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06. 3. 1
ウオーキング(in武蔵野の早春)
はじめに
路傍の馬頭観音
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このウオーキングは、私鉄2社が合同で企画したもので、「梅の香り漂う百草園・谷保天満宮から武蔵野の早春を歩く」と題して京王線・聖蹟桜ヶ丘駅から西武拝島線・東大和市駅までの約12kmを歩くものだ。
最近、10km以上を歩いていない私にとってかなりハードであった。
日時:2月25日(土)11時~15時
コース:聖蹟桜ヶ丘駅→小野神社→六地蔵→京王百草園→府中四谷橋→四谷さくら公園→谷保天満宮→谷保第四公園→北第一公園→北~栄町緑道→小川用水→東京薬用植物園→東大和市駅(約12km)
冬の寒さを理由にトレーニングを怠っていた、鉄道会社のインフォーメーションに記されていたこのウオーキングを見たとき、12kmはちょっときついかなあと思った。
最近は2時間以上歩くと、足の付け根に異常を感じるようになる。持病が一つ増えたようだ。しかしこの日は天気がよく気温をそこそこ暖かいらしいので意を決して(?)出かけた。
もうひとつ出かけることを勧めてくれたものがものがある、それは今しがた読んでいた五木寛之氏のエッセイ集である。氏は数多くの持病に楽しみ(?)ながら取り組んでいると載っていた。私よりちょうど10歳年長で持病と戦い(?)ながら百寺巡礼しているという。頑張らなくちゃと元気を貰った。
しかし体力温存を考えてスタート地点までバスに乗り、締め切り間際の10時55分に着いた。
聖蹟桜ヶ丘駅から百草園へ
京王百草園の梅も見ごろ
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ウオーキングの受付が締め切られようとしている。申し込み用紙に記入し地図を貰う。近くに臨時のお弁当屋さんが店開きをしている。オニギリふたつの方を求めリュックに詰めて準備体操をする。体操といっても足のストレッチだけで周りを見るとあまりそれらしい人はいない。
今日のコースの前半は地元であり、ある程度土地勘があるので多少コースを外れても大丈夫だろう。
小野神社の横を通り過ぎ、今日は参拝を遠慮させて貰おう。
少し歩きはじめると少し年長と思えるオバサンが歩いている。
「どちらからおいでになりましたか」、「F市から」
そういえば昨年観梅に出かけたところ郷土の森の梅も
「見ごろでしょうね」
六地蔵の場所も指差しで案内した。
このあたりの田園風景にも「静かでいいですね」とおっしゃっていた。
京王百草園ではウオーキング参加者は2割引だそうだ。オバサンは「せっかく来たから入っていこうかな」と言われた。
私は(どうせ入園するなら、平日に来よう)と思いつつ駅に向う急坂を下りはじめた。ウオーキングのマップにはゴールまで約10kmと記されている。
川崎街道から京王線の踏切をわたり多摩川へ向う。
途中の神明神社という小さな社や、農家の庭先に設置されている取れ立て野菜の自動販売機に目を奪われ、田んぼがところどころ見られ道の脇を流れる小川にのどかな春の暖かさを満喫する。
府中四谷橋を通って谷保天満宮へ
谷保天満宮の梅園
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多摩川の堤の枯れ草のなかに緑も混じりはじめている、私はつくしをさがしもとめたが見つけることは出来なかった。
四谷さくら公園で小休止、時刻は12時少し前、私の万歩計は3547歩、2.7km。少し少ないなと思う。
四谷五丁目の信号を右折し多摩川の堤防から離れる。しばらく直進し四谷四丁目、日新町五丁目の信号を通り抜ける。ここらは比較的道幅も狭い昔からある道路である。
勤務先がこの近くであったことから、その風景を懐かしく思いながら
真っ直ぐ伸びた道を進む。中央自動車道の下をくぐるあたりがゴールまで約8kmだそうだ。
国立・府中インターの近くに出る、近くにはその向きのホテルや倉庫が立ち並びんでいる。
インターに向う幅広い車道を横断し田んぼのあいだに点在する住宅を結ぶかのような小さな道をいくと天神橋という名の朱塗りの用水に架かる小さな橋を渡る。天満宮が近いことを思わせる。
谷保天満宮にはひと月前に来たばかりだ、遠くから礼拝し梅園に向う。そのときは1、2本しか開いていなかった梅も見ごろで大勢の人が梅の木の下に腰を下ろしている。
玉川上水まで北上
中央線は高架工事がはじまった
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谷保天満宮は参道が甲州街道(国道20号)に面し、社殿は鳥居をくぐって崖を下ったところに位置している。
社殿が道より下にあるのは珍しいそうだ、昔の甲州道中が社殿の南側にあったのだという。
このあたりから私にはなじみが薄いところとなる。
甲州街道とその先の南武線を横断し線路沿いをしばらく西に向うと国立市役所が、ならびに谷保第四公園があり、一画に体育館、芸術小ホールなどがある。ここにも数本の梅と彼岸桜の木々が休日の市民を楽しませている。
ウオーキングはその公園脇の道をおよそ2キロくらい北に向う。
ところどころお店があるが住宅が立ち並んだ場所というのは苦手だ、ひたすら歩くしかない。あとから振り返ってみても思い出せないことが多い。
そろそろ持病が現れはじめた、ウオーキングしているおばちゃんは杖をついている。杖をつきながらも参加するのかと感心。しばらくこのおばちゃんのあとについて行こう。
横を50代くらいの男性が追い抜いていく。ちくしょう、まあいいか、スローリー、スローリー。
一橋大学の西側を歩いている。むかし、そう40年前だろうか勤務先がコンピュータをこの大学に納めた。そのコンピュータは小形の部類に属するが、たしか第2号機か3号機目だった。その頃はコンピューターを使う(マシンタイムを確保)ことが大変で、この大学のそのコンピューターを使うため夜中のマシンタイムが与えられ、入力媒体の紙カードを抱えて訪れたことがあった。24歳の頃だった。
そんなことを思い出しながら歩いていると、やがて中央線の踏み切りにたどり着いた。
小川用水:玉川上水の分水
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中央線は高架工事がはじまったようだ。今年の秋までに仮の線路を片側に寄せてつくり、あいたところに高架の線路をつくるそうだ。
いつの間にか道案内の「→」のマークが大きくなっている。鉄道会社のテリトリーが変わったのだろう。
住宅を縫うように街中の道を北に向うと北大通りという広い道に出た。周りには10数階の高層住宅が建っている、1kmほど西に歩いたところに北第一公園というのがありここでひと休みをとる。時計を見ると13時40分。
ウオーキングマップにはゴールまで約4kmと書いてある。ということは8キロ歩いたことになるが、わが万歩計は7983歩、6.1kmと表示。2キロも少ない、万歩計もお疲れかな。
おそらく足の疲労をかばって上下動が少ないように歩いているからだろう。
あと4キロなら1時間でゆっくり歩いても15時前にはゴールするだろう。ベンチに座っていると、となりのベンチに座っている同年齢くらいのオッサンもなかなか腰を上げない。
地図に記載されている公園から北に向う「北~西町~栄緑道」は戦前、立川飛行場に資材を運ぶための引込み線の跡地を利用したものだという。古い線路を利用したアーチが公園の近くに立っている。
「北」というのは国立市・北、「西町」というのは国分寺市・西町、「栄」は立川市・栄町のことである。
帰宅後手持ちのシティ・マップを見るとその緑道は中央線から弧を描いて立飛という会社のところまで延びている。
国立市・北の東に国分寺市・西町がある。なんだかややこしい。そういえば京浜急行の北品川駅は品川駅の南にある。北品川駅は品川区の北端にあり、品川駅は港区の南端にある。そもそも品川と名づけたのがおかしい、なあ~んて思いながら地図を見る。
自衛隊の駐屯地の北端あたりで、緑道からはなれ立川通りへの真っ直ぐな道をあゆむ。まわりは畑が多い、遠くにケヤキらしい木がならんで見える。これも武蔵野の景色かな。
立川通りを北上する、まあなんとも退屈なところだがやむを得ない。ガマンガマン。
この道もところどころ立川市と国分寺市がいり込んでいる。やがて五日市街道との交差点である砂川九番を抜け、清掃工場を過ぎると小川橋の信号が見えてきた。橋の下は玉川上水である。
東京都薬用植物園
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東大和市駅へゴール
1年半くらい前、玉川上水の側道を下ったことがある、この小川橋も通った。(あの時は元気だったなんて弱気になったりして)
小川用水という玉川上水から分水した小さな流れに沿って歩道がつくられている。ウオーキングマップにしたがって歩き村山街道に出た。ゴール手前の左手にかなり広い敷地のなかに庭や温室もある東京薬用植物園がある。
時刻はゴール締め切りの午後3時にすこし間がある。植物園に入る、資料によれば昭和21年に開園、1600種の薬草、草花が栽培され春には「ケシ」の花も見られるそうだ
14時50分、ゴールの受付をすませる。わが万歩計は11035歩、8.4kmで終わった。12kmなら歩幅70cmでも16000歩は行くはずだ。5000歩、3.6kmもサボりやがった。
しかし今日は、多摩市、日野市、府中市、国立市、国分寺市、立川市、小平市、東大和市と8市を歩いたことになる。帰りは玉川上水駅経由モノレールで帰宅。
多摩北部(昔は北多摩郡と言った)には東XX市というのが多い、遠くに住んでいるとよくわからない。しかし駅名に東大和市と市までつけているのは何故だろうと気になった。どこかに東大和駅があるのだろうか。たぶん西武鉄道は「市」をつけるのが好きらしい、ほかにも入間市駅、狭山市駅・・・がある。心地よい疲労感が眠りを誘ってきた。