オーキング
06. 12. 11
観楓記(高尾山)
はじめに
ご近所さんと高尾山へ紅葉狩りに出かけた。早春に観梅に行って以来、折りあるごとにイベントが催されている。
秋になり顔をあわせると”まだ早いかな”などと言っていたがあっという間にその時期になった。
メンバーの中には余りウオーキングをやっていない方がいる、連れまわしてまだ青い紅葉であっては言いだしっぺとして申し訳がない。少し前の11月16日、草戸山へのウオーキングへ行った際、高尾山を遠目で見ながら”紅葉ももういい頃だな”と感じていたが・・・。
11月25日の土曜日に下見へ出かけ、そして12月1日(金)本番を迎えた。

下見(登り・1号路北ルート)
金毘羅台も混雑  
11月25日は天気もよく気温もそこそこの暖かさであった。午前中に車検が終わった車を引き取りに出かけ出発が遅くなってしまった。
今日は下見とはいいながら、初めてのルートで登り、下りは6号路を通ろうと考えていた。 今まで6号路と思って登っていたルートを間違っていたからである。
国土地理院のサイトで1/25、000の地図を見ていると高尾山口の駅より少々、北に行ったところから山道らしい点線が記されている。 パンフレットには紹介されていないルートなのでここでは仮に 1号路北ルートと名づけておこう。

高幡不動駅11時35分発、電車の中は土曜日とあってリュックを持ったおばあさんが多い。
その1号路北ルートの入口にも登山口と記された石標が立っていた12時15分。
細い路地に一歩入ると高尾山口駅前の人混みや甲州街道の車の渋滞が発生する騒音がうそのように静かだ。
数軒の民家が並び、これから山道にかかろうとするあたり”ろくざん亭”と書かれた食事処らしきものがあった。上り坂がやや急になってきた。
人の気配がまったく感じられない、振り返ると今乗ってきた電車の線路が見え、その向こうの山も赤くなっている。
人の少ない山道は静かでいい、道を間違えてはと心配になるが、山頂と矢印された板が立っている。
しばらくすると高校生らしい男数人が降りてくる、「こんにちは」と声を掛けるとこだましてくれる。しばらくすると中年の夫婦連れや、外国人の連れともすれ違い「konichiwa」と返ってくる。この程度の山でも挨拶は気持ちがいいものだ。でもこの先の表参道に行くと顔を見ても知らん顔である、もちろん私がである。

金比羅台というところまで人ひとりがようやく通れるくらいの道で あるが山の気分を味わうことができた。
金比羅台に着いたのは12時40分。平日はパラパラしか見かけないオバサンたちの代わりに親子連れや、若者たちのグループがぞろぞろ。丸太に腰をかけて遅くなった昼食のオニギリを食べていると、隣に小学低学年らしい女の子がお父さんとお弁当を食べ始めた。
15分の食事休憩で歩き始める、表参道は簡易舗装されているが、ここ金比羅台あたりは土のままでホッとするところでもある。
ケーブルの山上駅は大混雑
参道に戻り人の波を避けながら登る。
若い男が連れの女の子に「なんで、あのおばさん、おじさん達は元気なんだ?」と話しかける声が耳に届いた。
”ちゃんと鍛えておくんだよ。青年!!”(寅さんの口調)

参道は人の群れ
最近の高尾山登山ではケーブルカーを利用したことがない。したがって山上駅あたりの様子を知らない。下見に来たのだから駅へ足を向ける、金比羅台から25分くらいかかっただろうか。
並んでいる人人人。
薬王院まで1kmと記されていたが、20分弱で着いた。多少の坂道ではあるが人の多さが所要時間を長くするようだ。
浄心門の先で男坂、女坂とふた手に分かれる、歩きが苦手な人は当然、右の緩やかな坂道を行く。
おお!!、前を歩いているオバちゃん、電車の中で隣に座っていたね。
薬王院の階段を登る、およそ15分強の所要。ここまでは普段歩いてない人でも大丈夫でしょう。 境内はやはり、人人人。やはり暇人の私などは平日に来よう。そうでなければ、働いている人に申し訳ない。

さてここから山頂まで20分と書かれているが、奥の院まで階段が続く足に自信のない人は心配であろう。
山頂には薬王院から15分少々かかった。ほとんど平坦な山道だが、直前に多少の登りがある。
これで下見は終わった、あとはご本人の判断に任せるしかないだろうと考える。

下りは初の6号路
山頂も相変わらずの混みようだ、とても食堂に入って食べるということは出来そうもない。そこそこに下り始める。
稲荷山ルートというのがある、12月1日から「間伐」が行われるという。 13時53分山頂発。間伐作業の準備中の稲荷山ルートを下り山頂の環状線(5号路)を経由して、いよいよ6号路に入る。しばらくは下りの階段が続く。一段の幅が短いが高さがあるため、一段一段体を傾けながら下る。

同年齢くらいのおばさんが同じように体を傾けて一段一段慎重に降りている。”この段はキツイですね”と声をかけると「膝がわるいものですから」と。 お気をつけてと声を掛けて横を通り過ぎた。
観楓見頃
亡くなった家内も晩年は左膝を痛め腫れ上がって痛々しかった。人間も機械も長い年月使っていると磨耗する。騙しダマシ付き合うしかないのだろう。

この道は狭く人とすれ違うたびに脇によけてあげねばならない。前を下っているおばさんのスピードが遅いが追い抜くことはできない。しかも途中から沢の水が道を横切り湿った中を歩くことになっている。あまり年寄り向きではなさそうだ。
この6号路は山頂から急な下りが続いたあと、いくぶん緩やかな沢道が続く、沢とわかれ道らしくなってしばらくすると 大山橋という小さな架け橋がある。少し平らな場所がありご婦人方が休息を取っていた、14時30分。

半分くらい下っただろうか、目的が下るだけでまわりを見渡しても深い山間で見るべきものが見つからない。
しばらくは我慢の歩行が続く。左の下方にお堂が見えてきた、どうやらびわ滝らしい。
少し急な坂を下って道へ合流する、左へ行けばびわ滝である。登ってくる場合びわ滝へ真っ直ぐ進みやすい。少し幅が広く感じられるようになった道を黙々と下る、15時2分、ケーブル駅のそばを通る。
高尾山口駅までの道も人人人。

観楓本番
12月1日、9時半Iさん宅に集合。Iさん夫妻、Hさん、N夫人、それに私の5人のパーティである。 モノレールを利用し高幡不動駅から京王線で高尾山口駅へ。
この日は金曜日とはいえ、駅には中高年の登山客がかなりいる。私以外の皆さんは高尾山に来たのは、独身の頃にとか、会社の仲間と、ん年前に来たという。
楓がチラチラと降る下で
まず表参道の東にある不動院の「おびんづる様」に案内して自分の悪い所をなでると良いと言われている健康祈願を行う。
かすみ台付近の十一丁目茶屋付近で待ち合わせることにし、ケーブルカー乗車組と歩行組に別れる。
一緒に歩行した方は、日頃もかなりの速歩でウオーキングをやっている。
私はまわりの紅葉を確かめながら上がっていこうと思っていると、かなりのスピードで登りはじめた。
”おいおい、景色を楽しみながら、もう少しゆっくり登ろうぜ”と呟きたくなるスピードである。 しかたない、ついて行くか。
私の心臓もパクパクしている。この人は平気なんだろうか。登っている人を追い抜いていく。さすがにこの人もパクパクしてきたと言った。 私は参道から少し外れた金比羅台の方に行こうと言った。
汗が滲んできた、ひとりなら汗をかくなんてことはしない。私は着ていたジャンパーを脱いでベストに替えた。
ひと休みしていると我がハートも少し落ちついてきた。再び参道に戻りケーブル山上駅までの急坂を登る。
茶屋のところで合流したが、私はふたたび汗がにじむ、リュックの奥に入れたタオルを取り出した。
ここから山頂まではそれほど汗をかくこともあるまい。再びジャンパーに着替えた。
なるほど、なるほど


浄心門、女坂、薬王院と歩きながら、紅葉の素晴らしさを満喫できたようだ、久しぶりの登山者のために下見に来てよかったと思った。
薬王院への階段、さらに奥の院への階段は急でかなり続く。確認しながら休み休み踏破し、なんとか最後の登りもクリヤする。 頂上の一角でご婦人方が作られた昼食を頂く。上を眺めると紅葉の隙間から青空が見える。
風に吹かれたいろはモミジがお弁当の上をかすめる。浄土を堪能できたかも。

ご婦人方は紅葉狩りだけではつまらないようである、お土産店に寄ったりモミジを眺めたり。お蔭で私も今まで気がつかなかったものも目にすることが出来た。
写真の「つもり違い十ヵ条」というのも初めてみたし、おみやげの「ふき味噌」も初めて買った。下山し駅に向かうところで「野沢菜のオヤキ」も賞味した。

いや~、今回の高尾山もいい味でした。
みなさん、ご苦労様!!

ウオーキング