藤沢周平
★★★★★★ |
隠し剣孤影抄の続編。昭和53年〜55年にかけて発表された短編連作9篇を収録。 前短編集に引き続き、剣の達人達の秘剣にまつわる数々の人間物語が語られています。前作もそうでしたが、必ず最後はほろりとさせるような結末が描かれており、バリエーションに富んだ展開とその結末への話の持って行き方がとても心地良く、その世界にどっぷりとはまりこんでしまいました。 色々なタイプの剣客が紹介されていますが、読者はきっと、自分の性格に似た主人公を見つけられるのではないでしょうか。私の場合、偏屈剣蟇ノ舌の主人公、馬飼庄蔵の心中察する所大きく、思わず苦笑してしまいました。あなたなら、どんなタイプの主人公に自分を重ねるでしょうか? あとがきで、藤沢修平さんは、この作品は楽しく書けたとの感想を漏らしておられましたが、確かにこんな小説が書けたら楽しいでしょうね。 |
1999/03/22更新
SINCE 1999/02/13 K.Murumbo