ウオーキング
06. 11. 11
ウオーキング(in西武・安比奈線)
はじめに
ここが幻の貨物線の起点 <南大塚駅>
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日時:11月 5日(日)10時20分~
コース:西武・南大塚駅→安比奈線→安比奈停留場付近→市民の森第8号→西武・南大塚駅(約7km)
そのパンフレットにはこう書かれていた。
-小江戸 川越 鉄道開設111周年記念-
幻の貨物線「西武安比奈(あひな)線」を歩く
大正から昭和中期にかけ活躍した西武鉄道の支線「安比奈」。いまなお当時の面影を色濃く残す貨物線をめぐります。
そして
うっそうとした木々に囲まれた細長い草むらに、なかば埋もれた一本の線路が伸びている。そんな写真が載っていた。
昭和戦争中生まれの私にとって郷愁をそそられるパンフレットである。開催日の11月5日に照準を合わせ、体調を整え参加した。
安比奈線
葛川橋梁
森の中の線路
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南大塚~安比奈間、全2.3kmの貨物線で関東大震災後の1925年(大正14年)2月に、入間川の川砂利採取を目的として開通した貨物線。
1949年(昭和24年)2月には電化路線となるが、川砂利採取の全面禁止を受けて1967年(昭和42年)にその役割を終えた。
しかし現在も「廃止線」ではなく「休止線」あつかいとなって39年が経過している。
南大塚駅構内には、今だ安比奈線と接続する線路が残り、その先は土に埋もれた線路、踏み切り跡、架線柱を見ていると今に列車が走ってきそうな雰囲気に出逢うことができる。
と記されている。
この日は日曜日であった。そればかりが理由ではないのかもしれないが、南大塚駅で下車すると同類が大勢いる。子供づれの若い親、若者のグループ、私が参加しているいつものウオーキングとは雰囲気がちがう。
池部用水橋梁
鉄路の終り
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ホームの北側、金網の向うに錆びた色の線路が見える。廃止線ではなく休止線ということは建前上、いつでも使えるようになっているのか、などと思う。
念のため用を足すために列に並ぶ。
受付は改札を離れたこの貨物線があった場所にあった。架線柱、線路の一部が残っている。
マンションや民家の間にある埋もれた線路を歩き始める。隣を歩いていたおばさんに声をかけると、ここ南大塚から来たと言う。やがて国道16号と交差する線路は道の中央では完全にアスファルトの下になっている。
民家の裏庭では線路の一部が花壇となっている、危険なのか線路の中を歩けない場所では開催者の案内の人が立ち迂回の指示をしている。
やがて地図に葛川橋梁と書かれた場所にやってきた、長さ20mくらいだろうか、長い年月使われもせず風雨に晒されたためであろう橋げたは錆び枕木は朽ちかかっている。
安比奈停車場あたりで
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見えてきた森の手前で、案内の人が立って「この先がパンフレットの写真の場所です。撮影スポットです」と大声を出している。たしかに森の中の景色はその通りではあるが、ひとつ違うことはウオーカーが大勢いることである。
案内の人いわく平日は立ち入り禁止だそうだ。
崩れ落ちそうな橋梁を見ながら、埋もれながらもわずかに頭を出している鉄路を歩き、森のなかをわき見しながらやがて線路が林の中に消えてしまう所まできてしまった。しかしその先にも葛がからみついた架線柱が幾本か残っていた。
安比奈停車場付近
入間川の対岸にある広場から子供達の歓声が聞こえてくる。このあたりに安比奈停車場があったらしい、それらしいものは何もない。
およそ40年くらい前にはここを砂利貨車が走っていた。1967年、私はどんな仕事をやっていたのか思い出しながら歩いた。府中の三億円事件は翌年である。さて草むらに腰を下ろして昼食をとりしばらく休む、青空があかるい。
復路は川越総合卸売市場の近くから、市民の森第8号という公園を通り抜け、ひたすらゴールを目指す。
時間は13時少々過ぎたばかり、まだ早い。
ここ南大塚駅は本川越駅のひとつ手前である、小江戸の雰囲気だけでも味わおうと川越に向う。
オプション・ウオーキング(川越市)
川越市・蔵造りの町並み
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というわけで川越にきた。いつか川越市も歩いてみたいと思い案内書なども見たことがあった。しかし思わぬ形で実現できたが、予習が出来ていないのでどこへ行けばいいのか見当がつかない。
安比奈線ウオーキングで貰ったパンフレットを見て「蔵造りの町並み」を訪ねることにした。
商店から庇のように突き出て狭い歩道を覆って、いかにも古い町並みという感じの中央通を北に向う。特産物や布地を並べたお店がならび年配の観光客が喜びそうな雰囲気がある。
人が群がっている店先を避け時おり車道におりながらいくつかの通りを越えて、蓮聲寺というお寺に参拝する。
本堂の賽銭箱の横には「おびんずる様」が座している。神社と同じように大きなガラがぶら下がっている。お寺で見たのははじめてであった。
境内のベンチにおっちゃんが座って一杯召し上がっている、その後に大きな図体の老猫が物憂げな顔をして丸くなっている。かなりお歳のようで目やにも出ている。しかし悠然とした貫禄に気負けしそうである。
(クリックすると拡大します。)
お寺から一丁ほど北へ行ったところが「蔵造りの町並み」で、外装は蔵の形のお店がずらりと並び昔の雰囲気をかもし出している。この通りはビルも見えず、昔にタイムスリップしたようであった。名産の芋菓子をお土産に買って駅へ戻った。