根付の素材は何と「ウニコール」で象牙物など比較にならないほど高価で
ウニコールの根付としては最大で擦れ馴れが入りません。
根付け師の最も技量が試される作品は龍(辰)です。
この作品は龍の頭部を実存的に彫り、体部分を透かし彫りにしています。
紐穴部分から中を覗きますと体部分の鱗や手が綺麗に見えます。
19世紀初期のたっぷりとした京都もの最高傑作で京都系の断定は色揚げと墨入れです。
zorro
18世紀の京都系根付で1,770年発行の装剣奇賞「骨董屋さんの書籍」や
上田令吉著「根付の研究」等の掲載漏れ根付師の作品と思われます。
友忠、岡隹、岡友等、京都系の根付師にはこの彫りの虎根付は存在せず、
銘一友は誰かは分かりませんが、友一は象牙は彫りません。
この根付は親虎は雄ですが、右側「雄」と左側「雌」ではまるで表情が違い、
腹部は妊娠しているかの様に彫り、子虎は父虎の顔しか見ていません。
サイズ:高さ-3.2cm幅-3.0cm長さ4.5-cm。
☆アンドロギュノスのトラは、半陽性。この虎は、根付師の洒落☆
zorro
「虎」 黄楊彫 銘「正玉」 サイズ:45mm×27mm高さ30mm
musasi
素材は朝熊黄柘「あさまつげ」。象牙で目が象眼され目の中心部には銀打されています。
頭と足が大きくユ−モラスにデホルメされ、やや大振りで全く難のない最高の出来栄えで
肩から腹にかけての彫りは虎渓にかなり似ています。
素材の朝熊黄楊をいかす為、上ニスは薄めで正直系や近江のごてごて作品とは一味違い
銘:正玉は上田令吉著「根付けの研究」によれば寛政期頃と掲載されております。

zorro
白錆「しらさび」もの19世紀、大阪School海の幸根付。
彫られているものは、海星、河豚、鮑、赤貝、蛤、平目、星カレイ「昔は東京湾でも生息していました」アオリ烏賊です。
根付けの制作には大変な手間がかかります。江戸文化の絶頂期を迎え美術品、
サイズ:高さ-2.8cm 幅-2,2cm  長さ-4.0cm

zorro
幻の根付:見ざる、言わざる、聞かざる、のモチーフを上手に表現する為に、
台根付とし紐通し穴を猿が腰掛けている岩を使い無銘ですが、岡友系根付師の作品と推測されます。
傷等く状態は極めて良く18世紀のやや大振りな作品で台に昔の修理跡がありますが、
猿は無傷で何故か岡友の猿根付より上手で装剣奇賞「18世紀の骨董品屋さんの本」掲載根付師の可能性が御座います。
サイズ 高さ-3.5Cm  幅-4.2Cm 

zorro
素材は象牙。18世紀後半から19世紀初期の大阪系根付師の作品と考えられ、
目の象眼は珊瑚で全体に絹彫りされやや大振りな作品です。
zorro
「蘭一」の鼠根付です。
mizuisi

銘、蘭一は19世紀・大阪系の有名な根付師で蘭亭の弟子です。
作品の90%が動物もの根付で現物は、良い品物です。
昔から西の懐玉斎、東の法實と言れますが 他にも蘭亭は動物ものを得意とし
法實は人物が得意で蘭○銘の根付には悪い物はありません。
zorro(追加補足)
素材はセイウチ。実用根付の為、細かな細工をせず怒り肩の虎を彫りあげ
目は白蝶貝で象眼され白蝶貝の上から銀打ちされています。
1,770年発行の装剣奇賞に友忠、白龍は過去の根付師と記載されています。
友忠は多くの弟子を育て友忠工房を開きましたが、初代白龍は忽然と歴史から
消えてしまい宮坂白龍誕生は初代から120年もの歳月が流れました。
サイズ:高さ-3.2cm幅-3.0cm長さ3,5cm。

zorro
伊邪那岐(いざなぎ)、伊邪那美(いざなみ)という神が兎に姿をかえ波間で漂う図柄で
18世紀後半〜19世紀初期の多少大振りな作品です。
全体に琥珀色で兎は毛彫りされ目は赤珊瑚で象眼されて紐通し穴は大きく
京都Schoolの特徴が随所に見られる一品です。
サイズ:長さ-4,2cm幅-2,5高さ-3,0cm
zorro
「虎」 象牙彫 銘「忠光」 サイズ:31mm×33mm高さ30mm
musasi
素材は象牙。虎が毛繕いしている図柄で全く難のない最高の出来栄で、
彫りの感じは丸みが有り岡友にかなり似ていますが、目の象眼は銀打ちされ八方睨み、
怒り肩は虎渓ゆずりです。
銘、忠光は上田令吉著「根付けの研究」によれば牙刻を以て動物を作り中期初めの人なりと記載。
zorro
子犬が神社の瓦で遊ぶ図柄で子犬は毛彫りされ瞼が綺麗に彫られています。
19世紀中期の作品で、銘・蘭若は大阪系根付師、蘭亭一門・襲名前の銘で誰か分かりません。
サイズ 高さ-2.5cm幅-2.0cm長さ-3.7cm
zorro
銘「玉石」の犬根付です。サイズ44mm×31mm高さ23mm 
素材は 象牙と思っていましたが 鯨歯のようです。
musasi

銘玉石は、上田冷吉著「根付の研究」には掲載されていない根付師ですが、
柘植と象牙製の両方を彫った京都の根付師と推測しています。
何故か偽物、香港製根付に玉石銘が多く見られます。
柘植製根付の銘は、ササビーズに出品された玉石銘のデターです。
zorro
素材は海松「珊瑚」。
長根付と言われる物で19世紀中期、東京か会津系の作品です。
この根付は海外美術館で人気のある根付で、精密すぎ鑑賞にはルーペ叉は顕微鏡が必要です。
zorro
「虎」 素材:柘植 サイズ:幅-3.2cm厚み-4.7cm高さ-3.3cm
musasi

虎が毛繕いしている図柄で全く難のない最高の出来栄です。
彫りの感じは丸みが有り友忠に似ています。
京都Schoolの虎根付独特の縞柄に星が彫られ穏やかな肩、耳、尾
上田令吉著「根付けの研究」によれば天明寛政の頃と記載。
zorro
「栗と猿」 素材は象牙です。サイズ縦-2.7cm 横-4.5cm 高さ-3.5cm
目の彫り方が変わっています。
musasi

猿根付は大阪系の19世紀中期もので 「京都系」の人物ですね。
根拠は派手な作品で大阪系との混血だと思います。

zorro
「猿三番叟」 素材:黄楊製 高さ5.3cm、幅3.2cm
飛騨の物だそうです。
右手で面を抱え左手に鈴を持っています。
ひょっとこ面を間違って逆さに抱えて 神妙な顔をしている猿の表情が面白いです。
musasi
「臥牛」 象牙彫 銘「岡言」 サイズ 鼻から尻尾まで対角線で54mm 30mm×25mm
「根付の研究」では「京都の人 岡友の門弟 動物彫を得意とする 天保頃の人」
染めは薄くして 上質の象牙を生かしたと思われます。角は短く 若い雄牛だと
思われますが ボリュームがあり 堂々とした体格です。
musasi
「子犬」 黄楊彫 銘「正直」 サイズ34.3mm×30mm 高さ28.6mm
伊勢正直銘の犬根付です。ころころした子犬の可愛らしさが十分すぎるほど
表現されています。うらいきも丁寧です。ただ 体の毛色の違いを出すために
染めをいつもほど濃く染めていません。
画一な染めではなく 作品ごとに変えていたのでしょうか。
musasi
「福良雀」 象牙彫 銘「正直」サイズ横42mm幅60mm高35mm
大振りの正直銘の福良雀です。二年間で6個の同型の福良雀を見てきましたが
足の彫り方、紐穴の開け方と 二種類あるようです。今後の研究に期待しましょう。
しかし 顔が可愛いですね^^
musasi
「蝦蟇」 黄楊彫 無銘 サイズ47mm×37mm 高さ23mm
おそらく名古屋派の作と思われ 無銘ながら 蝦蟇肌の表現、裏いきも手抜きなし。
目は鼈甲か 琥珀に 海松と思われる黒目の二重象眼仕上げ。
お気に入りの一作になっています。
musasi