旧中国切手
−帆船票−


帆船図案 農穫図案 宮門図案

 一般に帆船(ジャンク)票と呼ばれるこれら一連の普通切手は、1913年〜1933年に中華民国内で使用されました。帆船票には印刷廠と時期から、倫敦版、北京老版、北京新版の3種類に分類されます。それぞれ刷色、画線、紙等が微妙に異なりますが、区別する上で重要なのが細部のデザインの違いです。分かり易い見分け方の一例をあげると、帆船図案中の「中華民国郵政」フレーム下のヒゲの長さなどがあげられます。
 かなり昔の切手ですが、普通切手だったことと、使用期間が長かったことなどから今でも容易に入手可能です。一部の高額切手には高価な値の付いたものもありますが、全般に安い値段で手に入る為収集しやすいシリーズだといえるでしょう。加蓋切手、郵票冊、変異品等バリエーションも豊富で今後コレクションを進める上でも楽しみは無数にあります。
 私の郵趣歴はかれこれ20年にもなりますが、一時中断していたこともあり始めた当初と比べてそれ程進展しているとは思いません。最近も数年に一回思い出したかのように新宿の郵趣会館を訪れ、ジャンク票を買い集めています。
 中華民国の切手、それもジャンク票との出会いは小学6年生の頃に遡ります。当時母から譲り受けた切手コレクションの中に100枚程の中華民国の切手がありました。お小遣いも少なく、あまり希少な切手を持っていなかった私は、その一連の不思議な切手が大のお気に入りでした。古ぼけた紙に印刷された、おそらくその国の英雄であろう人物(後で知ったのですが、孫文でした)、精巧な図案、全体から漂う異国情緒、そんな雰囲気に魅せられ、中華民国に対し漠然とした興味を覚えました。そしてまもなくして、当時愛読していた「スタンプクラブ」誌上で中華民国とその切手の歴史に関する連載が始まったのです。私はそれを夏休みの自由研究のテーマとして取り上げ、郵趣会館(この時初めて訪れました)で数枚のジャンク票を買い、レポートの中でこれらの切手を紹介しました。
 以来切手全般に対する興味は失っても、このジャンク票に対する興味だけは薄れることはありませんでした。今後も地道に収集を続けながら、もっと深く研究を進めてゆくつもりです。私の数あるコレクションの内、最も歴史の古いこの切手収集を、生涯の楽しみの一つとして大切に育ててゆきたいと思います。


倫敦版帆船票
1913.5.5
北京老版帆船票
1915−1919
北京新版帆船票
1923−1933

参考文献:JPS旧中国切手図鑑1984(財団法人 日本郵趣協会)


ムランボ王国ホームへ

1997/09/17更新

SINCE 1997/09/17 K.Murumbo