記事タイトル:松沢真司のへべれけワイン日記2 


書き込み欄へ  ヘルプ
お名前: 松沢真司   
松沢真司(長男)のへべれけワイン日記2 毎日が二日酔い

1999.1.14

場所 香港行きANA
弟 良介夫婦と  潤子さんは1週間前にパスポート切れがわかるというドジの為
お留守番。
ANAのワインリストは1年前と変わらず。ポワフィレとジスクールの93年
(ポワフィレはJALと同じ)
今回は思い切って、マロスラヴァック トレモーのムルソーを飲んでみた
去年の1月と6月のときは、セレナ サトクリフの何ともおぞましい味わいで、
近づかない方がよいとの評価を見ていたので飲む勇気がなかった。
サトクリフが言うほどおぞましいとは思わなかったが、平板で複雑さに欠けていた。

料理の方は昨今の航空会社のリストラで、取り立てて言うべき物はない。
昔のキャヴィアてんこ盛りなんてのは、もう久しく見ていない。

場所 福臨門
弟 良介夫婦と

17回目の香港、最近は福臨門の為に来ているようなもの、最初はいろいろ行っていたけれど
今は創發と福臨門 作家の大岡 玲さんなどこのパターンにはまる人は多い。

日本から3本のワインを持ってきた。
昔の福臨門は、周り中 コニャック、5年前ぐらいは瓶に入った紹興酒ばかり、
そしてここ数年は、赤ワイン、マルゴー、ラトゥールの若いヴィンテージが、
惜しげもなく、ぼんぼん開けられていた。
赤ワインが広東料理に合うとは思えず、いつもシャンパンで通していたので、
今回は、ボランジェRD 85年  ヴェルジェ バタールモンラッシェ94年
そして、ラトゥール 75年を持ち込んだ。

弟夫婦が初めての香港なので、初日は定番で
パッツェンゲイワイハー (茹でエビから)
ホンシウチョイクァンチー (フカヒレの醤油煮込み)
トンホンアイペイガイ  (鳥の丸焼き)
キヌガサダケと野菜の鍋
豚の胃の先端の炒め物
アワビの戻し汁と干しだこのチャーハン
これに、ボランジェ 合わないわけがなく、幸せな夕食でした。

1999.1.15
2日目
場所 福臨門
弟 良介夫婦と

5種類の蛇のスープ
キヌガサダケのツバメの巣詰め
鳥の蓮の葉包み蒸し
魚の浮き袋とガチョウの水掻きの鍋
カリフラワーの上湯がけ
蓮の葉に包んだ蒸しご飯
これに ヴェルジェ バタールモンラッシェ 94年
上湯によってややバタールのふくよかさが失われがちだったが、鳥、ガチョウと
やはり、広東は肉料理でも白ワインだと思わせてくれた。

1999.1.16
3日目
場所 福臨門
弟 良介夫婦と

17頭アワビのオイスターソースがけ
鳩の醤油煮込み
クルミと豚肉の炒め物
牛肉とピーマンの豆鼓炒め
チャーハンの上湯がけ
これにラトゥール 75年  ようやく飲み頃になってきた恐るべき
グレート ラトゥール 2時間前の抜栓は必要だ。
豊かなアロマ、エキス分、だが未だに巨大なタンニン。
結論、超一流の広東料理に偉大な赤ワインは合わない。
尚、最後のチャーハンの上湯がけは、チャーハンにフカヒレのスープに使う上湯を
かけたもの。
最初に頼んだとき、これを見て一同声をそろえて叫んだ、「これは卑怯だ、まずいわけがない」
是非、福臨門に行ったら注文することをお薦めする。

フランス料理の手帖 新潮文庫より
----ワインは料理とペアでたしなむもの----
『日本でいまいちばん不足しているのはワインというものは、それだけを飲んで楽しむもの
ではないということで、これがすっかり忘れられているような気がする。』  中略
『しかし、どのワインがどの料理に合うかということも、とどのつまりは、その場限りのもの。
ある時、だれかが、料理を作り、その料理とワインがよくマッチしておいしかったと思うと
いうこと以外に、ワインの存在理由はない。』  中略
『だから、私は、ワインだけをとりあげるのには賛成でなく、また料理とともにワインを
論ずるにしても論ずる人の経験とか、環境、つまり生活の背景みたいなものまで確かめて
かからないといけないと思うのだ。』 辻静雄

昨今のワイン高段者なる人達のワインのみを取り上げる傾向に、憂いを感じます。
皆様どうか食にも興味をもたれ、あくまでワインは脇役と言う事をお忘れなく。
[1999年5月21日 14時4分53秒]

このテーマについての発言をどうぞ。
氏名
E-mail URL



記事一覧に戻る