駅、青梅線で西立川駅へと向う。 モノレールは何故だかボックスシートがある。これは非常に効率が悪い、4人掛けのところ1人座っていると、なかなか残りの空いた席には座りにくいらしい。
私ひとりで座っていると、後のボックスに同じ駅から乗ってきた女子大生らしいふたり。会話が聞くとはなしに耳に届いてきた。
「最近の子供は海外旅行してるんだって」
「私たちの時は行かなかった」
「イキきたいね」
水鳥のむれ
「ウン、行きたいね」
「どっか行こうか」
「イコイコ」
「あそこにプールが見えるヨ」
「ドコドコ」
「イイナイイナ」
「いきたいネ」
「プール、ハイリタイハイリタイ」
「冬になったらスキーにイコー」
「イイネイイネ。イキタイ」

サラサラ感の会話はテレビのCMのようであった。スピードが比較的遅いモノレールでも退屈しないですんだ。

サギソウまつり
ほのかな香りが
漂うハーブ園
「サギソウまつり」は西立川口のゲートから入った真正面にある「さざなみ広場」というところで行われている。
その向うには「水鳥の池」が広がっている。
このサギソウはボランティアの方たちで栽培育成されたようで数多くの鉢に植えられ並べられていた。広場のあちこちでカメラマンがサギソウにポーズを求めているようであった。
驚いたことに サギソウの鉢を撮影用に貸し出している。
そういえば離れたところの木陰でカメラを向けている人がいた。スケッチしている人も見かけた。ここにいる人は年配の方が多いが、それぞれサギソウを楽しんでいるように見える。
私もサギソウがサギのように見えるイメージを求めてみたが・・・。

公園の西の方にはプールがあってにぎやかな声が聞こえる。子供の歓声に混じって「オーバーザレンボー」や「星に願いを」などのメロディも聞こえてくる。
サギソウについての知識も乏しい私はその種類「青葉」、「銀河」、「輝き」もよく分からない。展示の見学は終わりにして園内を少し散歩してみようと「水鳥の池」の周りを反時計回りに歩き出す。

池をめぐる
水鳥の池
先ほどのさざなみ広場の対岸に来ると蓮池があった。ここではハスの花がひっそりと咲いている。それをマニアのカメラマンがじっと構えている。ハスの花の動きを撮ろうとしているのかもしれない。邪魔にならないようにそこそこと次へ。
さらに西の方に進むとバードサンクチュアリがあり、それを見るための観察舎があった。ここでカワセミやアオサギが見られるらしい、双眼鏡と図鑑も貸し出しているという。しばらく眺めていたが、残念ながらバードは見られなかった。バードも人を見るのかも・・・。
北に歩を向けると干上がった残堀川にかかる「うのはな橋」というのがあった。残堀川はたしか昨年、玉川上水を下っているとき上水と交差している場所をみて驚いたことがあった。

気温が32℃の予報でもやはり暑さは変わらなく感じられる。近くのハーブ園に寄ってみる。このハーブというものにも疎いが、ある花壇に近づくと何やらスパイシーな香りがする。
いわゆる生でもこんな香料のような感じがするのかと驚いた。涼しくなったらまた来てみることにしよう。
暑さを避け木陰の下ばかりを歩いて出口へと向う。


ウオーキング