オーキング
06. 3. 21
観梅記(京王百草園)

老稚園の遠足
老稚園の遠足
3月15日、この日は暖かくなると予想されいた。近くのIさんから「百草園」の観梅を誘われていた。メンバーはHさん、Iさんの奥さんの4人。奥さんがオニギリをつくってくれると言う。
この日は朝から晴れている、翌日は午後は曇りの予想だ。出かける前に洗濯をしておこう、やっているとIさんがやってきた、まだ出発時刻には30分あるがと思っていると、私の分のお弁当を持ってきてくれた。ありがたいことです。
いつものウオーキングで出かけるときは、途中のコンビニでオニギリを買っていくことが多いのだが、手作りのお弁当はいいものだ。

行き
百草園は京王線・百草園駅の南側の小高い丘の上にある。観梅のシーズンになると通常は止らない準特急電車が土日にはこの駅にも停車する。
この駅から百草園に来るには急坂をあえぎあえぎ登らねばならない。
見ごろの梅林
私たちの住まいは百草園の南方、道なりにおよそ3kmのところにある。私もよく百草園の近くまではウオーキングしているが連れ立って歩くのは初めてである。
いよいよ出発!。 目の前にT大学の幼稚園がある。「老稚園の遠足だね」と私が声をかける。「老稚園かあ」といいつつT大学そばの道を多摩市に向う。ここは八王子市でも最東部に位置し、これから通る百草団地も多摩市、日野市またがっている。京王百草園は日野市にある。
多摩市に入る少し手前に住宅がまとまっている一角があり、そこに「XXマート」という雑貨も置いている酒屋さんがあった。つい数日までは「ある」というべきだった。解体されてなくなってしまった。個人商店がなくなってしまうのはさみしい。いまは全国展開のフランチャイズ店、どこへ行っても同じような、画一的なストアが多い。
八王子市から多摩市にはいる竜が峰通りのやや急坂の道を登りきったところに多摩市立竜が峰小学校がある。聞くところによると生徒数が60人くらいだという。近くの百草団地の多摩市域の少子化が進んでいるのだろう。
再び坂を下って上る、話しながら遅れてくる組を気遣いながら歩いているといつの間にか坂を上っていた。するともう日野市である。ひとりでここを歩くこともあるが、話しながら歩いているとあっという間に苦の区間を通り過ぎてしまう。
心字池の梅
皆さんはあまりこのあたりまで来ないようようである。私は百草台自然公園、三沢台小学校などと名前を言いながら三角点公園というちょっと変わった名前の公園の角を曲がり坂を上る。まもなく左に遊歩道が見え、百草八幡の朱塗りの社が姿を現した。 百草八幡に参拝しその奥にある百草園の入り口をくぐる。出発して40分だった。

百草園にて
樹齢三百年の寿昌梅
平日だが、園内はかなりの人でにぎわっている。梅の木は約800本あるそうだ。八幡宮の方から入ると同じ高さに三檪庵、松連庵、などの茶室があり、正門が下の方に見える。寿昌梅という樹齢およそ300年になる古木が松連庵の正面にながく息づいている。
あちらこちらの梅の木に短冊が下がって風にぐるぐる回っている。紅梅、白梅、早咲き、遅咲きとにぎわっている。蝋梅ははや盛りを過ぎたようだ。
私たちは園内を回ってみようと正門の方に下りていく。超望遠レンズをつけたカメラを構えた人が多い、かなり高齢のご婦人でそのようなカメラを担いでいるのが目立ち驚いた。まわりを見渡すとやはり高齢の方が多い、団塊の世代が定年退職する2007年以降はますますにぎわうのかもしれない。
正門から入って右手の方にちょっとした広場があり、テーブル・ベンチもある。お昼には少し早すぎる。細い道を上っていくと芭蕉天神という小さな祠があった。めったにこないところだが、わき道にそれると思わぬものを見つけることができる。
多摩川にかかる四谷橋
三沢下郷の篤学農民土方誠助(文政七年~大正三年)が学問の大切さを子孫に知らしめるため祀った。そのおかげか子孫に旧七生村の村長になったものがいる。 と説明が記されている。
親がいかに知らしめるか、そして受ける方がいかに理解実践するか。現代には忘れられたように思う。
さらに狭い道を登って行くと見晴台があり、遠くに新宿の林立した高層ビルがかすんで見える。清涼台の周りには古木が立ち、いまは時期が早すぎるが、夏になればいかにも涼しげな雰囲気となりそう。どうやらここらが一番高いところらしい。下っていくと係りの人が庭をいじっている。 もう少しすればカタクリの花が咲くという。
空き地のテーブルを見つけてお昼となった、そこは北側に開けたところで多摩川を望み府中四谷橋、その先に市街を見渡せる。
手作りの大きなオニギリ、いろいろなおかずが詰まった弁当を用意していただいた。ビールなどで 喉を潤しながらしばし至福の時間を過ごした。

帰り
松連庵がある広場にはみやげ物や小鉢に植えた梅を売っている。「ここから買って帰るんじゃ重いから、スーパーに行って買おう」。
寒アヤメ
小鉢の梅は¥4000の値札がついた上に値引き¥3000と記されている。「3000円値引きして1000円で売っているよ」
「値引きして3000円になっているんじゃない」など勝手に解釈して楽しんでいる。
アヤメが咲いている!。たしか寒アヤメという表示がされていたと思う。
帰宅後、「寒アヤメ」植物の図鑑(児童用ではあるが)で調べて見るが載っていない。しかしネットで検索してみると結構な数がヒットした。なかには同じように書物に載っていないというのもある。
帰りは同じ道を通るのも芸がないといって私の案内で七生丘陵散策路に入りしばらく山道を歩く。 竹や雑木に覆われた散策路は都会からかけ離れた雰囲気を漂わせている。
七生丘陵散策路は左の方に向かい大宮神社の脇に出て、川崎街道、京王線・百草園駅はすぐ近くだ。
私たちは左折せずに歩くと民家のそばのやや広く舗装され車も通れるような道へ出る。私は整ったニュータウンの街路を歩くよりこのような「田舎の風景」が好きである。Iさんもこういう景色はいいね、と言っていたが何かしら昔を感じられる。
まもなく左手の農家から乳牛の仔牛が見えてきた。Iさんの奥さんは近寄って「かわいいね」と言いながら頭をさすっていた。仔牛も目を細めている。私はちょっと・・・、遠慮させてもらった。まわりに最近新築されたらしい家が増えているのを見ながら田舎道を下りやがて見慣れた都道20号・野猿街道に出た。


ウオーキング