オーキング
07. 2. 5
高尾山(冬そば  1月)
はじめに
ケーブル清滝駅前もひっそり  
今年最初の高尾山行は1月26日金曜日、前日の25日に予定していたが風が強かったので延期した。
26日は暖かく暖冬を実感しながら登ったが、1週間前には雪が降ったらしく山頂の北斜面にはまだ残っており驚いた。
この時季東京では雪が未だ降っていない。わが町でも私の知る限り(つまり夜半に降ったったかもしれないが)見たことがない。
暖冬とはいえ高尾山を訪れる人は少ないらしく「冬そばキャンペーン」というイベントをやってお客集めに必死のようだ。
電車が高尾駅を出てトンネルを過ぎる、私の乗った車両には6人の乗客がいた。中年のおばさんや高齢の男性。左に目をやると防寒用に着ていたセーターを脱ぎ準備しているおじさんが見えた。暖かい上にこれからの運動で汗をかくと想定しているのだろう。
私は汗がで始めたら脱ごうとそのままで改札を出た。やはり少しひんやりする。
11時8分。

登りはびわ滝をを通って
今日の上りのコースはびわ滝を通って、2号路、3号路、山頂下の環状5号路。
下りは、日影沢へ下りるか、または蛇滝経由とするか、蛇滝まで上ったことはあるが通り抜けたことがない、まあ取りあえず山頂に上がってから考えよう。
今日は暖かい、汗が滲む
表参道脇の不動院に寄って、おびんづる様に参拝。
ケーブル・カーの清滝駅前にはほとんど人が見えない、ムササビのモニュメントが迎えてくれる。ケーブル駅の横を通り6号路に向う。 左手には稲荷山コースへの入り口があるが伐採作業中で封鎖されている。3月に登るときは稲荷山コースとしよう。
ケーブル駅から登りの電車が出て行く、数人が客が乗っているように見え、木々の間から黄色の車体が見えていたがすぐに消えてしまった。
登山道の先には夫婦らしい二人連れと、その先にひとりが上っている。 このあたりはまだ緩やかな勾配であり、真っ直ぐ進めば病院がある。
病院の方から登山客らしいリュックを背負った婦人が下ってくる、病院の入り口には私有地と書かれているようだが確かめたわけではない。見舞いか介護の方かもしれない。
そんなことを思いながら、 左のわき道の6号路に入っていく、びわ滝までは道も舗装されて比較的楽である。
やがて二人連れに声をかけて通り過ぎる。しばらくして一人で登っている、どうやら電車に乗っていたご婦人のようだ。不動院にお参りしているときに抜かれたらしい。

道はびわ滝に真っ直ぐ伸びており、滝の手前で6号路への階段がある。
びわ滝の横を通り抜けると登り道は細くなり勾配が急になり速度が落ちて心臓の鼓動が聞こえてくる。
荒々しい道を登りやがて左へ向きをかえる地点に達する、正面は急な下り坂になっている。その坂を二人連れの婦人が下りていく。白いコンクリート作りの建物が見えた、先ほどの病院のようだ。
この植物は何?
右手にやや広いな台地があり、石仏が数体間をおいて座している。
先ほどの坂で少し汗ばんできたようだ、着ていたセーターを脱ぎひと休み。
登山道は広くはなっているが勾配が急になる、ところどころ木材で段が作られている。歩幅が合わないのか階段より斜面の方が登りやすい。
しばらく喘ぎながら、
「よっしょ」
「よっこらしょ」
などとひとりで声を出している自分に気づく。
ふだんでも腰を下ろすのに掛け声が必要になってきた、たぶん歳のせいだろう。
やがて2号路の案内が見えてきた。ケーブルの山上駅の近くである。このあと2号路から3号路はおおむね平坦であるが、道幅は狭く人とすれ違うには避けなければならない。
この山道は自然研究路と名づけられている。あたりにはアオキが多い、斜面に写真のような植物が群生し目を引いた。地上から20センチ位の高さだが、数枚の葉が巻いて扉のようだ。1本だったら見過ごしていたかもしれないが群がっている。何という名前だろう。

山頂で冬そばを
しばらく左に谷、右に斜面を見ながら山に沿って平らな道を快適に歩く。ときおり人とすれ違うが、歩いている人は高齢の方が多い。道を譲ったり譲られたり、礼を言ったり言われたり。
このような状態が快適な気分にさせているのかもしれない。

この鳥は何?、ヤマガラ?
町中、特にわが町は大学がそばにあり細い路地を通り抜ける時もこうはいかない。
”譲っているんだから、頭くらい下げろよ”
”家庭のしつけの問題だ”
”誰が教えるんだ?”、”そりゃ、親だろう”
”その親に教えなかったのは誰だ”、”そうだね、自分達だね”
いつも結論は決まっている。

平坦な道がおわり急な上り坂が見えてきた。どうやら最後の難関である。
自分に掛け声をかけながら登る、ただひたすら。”たしか、ベンチがあったはずだが”。先を見ると中年のオジサンがゆっくりと登っている。
そこまでは頑張ろう。
かしき谷園地という広場にベンチが並んでいた。説明板が立っていて「ひと休みしていきませんか」
「緑に囲まれた静かな場所、森の中に身をおくと自然の小さな動きに気がつき・・・・」
ベンチに腰をおおろす、頭上の枝から小鳥のさえずりが聞こえてきた。
見上げる、なんていう名前だろう。(鳥類図鑑によれば)しじゅうからの 仲間かもしれない、ヤマガラ?

12時40分、山頂着。
「大見晴亭」というところでとろろそばを頂く。この店は時々うどんなどを頂いていたが名前ははじめて知った。高齢のオジサンがそばを食べてキャンペーンのスタンプを貰っていた。私も。


下りは初の4号路から蛇滝
4号路を下る
13時10分、そばを食したら今日の仕事はおわり。展望台から富士の方角を望むが、逆光のうえ山の姿は霞んでいて見えない。望岳には午前の方がいいのかもしれない。
山頂のすぐ下、5号路の日影には雪が残っていた。山頂の北斜面にはかなりの残雪が見られた。急な下り坂が続く4号路では2ヶ所シャーベット状になっていた。慎重に足元を確かめながら通り過ぎる。
この道を歩いている人は少ない。古い地図には、(避難路)と記されている。山頂からの下山道は非常事態を考えれば数本必要なのかもしれない。
ついでに記す、1号路と呼ばれている表参道は仏舎利塔あたりまでは、都道(189)号線だそうだ。

4号路は北斜面にあり日影が多く、北風が当たるためか落葉樹が多いらしい、そういえば写真はみやま橋(つり橋)の手前だが、樹木が枯れてすっかり冬山の様相である。
みやま橋を若いお母さんが幼い子の手を引いて歩いてくる。
「おりこうさんだね、歩いてるね」
「歩けるところまで歩きます」そのお母さんは言ってた。子供は2歳だという。
ちょっと早すぎるような気もするが・・・。「気をつけて」と見送る。
4号路は浄心門のところで表参道に出ることが出来るが、今日は蛇滝に下りてみようと思う。そして高尾梅郷の梅の様子を見ることにしよう。
蛇滝は旧甲州街道から行ノ沢を車で上がり終点のところのやはり修験場である。ここまでは舗装されている。2年ほど前観梅のついでに上ってみたことがある。地図を見ると滝からすぐ上にケーブルの山上駅が記されている。
それほど遠くないだろうと思いながら下る。しかし坂はけっこう勾配があり、道は細く一般の人がよく利用しているようには思えない。

倒れた木を支える木
この道は自然のままの状態に放置されているようだ。かなり大きな木が倒れもう一本の木にもたれている。
私はおもわず”支えている木は重くて大変だろう、何年間は支えていかなければならない”などと思った。 蛇滝まで思った以上に距離を感じた、修行場には一般人は立ち入り禁止。びわ滝に比べ谷が急峻なようである。下の参道には近くに駐車場があり数台の車があった。

道がやや平らになったところで小仏川に出てきた。川のそばには数本の梅の木が見える。ここから高尾駅まで歩けば40分くらいだそうだ。梅林を抜け、川を再び渡りそびえ立つ杉林の中を抜ける。右手の斜面に梅林がある小さな祠があり、高尾天満宮という。
このあたりは梅林の中の散策路になっている。中央部が高くなっている木橋をわたる。
小さな公園があり梅の木が並んでいる、「高尾梅郷」の碑があった。
かなり大きな病院の裏を通る、駒木野あたりだろう。
川幅が広くなり流れも緩やかになってきた、甲州街道が見えてきた。
一本の紅梅に花が見られた、ここも見頃はまだ先のようである。

甲州街道を渡り中央線のガードをくぐってわき道に入り高尾駅へ急いだ。
ウオーキング