オーキング
07. 3. 19
高尾山(冬そば  3月)  
はじめに
久々の稲荷山コース<10景>
(自動切替機構付)
5秒で切り替わります
3月中頃になって、寒の戻りというのか寒さが続いている。13日、この日は前日に比べ少し暖かく久々に高尾山に行った。
先週、二十四番花信風なる言葉を知り高尾山の野草園に行けば、それの花があるのではないかと期待した。また山頂へのルート、稲荷山コースの伐採作業が2月で終了しているので、久々にそのコースを歩きたいと思っていた。
当日は天気もよく、朝洗濯をして10時過ぎに出発した。
40分くらいで高尾山口の改札を出てみると、健歩クラブの□□さんの顔がみえた。XXさんと待ち合わせているとおっしゃる。しばらく雑談の後私はひとり 恒例化した行事のように不動院にお参りし、おびんづる様に挨拶し登山口の方に向う。


稲荷山コース・伐採され冨士が・・
コースの入り口で準備体操をしている人がいる。このコースは高尾山の一番南のコースで尾根道である。最初に階段など登りが続くが、途中は比較的平坦で最後に急な階段がある。はじめ、パッ パッ、なかチョロチョロと言ったところ。しかも舗装などはなく自然豊かなコースである。

今日の気象は、晴、北風が強いと予報されていたが、暖かな陽射しを浴びながら少し急な勾配にかかると汗ばんでくる。 途中で、ひと休みしセーターを脱ぎ軽くなった、しかし私の手には手袋が必要だ。
登る人も数組、下りも数組なかなかにぎわっている。高校生らしい男の子ふたりが休んでいる。いつも不思議に思うが、こういう自然のなかでは、自然に声をかけることが出来る。
木々の間から冨士が・・・
稲荷山の展望台に着く、案内には横浜や新宿のビル、筑波山も見えると書いてあるが今日は無理のようだ。
大学生らしい若者数人がお喋りをしている、街中でたむろするよりいいことですと思いつつ通り過ぎる。少し下り坂になる。

しばらく平な道が続く、せっかちな性分なのだろうか足が速くなる。何組かの人々に「お先に失礼・・・」と言って通り過ぎる。
私より高齢と思われる男性もゆっくりゆっくり登っている。幾つになってもこういう自然に触れることはいいことだ。私は何歳まで登れるだろうか。
少し道が広がったところ、伐採されたばかりの木の根っこに腰をおろしひと休み。木々の間から富士山がよく見える。
先ほどの男性がやってきた、「富士山がよく見えますよ」
その男性は手をかざして「ああ~、見えますね。」
「山頂はまだでしょうか」と言いながら先に行ってしまった。
ところどころ幹まわり4、50センチくらいの木が伐採されている。切り出した木は枝を落とし下まで下ろすのだろう。 何気なく終わったあとを見ているが、大変な作業だろう。幼いとき山村に住んでいた、林業に従事している人を見ていたことを思い出す。
しばらく登ると、上のほうから幼児たちのにぎやかな歓声が聞こえてきた。山頂から聞こえてきたのかと思った。
幼児たちは山頂への最後の階段を登っていた。
お母さんに手を引いてもらっている子、友だち同士で手を引いている子、上の方から声をかけている子・・・。
「いくつ?」
「六歳!」
「ずっと歩いてきたの?」
6歳くらいになれば、あの坂道も歩けるのかと感心する。

「もう少しだよ、頑張って」と言いつつ、脇を抜けて登ると、子供たちも急いで付いて来ようとする。
息を切らしながら、階段を上がる。山頂にはかなりの高齢者たちが見える。みんな元気。

展望台も広くなって
トロロそばを・・・
伐採作業と山頂の展望台が改修されていたが、ずいぶん広く立派な展望台になっていた。今日は冨士山もよく見える。比較的人が少ないので、あちらこちらと場所を変えて眺める。雄大な眺めは心を癒してくれる。
山頂にある3軒目のそば屋に入り、トロロそばを頂く。店の中は暖房が効いていて暖かい。屋外でそばを食べる人もいる。

山頂の広場では三々五々、お昼を食べている人たちがいる。そのなかに健歩クラブの□□さん、XXさん、奥さんらしい顔が見えた。暖かい陽射しのもと一杯おやりになっている。挨拶、しばらく雑談して別れる、XXさんは山がお好きなようだ、「こんど一緒に行きましょう」と。
山頂の桜の芽も心もち膨らんでいるように見えた。

下りは野草園に寄って早春の草花を眺めてみようと考えていた。
もうひとつ、私は調べたいことがあった。それは山頂でときどき業務用の車を見かける。山頂の三軒のお店だって商品の運搬には当然車を使っているだろう。展望台の改修工事にも小形ブルが使われていた。
福徳弁財天
それらの車はどこを通って上がってくるのだろうか。店の人に尋ねればすぐわかることではあるが、簡単に答えが分かってはつまらない。
話はちがうが、邪馬台国の所在地が判ってしまったら、つまらないだろうなぁと思うようになった。謎はなぞでいろいろ想像できるから楽しいのである。これは歳のせいかな。

福徳弁財天から野草園へ
山頂から1号路(表参道)を下るとすぐ左手に公衆トイレがある、その手前を左(北側)に行けば、山頂環状5号路と、4号路がある。右の道を下ると6号路(びわ滝)、3号路へ続く。
3号路の方に向かい、もうひとつ1号路自然研究路の表示を進む。この道はじゃり道だが比較的広く小型の車は通れそうである。よく見ると轍がある。
道は緩やかな弧を描いて進む、途中に石の塊が見えた、石塔らしいが放置されているようだ。
まもなく高尾山本坊の建物が見える。その手前、左奥の洞窟に福徳弁財天が祀られている。鳥居が洞窟の入り口に立っている。鳥居の左に一匹の猫が日向ぼっこをしていて私が近づくと盛んに「ミャオー・・・」と鳴く。小さな洞窟の中へ背を丸めながら入っていく。5mくらいの奥に弁天様が祀られている。洞窟内にあるので穴弁天とも呼ばれているそうだ。

さて車の通れる道であるが、本坊の中へと続いている。私は建物の脇の1m弱の狭い道を通る。車は本坊の中から四天門の脇を通り抜け杉並木へ向うことが出来る。
まんさく  <野草園>
山頂への車は”本坊の関”を通って上がっていくのだろう。
表参道は通常、四天門を通り階段を上がって仁王門をくぐる。その階段が改修中で本坊前の階段を上るように表示されている。
その階段の前に狛犬があっが、大本堂をお守りするのだろうが。やはりお寺にも狛犬!明治以前の名残りだろうか。
その狛犬が本坊の方を向いているのがなんとも奇異に感じられた。

野草園に入ってみる、入り口で「今の見頃は何んでしょうか」係りのおばさんに尋ねる。草花の写真が張り出してあり親切に説明してくれ、春から初夏にかけて咲く花のパンフレットをくれた。「ヒトリシズカ、フクジュソウ・・・」
野草園はサル園と同じ場所にあり、子どもたちの歓声が聞こえる。野草園は南側の斜面につくられていて日当たりがいい。
ひと通り斜面をアップダウンしながら見てまわる、園内には野草の名前が表示されている。しかし芽を出しているものは少なかった。福寿草、マンサクは記憶に残った。

蛇滝から高尾梅郷へ
高尾梅郷は見ごろ <駒木野公園>
車の通れる道も確認できたし、野草園も覗いたし、あとは高尾梅郷の梅の開花状況を確認しよう。 ケーブル駅の方に向かい、少し手前で2号路への案内を見る。その道へ入るとまもなく蛇滝への矢印があった。
この蛇滝コースもときどき、人に出会うことがある。いずれも閑を持て余している高齢者、私もそのひとりだが・・・。 まもなく男性数人のグループがいた、さらに蛇滝近くでは書類やノートを持った数人連れもいた。なにやら自然を観察しているようだ。野草観察のウオーキングだろうか、それとも圏央道トンネル工事の影響調査?

蛇滝は修験場、一般の立ち入りが禁じられている、滝の方を覗き写真を撮っていると背後からおじさんが「もう少し中まで入ってもいいよ」と声をかけられた。滝の方にはところどころロウソクが立ち、線香の臭いがし異様な雰囲気がする。
すぐ下ではオバサンたちのグループが道の両側で休憩中。急ぎ足で通り抜ける。
小仏川を渡った湯の花梅林の近くには、観梅者があちこちに見える。
ここらの梅は今が見ごろのようである。
先月来たときは、人の姿はなかった天神梅林にもあちこちに梅の香りを愉しんでいるようだ。
杉林の中を抜け、駒木野公園は紅梅・白梅が鮮やか、小仏関址は梅よりサンシュユが目をひく。小仏川畔の遊歩道梅林の下を高尾駅へ急ぐ。

ウオーキング