記事タイトル:松沢真司のへべれけワイン日記12月忘月会 


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お名前: 松沢真司   
1999年12月18日	忘月会		

2000年を迎えるにあたり素晴らしワインでパーティーを開こうと今年の初めから			
予定していた事が実現できました。			

メニュー			
生牡蠣 2色のゼリー添え トリュフとジャガイモのサラダ	
ボランジェ RD 1979	 ボランジェ ヴィエイユ ヴィーニュ 1990	

松葉蟹富貴寄せ 白味噌マヨネーズ 鱈とポワローの蒸し焼き トリュフ 銀杏 百合根
ルロワ ムルソー ペリエール 1969 ルフレイブ ル モンラッシェ 1993

フォアグラの丸ごとロティー 蕪添え
シストロン産子羊もも肉の煮込みタイム風味
ブレス産若鶏のココット蒸し 石川芋とジャガイモ添え
		
CH.オーブリオン 1957 1964 1966 1970 1971 			
          1973 1975 1976 1978			
			
チーズ			
ミモレット  マンステール ニュシャーテル サンマルセラン			
シャーベット	   	本日とれたてのイチゴ	
CH.ディケム 1975 テタンジェ コントドシャンパーニュ ロゼ	

ブランジェリー コム シノワ のとっても美味しいパン			

生牡蠣には赤ワインヴィネガーとレモンの絞り汁をゼラチンで固めたものとコンソメを固めたものを添えましたボランジェRD79は60CCではもの足らない。
しっかりした余韻の長いシャンパンだが、あっという間に飲んでしまいました。			

トリュフとジャガイモのサラダ  前に作ったときはロビションのレシピを忠実に守り、全て型抜きで丸く抜いて並べたのですが
くずが大量に出て3日間ぐらいぼりぼりと食べていたので、型抜きはなし。			
今度は反省して、ボランジェ VVをちびりちびりと飲みました。まさに別次元のシャンパーニュ濃い強い長い複雑、こんな素晴らしいシャンパンなのに数は
絶望的に少ない。当社にも1年に1本入るぐらい、フランスのネゴシアンもお手上げのようだ。
(ちなみクリュッグ クロデ メニルは2月か3月に30本入荷します。)			

松葉蟹富貴寄せはラックコーポレーションの16大ドメーヌの晩餐会で出てきた
料理吉兆さんが担当した料理で正に絶品でした。それを自己流に解釈して作りました。			
まず蟹はゆでずに蒸します、蒸し上がったら足をカットして身を取り出します。
このときに出る蟹の汁と蒸したときに出た蟹の汁を漉してフォン ブランを加え煮詰め、若干のゼラチンを入れます。
蟹の身をこの汁に浸し、冷蔵庫に入れておきます。付け合わせはオクラをたたいてコンソメゼリーで寄せたもの卵黄とサラダオイルとマスタードで
マヨネーズを作りそこに甘めの白味噌を加え、蟹の上に流して出来上がり。
		
1969年の白ワインなんてひねてすごいだろうと思っていたのが、実に果実味も後味もしっかりしていて、ルロワ女史が最高の白ワインというだけはある。
蟹と合わせるとワインが蜂蜜のように甘く感じた。			
素晴らしいワインだ。			

鱈とポワローの蒸し焼きは簡単に出来るので是非お試しを。付け合わせのものは無くても良い。
生だらを1人前にカットし塩、胡椒をする、アルミホイルに鱈を乗せ白ワインを大さじ1杯、これでオーブンに入れ230度ぐらいで10分もあれば出来上がり。
さらに美味しくするには、白ワインの他にポワローを3cm×5cn位のを2〜3枚入れ、フォンブランを大さじ1杯、ベーコン出来ればパンチェッタのような
生ベーコン、そしてトリュフのみじん切りがあれば言うことなし。
出来上がりにトリュフのスライスを2〜3枚のせれば最高でしょう。

ルフレイブのモンラッシェはオフヴィンテージの93年 全員声もなし、これでオフヴィンテージなのか。
声を出すのさえもったいないという感じで、みんな「うんうん」と呻っているだけ。

ルフレイブのモンラッシェの畑が今の10倍で、年産3,000本ぐらいあったらどんなに素晴らしいことだろう。

フォアグラの丸ごとロティーは血抜きの時間が長すぎて、身が締まってしまい失敗作でした。
子羊のもも肉のロティーは料理法が一口でいえないので興味のある方はおたずねください。
ブレスの若鶏はなんとノーザンエキスプレスさんが頭付き、中付きを送ってくれたため、はつと肝臓も食べることが出来ました。
料理は簡単、フライパンにバターを溶かし塩胡椒した若鶏を入れ、上からバターをかけ焼き色をつける。
火が通りにくそうな所にも丁寧にバターをかける。焼き上がったら休ませ、中にも塩胡椒する。タイムやローリエ等を細かくちぎって鳥の中に入れる。

鍋にジャガイモ、皮付きのニンニク、鳥、フライパンに残ったジューを入れ、蓋をして小麦粉と水で作った生地で目張りをする。
1キロぐらいの鳥なら45分から1時間オーブンで焼き、その後10分から15分休ませる。
鳥から出る美味しいスープをジャガイモが吸ってとても美味しくなる。	

CH.オーブリオンはこれだけのオールドヴィンテージがあると、75年でも力強く未だ飲み頃じゃないなんて勘違いをしてしまう。
人気No1は57年 先日六本木のジョージアンクラブでラミッションオーブリオンの57年を開けたばかりだが
(ネゴシアンのご夫妻が日本に来たときで、何とごちになりました。) 
57年ヴィンテージではラミッションが一番といっていたがオーブリオンの方が良いように思えた。
なぜ57年のラミッションを開けたかと言えば、彼も彼の奥さんも私も57年生まれなのです。
その他64年が素晴らしく、70年はもっと評価が高くても良いのではないかと感じた。
皆さんボトルの底の澱までなめるように飲んでいただき、最後には1滴も残っていませんでした。

そして、75年のディケム 鮮やかなワイン 故 辻静夫氏の著書 ヨーロッパ一等旅行で吉兆の湯木さんと行く先々のレストランでディケムを開けたのが
やっと理解できた。
いつも10年前ぐらいのヴィンテージしか飲めなかったが、ディケムが真価を発揮するのは、20年、30年以上かかるわけだから、だからこの75年だって
まだまだ飲み頃ではないはず。会社のセラーに寝ている55年を開けるのが楽しみになってきた。


そして最後に陶芸家の迎先生がご近所の農家の方に頼んで朝に詰んできたイチゴにテタンジュコントドシャンパーニュロゼ
ここまでくると、ほとんどこのシャンパンを飲む人はいなかった。イチゴは美味しかったけれどシャンパンの味は覚えていない。

こうして、2000年を前にした私どもにとっては大パーティーは終わったのですが、パーティーの途中でもう今日で死んでも良いと言っていたみんなが
帰る時には来年も美味しいワインを飲みましょうとなっている。自分も含め、人間の欲にはきりがない。

それではよいお年を
[1999年12月31日 9時34分32秒]

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