「武松打虎」 銘「玉林亭」 素材:柘植 サイズ3.7x3.0x1.6cm
題材は水滸伝の人気演目で「武松打虎」居酒屋の主人に強がりを見せ、酒をかぶ飲みし、
「虎が出る」との注意を一笑に峠道を酔っ払いながら行ったら、本当に虎が出た。
ハッと驚き体中の液体が冷や汗になって出たものだからいっぺんに酔いが覚め、
必死の格闘で虎を仕留めた。はやみおさんに教えてもらいました。
musasi
「天女」 銘:「光一」 置物 素材:セイウチ牙 サイズ高さ11.4cm、幅5.4cm
羽衣と団扇を持った天女が松の木の下で家族と宴を開いている場面です。
明治から大正時代にかけての置物又は置物根付だと思われますが、
珍しいセイウチの牙で彫られています。
伊藤良一著「根付入門」には牙彫りの「光一」が四名書かれていますが
どの光一か わかりません。
musasi
「於福と鬼」 象牙彫 サイズ45×35×40mm
於福の着物の中に隠れていた小鬼が 今まさに逃げ出そうとしています。それを 笠で捕まえようとしています。
笠は 女笠ではなく 房が付き たぶん鍾馗様の笠と思います。
musasi
お福の投げた節分の豆に追われる鬼のモティーフと、鍾馗が自分の笠を被せて鬼を捕らえるモティーフがよくありますが、
この根付はそれを融合させるというか、根付一流のひねりで、お福にいつもの豆の代わりに鬼の嫌がる鍾馗の笠を持たせたの
ではないでしょうか。
墨縄
「笛吹童子」 黄楊彫 銘:山鳥 18世紀 高さ30mm
背中に篭を背負った少年が横笛を吹いています。
同じような構図は、牛の背に座った牛追いの少年(牛童子)が
心の平和を象徴する横笛を吹く形で見受けられます。
黄楊の綺麗な色艶があり、髪の毛の部分は丁寧に彫刻されています。
山鳥(さんちょう)は珍しい古い根付師です。
黄楊マニア
「花咲爺さん」 木彫 銘:玉光 サイズH 3.8p×W 3.9p
優しそうな顔の表情、動き また 仕上げの素晴らしさに驚かされます。
参考写真は netuke-kenshiさんが送ってくれた東京国立博物館にある同人作の根付です。
上田令吉著「根付の研究」では 玉光斎と号し 木彫、牙彫をなす 人物、獣類を作り 良手なり 
天保以降 慶応頃の人なり とあります。素材は桜でしょうか。
musasi
「韃靼人」 象牙彫り サイズ6.7cm 3.5cm
独特な帽子、弓、矢筒など 韃靼人をあらわしています。
韃靼人とは 中国で蒙古民族など北方騎馬民族の総称として使われていたようです。
普通はもっとエキゾチックな顔をしているそうですが この根付は 仙人のような顔をしています。
18世紀から19世紀初頭とのことです。
musasi
「荷物を担ぐ唐子」牙彫 明治・大正時代の根付で高さ38mm、幅20mmです。
唐子が 大きな荷物をかつぎ 左手、左膝をついている姿です。
作品集16の「鶴を抱く少年」と 顔の造形、靴の細工が同じでたぶん 同一作者と思われます。
慣れ味はこの作品のほうがよく 少し古いのかもしれません。
細かな彫りがこの作品の見せ味です。
musasi
「大黒様」 素材:象牙 銘:勝斎 サイズ 3.7×3.0 高さ3.7cm 明治頃
大黒天は古来から福の神として信仰されてきました。大黒頭巾をかぶり小槌を持ち、
大きな袋を肩にかついで米俵に乗っておられます。
もともとはインドの神様、全てのものを破壊し、また救うシバ神の化身で 鎌倉時代から室町時代にかけて、
現在のようなにこにこ顔の福相になりました。神仏習合が盛んになるに連れ、神話の大国主神と結びついて
七福神にも仲間入り仏教では天部にいります。大黒頭巾は男根を象徴しているといわれます。
musasi
「獅子舞」 木彫り(桜、紅葉か)銘:天下一右満作 サイズ(底:3,3センチ×3,5):(高:3,5センチ)
出目家3代目:天下一出目右満作の木彫獅子舞です。これは、面白い根付で、天下一の一の字を袖の下に隠し彫りしてあり、
獅子の口の中に顔が彫ってあり、顔の口には、獅子の唇、入銘と同じ朱がさしてあります。
元来、面師の右満は、面根付が多いのですが、これはおめでたいときに、だれか、特別に注文をした作品でしょう。
この意匠は、江戸スクールの三輪に多く見られますが、右満では珍しいものかと思われます。
天下一の一の文字が、袖の下に隠し彫りされております。獅子の髪の毛・帯の結び等もきれいに彫られております。
netsuke-kenshi
「扇子を持つ男」と「鯛車で遊ぶ童」象牙彫 銘:光正 明治・大正 高さ:37mmと26mm
同じ根付師の二つの作品を並べてみました。
光正とは、とても上品で可愛らしいお顔を彫る根付師のようです。
鯛車の方は蒔絵の彩色があるため、他の蒔絵師との合作かもしれません。  
穏やかなお顔と疑心のない後ろ姿が魅力的です。
鑑賞していると、とても素直な気持ちになれます。 黄楊マニア
「鬼女」サイズは高さ5センチの鹿角の根付です。
鎌を振り上げ、着物の袖も上に上がって、男を襲うところなのかもしれません。
19世紀(明治期?)の根付ですが、鎌をバットに見立てると、
ヤンキースの松井選手に似てると思うのですが、本人に言ったらきっと怒るでしょうね。
着物の柄も鬼女の柄になってるとこが、簡単な鹿角根付とはいえ、ポイントは押さえてる感じです。
ヤボテン
「蝦蟇仙人」 素材 象牙 サイズ横30mm 幅23mm 高さ35mm
お馴染みの「蝦蟇仙人」です。この蝦蟇くんは 四本足で表現されています。
仙人の目玉も象眼されていて 緻密に彫られています。
紐穴は 底部に大きな穴 背部に小さな穴の形式です。
musasi
達磨:材質:黄楊に象牙・鹿角象嵌:時代:江戸期:銘:舟民
netsuke-kenshi
もうお調べになったかも知れませんがこの達磨の頭に載っているものは軟酥(なんそ)という物です。
達磨が伝えた禅宗の瞑想法に「頭の上に載っている軟酥が溶けていく様を想像し無我の境地に入る」という「軟酥の瞑想法」
があります。これが形になって頭の上に見える事がありませんが舟民の達磨で軟酥が載った根付はもちろん、絵でも立体物
でも未見です。これはもう、とてつもなく希少な根付だと思いますよ。
柘植の地味な仙人根付です。でも古くていい感じが出てると自分では納得してます。全長6.5センチ
ヤボテン
「石橋」 サイズ高さ3.5cm横2.5cm前後2.2cm
彫が深く真っ黒でプラスチックのような手触り、しかし紐通しの中は木です。
着物は、びっしりと細かな紅葉に織田の木瓜とボタン紋を浮かせ、
1つずつの小さな歯、細く長い髪、帯の結びは染め角、銘は、達筆で、「山彦」と読むのでしょうか?
まさにこの時、黄楊マニア様のライト付ル−ペより1回り大きな品で覗かれ、
こんな小さな象嵌はありません。色が塗ってあります・・と言われた品です。
ishii
「鞨鼓を奏す舞人」江戸時代:象牙:銘・升雲斎:
この作者は、人物を題材にした物が多いようです。
ひとつ気に入らないのが、紐通しの穴で、入銘の後に穴あけをした模様。
(理由:中で直角に開けられていますが、銘の斎の字に穴がかかっているという点)工房を持っていて、
分業で、最後に弟子に穴を開けさせたのかもしれません。
netsuke-kenshi
「座頭の石持」 木彫 銘:玉珪 サイズ横35mm 幅30mm 高さ35mm
過去にも二点ほど登場しました「座頭の石持」です。玉珪は上田令吉著「根付の研究」で
「木刻を以て人物、獣虫を作る。天明寛政頃の人なり」とあります。以前 このサイトでも「玉爺」説が
熱く語られました。今回 顔の大写しを出しましたが、義眼のような左目と 歯二本を象牙で表現し
後頭部には瘤があり かなり 不気味な姿です。腕や足には筋肉が表現されています。
musasi
江戸時代後期から明治にかけての根付師・竹陽齋友親の象牙根付です。
怖い形相の鍾馗が鬼の目、口、耳を抉るように捕まえています。
鬼は竜頭の杖左手に持ち、下には袋があります。
鍾馗の剣と衣装の間の空間が紐通しになっています。
横30mm 幅23mm 高さ45mm
musasi
「紅毛人」 鹿角 サイズ7cm
袋をかついだ紅毛人が おおらかな感じで彫られています。
鹿角特有の鬆は 帽子や足をはめ込むことで隠されています。
けっこう古い根付と思われます。
musasi