オーキング
06. 4. 21
観緑記(長池公園)

はじめに
見附橋とチャペルをバックに
4月17日、晴れて暖かい。午前のウオーキングに出かけようとしているとIさんの奥さんがやって来て「あした、この間言ってたチャペルのある公園に行こうよ。天気もいいそうだから・・・」
Iさんは最近はじまった町内会有志による老稚園の遠足の会長さんみたいなものだ。話がすぐまとまる。「わかりました。じゃ、いまからちょっと途中まで下見に行ってきます」
チャペルのある公園とは長池公園のことである。少し急ぎ足なら1時間少々でいける。
きょう17日のウオーキングは、そのコースの下見をしようと歩きはじめる。
長池公園は八王子市別所二丁目にあり、自然林と三つの池、谷戸とその段丘に長池見附橋という昔の四谷見附橋を移築した橋がある。また数年前公園に隣接してチャペル風の結婚式場が出来た。
京王相模原線・南大沢駅の南東方向、直線でおよそ800m、歩いて10分から15分くいだろう、バス便もある。
この公園は晩年の母が近くの介護施設に入所したおり、何回か散歩と称して連れてきたところである。わたしもそれ以来となり、感慨深いものがある。
下見はコースの確認と公園へのアプローチにしようと考えている「せせらぎ緑道」まで行ってUターン、帰りはちょっとわき道へ入り初めて通る道を歩き”前頭前野”を喜ばせた。

往路
というわけで4月18日、新緑を観る遠足に出かけた。私はなるべく大通りではなく車のお往来の少ないルートを想定し、大栗川の緑道、番場公園、別所公園、せせらぎ緑道を通ろうと考えていた。
せせらぎ緑道は長池公園の池からの流水を小川のように造成したもので、上って行けば長池公園に着くことになる。
大栗川に出たところでHさんの奥さんが「このあたりの民家にあつもり草が群生していたが・・・」という。狭い路地に入りあたりの民家の庭をキョロキョロ見渡す、大根の花が上品な色で咲き乱れている が、あつもり草らしい花は見つからない。
あつもり草、私は初めて耳にする草花の名前だ。
「咲いていた場所は、きっと造成され住宅になっているのかも・・・」と慰める。
細い路地道は曲がりくねり時おり分岐し迷路のようだ。取りあえず川のそばに出る。そこは私が ひそかに「洗馬川橋梅園」と名づけているところだった。
京王堀之内駅近くのスーパーストアによりひと休みとお買い物。スーパーの3階から駐車場を経て道路に出る、少し下ると「せせらぎ緑道」の入り口が見えてきた。(昨日の下見はここまで来た)
公園内の水車小屋
「せせらぎ」という名前の通り、人工の小川ではあるが、大小の石が数多く配置され自然の小川と思いこみそうだ。水の音が聞こえる。
小川は当然、傾斜があって流れているが、ところどころ段が設けられている。そこを落ちる流水がいっそう雰囲気をかもし出している。残念ながら水はお世辞にもきれいとは言えない。
小川のそばには遊歩道、その外側には木々も植えられている。 その向うに戸建、高層の住宅が並んでいる。
ほとんどの方は初めて通る小道のようで、こういう散策道もいいね。秋もいいかもね、また来ようとなった。
日枝神社のところを右にまがり、しばらく高層住宅の間の歩道を歩いてると再び木々に囲まれた「せせらぎ緑道」を歩くことになる。
右の方に「お月見公園」と書かれている。なぜそのような名前になったんだろうなどと話しているうちに木々の間に教会風の建物と長池見附橋が見えてきた。

長池公園で
長池見附橋は老朽化した四谷見附橋を移築したものだが、その橋下には姿池という人工池がある。楕円形で深さは50cmもないようだ。おそらく幼児のことを考えてだろう。その上流の一段高くなった堤防のむこうには築池という自然に近い池がある。ついでに記せばさらに上流には柵と木々に囲まれ人が入れないようになっている長池がある。
私が気懸かりなことはこの公園にはトイレが少ないことである。ネイチャーセンターという建物のなかと公園の西端の2ヶ所しかない。しかもこの日はネイチャーセンターは休館日である。
食事の場所を西の方の小高い丘にしようかと考えつつ取りあえず、築池の左岸のじゃり道を行き炭焼き小屋、水車小屋、水田が見えるところまで来た。水車小屋のそばには事務所らしい建物が二棟ある。 ここには里山クラブという集まりがあるらしい、そのグループでこれらを管理・運営しているのかもしれない。
私がかって訪れたときは人はいなかったが今日はいるようだ。この近くに用を足すところがないか訪ねると、隣の建物がそれだという。
ヨモギ摘み
数年前に母を連れてきたときも困ったことがあった。炭焼き小屋の裏山を越え、谷をわたり丘の向うに行かなければ 用を足すことが出来ないと思っていた。そのトイレは普段は鍵をかけているらしい。そんなところにトイレがあるなんてしらなかった。知らしめていないのだ。
管理人さんらしき人に使わせてもらえることを聞き、水車小屋のわき道を上がったところで昼食とる。ただ先ほどの管理人は1時か2時には引き上げるという、私たちも1時までと決めて宴がはじまった。

女性陣が道から一段降りたところにヨモギを見つけ摘みはじめた。前回、Iさんの奥さんがヨモギ餅を作って持ってきてくれ、そのときわたしは久しぶりにヨモギの香りを堪能した。
そこへ炭焼き小屋のほうから下ってきた女性、帽子を深くかぶっているからよくわからないが、話し方から若い方らしい。ヨモギのつみ方から餅の作り方の教授がはじまった。
その風景は、家族のあり方を示していると思った。おかあさんが若い娘さんに家事を教えている姿に見えた。 現在はそのような風景を見ることがない、伝統、文化が伝わらないのだろう。
炭焼き小屋のある丘にのぼると広い雑木林だ、春の陽をうけた若葉がまぶしい。木々の間の小道を進む「高原に来たようだね、こんな近くなのに」

帰り
来た道と同じ道を帰るか、違う道を通るか意見が分かれた。あまり遠回りもはばかれる、途中から私のウオーキングコースに案内した。日枝神社、別所公園、九兵衛坂公園、府中カントリー外周遊歩道(これは私の命名)。
「九兵衛さんが住んでいたのかね?」、「さあ~」。振り向くと女性陣はゴルフ場脇の緑地でヨモギ摘みらしい。 男性陣も道路わきに腰を降ろしひとやすみ。
さらに大栗川沿いのベンチでお茶を飲む、家には4時過ぎに着いた。


ウオーキング