根付の色々なタイプを集めてみました。

饅頭根付「豊干禅師」 銘「正之」花押 直径4.2cm
豊干(ぶかん)禅師は中国唐の時代の人物で、虎に乗って禅を広めたと言われる僧です。
虎に乗って人を驚かせたり、髭ぼうぼうの仙人のような姿だったり、なかなか
面白い人物として描かれることもあるのですが、ここでは凛とした姿で彫られています。
光月
この法實の饅頭根付は少々小ぶりで、(縦)2.8×(横)3.8×(厚)1.8センチとなっております。
この小さな根付にびっしり高度な彫刻技術が施されているのが、ルーペで見て初めて解りました。
髭の毛彫りといい、靴の裏の彫りといい、簪といい、素晴らしい出来で、写真でご紹介できないのが残念です。
内側の彫りも一見轆轤か機械彫りのように見えますが、良く見ると、ゆるやかな凹凸があり、
すべて手仕事でくりぬかれています(紐通し部分が特に秀逸です)象牙の縞が、写真では旨く写らなかったようですが、
縞の模様からしますと、かなり良いところの象牙を使用しているように伺えます。
netsuke-kenshi
セイウチの牙(海象牙)でできた饅頭根付です。サイズ高さ5.1cm、幅5.0cm、厚さ2.9cm
非常に細かく丁寧な仕上げにより、凄みのある雲龍が彫られています。
両目には鼈甲と思われる象嵌がされています。
ルーペで見ると目の黒い瞳の中の部分にも細かい点刻がされていることが分かります。
おそらく高価な注文根付であったと思われます。
海象牙特有の飴色で滑らかな手触りがあります。musasi
「大森彦七」饅頭根付 練物(素材は不明) サイズ4.5*4*2cm musasi
『太平記』の記述や伝説によれば、大森彦七は矢取川を渡ろうとしますが、その川べりで一人の美女に出会いました。
その美女が川を渡れずに困っているというので、彦七は心よく美女を背に負い川を渡ります。
ところが川の途中で背に負う美女が急に重くなったので、不審に思い、月明かりで川面(かわも)に映った美女の顔を見ると、
なんとそれは鬼の顔だったのです。その鬼は楠木正成の怨霊(おんりょう)だといい、彦七の腰の刀を奪おうとします。
「千疋猿」 銘「吉光」木の実 サイズ4*3*1.5cm
日本刀の鍔の意匠に「千疋猿」という 同じように いろいろな姿態の猿たちを
現した物があります。根付で千疋まではいませんが あえて「千疋猿」としました。
木の実をくりぬき 一種の柳左根付と思われます。
musasi
無銘 象牙  梅に亀 饅頭根付と緒締 
4.7cm  明治・大正時代 
黄楊マニア
網代文様差し根付 無銘 鹿角  サイズ10.5cm
帯に差して使う 差し根付です。固い鹿角が多いようです。
地味ですが 頭部に網代文様細工があります。
musasi
饅頭根付 象牙彫 孝眠 幕末明治 直径51mm
饅頭の円形のキャンパスにいっぱいいっぱいに 龍を描いている構図が好きです。
黄楊マニア
漢の智将張良がある橋の上で老人と出会い、この人物が脱ぎ落とした沓を拾い捧げ、
さらに器量を試されて後、張良は兵書一巻を授けられて後に劉邦(高祖)に仕え漢の軍師となります(漢楚軍談)。
図像学的には張良が水中の大龍に乗り橋下から、橋上の乗馬の黄石公に沓を捧げる構図が良く見られます。
この根付は龍が相手ではなく龍に乗っていると解釈するほうが良いと思われます。
黄石公を描かずに張良の動作によって黄石公の存在を暗示している表現は秀逸だと思います。
墨縄
珍材料根付 ウニコール根付(幕末-明治)です。
ウニコールとは、一角鯨の貴重な角を材料として彫られた根付です。
伝説上のユニコーンのモデルとなった鯨で、左巻きで中空の特徴的な角を有しています。
江戸時代には非常に高価で薬としても用いられました。
ウニコール根付の特長は、その外皮です。
左巻きで皮膚のような皮です。高価なウニコールは、一見して象牙と見分けがつきません。
よって、江戸時代の根付師達はそれがウニコールだと分かるようにわざと外皮を作品の一部分に残して彫りました。
譲渡のため応相談可能です。
黄楊マニア
「竹藪に虎」 素材:象牙 柳左根付 サイズ4cm 3.8cm 1.5cm
金沢のお店の話が出ましたので 私も昨年 金沢旅行の際 ある古美術店から手に入れました
柳左根付を出します。どうかな?と思い しまい込んでいたのですが エセックス美術館の
根付コレクションのなかに 同じような根付を見つけましたので出してみました。
musasi
「狸のお使い」 陶器銘「和平」 サイズ3.8×2.5×高5.5
ドテラに頬かぶりの狸が 酒の肴でも入ってるのか重箱を大事に抱えている。
この作品の魅力は 狸の目つきだと思います。
別冊太陽「印籠と根付」に 「酒買い狸」として ふてぶてしい狸の陶器根付が
載っていますが 刻印 雰囲気など 同人作と思われます。
musasi
「鶴亀」 柳左根付 サイズ幅4cm,厚さ1,8cm
めでたい鶴亀を 柳左根付で表現しています。
ishii
ウニコール彫 高さ1.4p幅2.5x5.7p
一角鯨の牙をそのまま使っています。外皮部分と 象牙質部分の境目も
よくわかります。象牙質の扇面に猪が眠っている図が彫られています。
外皮の螺旋模様もよくわかる作品です。
musasi
「竹虎」 象牙饅頭根付 銘:光月斎 サイズ径 5.3p 高さ 1.9p
光月斎は 上田氏の根付の研究によると 「直正と号し牙刻をなし善く饅頭根付を
作る、寛政以降文政の人
大振りの象牙に もともとのクラックを利用して 竹林に潜む猛虎を描いている。
丁寧な彫りで 力強さを感じさせる。
musasi
柳左根付 径4.5cm 銀と金の象嵌
浦島伝説の土地詫間.箱で見つけた根付です、今でも浦島太郎の子孫と言う人がいます。
そんな伝説の土地で見つけました。親亀の背中には浦島太郎が竿をもち小亀の背中には
玉手箱、竿と玉手箱には金で象嵌をしています、材質は何かの骨だと思います。
笛吹童子
「ウニコール」 一角鯨の牙 直径34mm幅17mm
素材そのものを使った根付です。ウニコールの断面がよくわかる作品です。
ご存じウニコールは 一角鯨の牙で江戸時代は 解熱薬。疱瘡(ホウソウ)の薬として使われ
たいへん高価だったようです。
musasi
「桐に源氏車」 鹿角 サイズ45mm×20mm
表が 波の上に桐と 源氏車は配し 裏は桔梗でしょうか 花の図柄です。
柳左となっています。
musasi
差根付:『瓜とつる』:銘:永斎:象牙:サイズ:6.7cmx1.7cm
永斎は、根付の研究では、寺本元次郎と称す、後期の人なり。と有りますが
提げ物屋、吉田女史に調べていただくと何点か有りました。象牙をうまく使い
シンプルに表現しています。家内が髪留めにもしています。
笛吹童子
「白虎と青龍」 象牙彫り 無銘浅草スクール サイズ40mm×40mm 高さ18mm
宝珠を追いかける白虎、それを阻止せんと図る青龍。
宝珠を巡る戦いの図です。
白虎の背面は、「麻の葉文」、青龍の背面は「青海波文」、側面は「雷門」、と文様
尽くしの品でもあります。
とら太
饅頭根付:達磨太子:4.5cm:黄楊に象牙、黒檀:無銘
今見ているのが右斜め前から、根付を少し斜めに見て達磨太子を正面から見るようにしますと、
眼の表情が変わります。
眼に黒檀、白目の所が旨く彫れています、耳には象牙が象嵌しています。
笛吹童子
楼閣根付 黒檀 銘「白寫斎」 サイズ幅3.4p 奥行2.8p 高さ3.3p
コレクションの中で初めての楼閣根付です。建物や人物が緻密に彫られています。
作者の詳細はわかりません。
musasi
「麒麟と鳳凰」 金工銘 菊岡 根付 無銘  4.1cm×4.1cm セイウチ
片目貫になってしまった麒麟を、根付として仕立て直した金工柳左。(o‥o)/
金工の麒麟に対して、セイウチの鳳凰を彫りぬき、江戸金工菊岡派に負けない程の
仕立てをした根付師は誰だったのでしょうか。(○ ̄ 〜  ̄○;)ウーン・・・
とら太
「猪」 海象牙彫 サイズ46mm×16mm
表面は 深く掘り下げられ 力強く疾走する猪の姿を立体的に現しています。
裏面には セイウチ特有のガラス質が現れ景色を作っています。
musasi
饅頭根付です。銘「一渓」大きさは約60×53×26ミリくらいです。
上田令吉の「根附の研究」根付師人名録に
青岑斎と號し木刻をなす、中期の人なり(彫銘、青岑斎一渓)。
と、あります。
最後に、左上・頭部、右上・尾部、左下・左側面、右下・分割裏面です。
個人的には形彫と饅頭の中間みたいな感じがします。
まっつぽん
「漢詩饅頭根付」サイズ:直径3.3cm 厚さ2.4cm 
表側:象牙に白蝶貝の嵌入。裏面:材不明、貝象嵌。
表側に達者な文字で漢詩が毛筆のかすれの部分まで、細刻されています。
裏蓋は、貝象嵌です。後世に追補されたものでしょう。
作者、光廣は大阪で活躍した、有名な根付師で、文学にも
造詣が深く、風雅な作風は高く評価されています。
漢詩の読み、意味がよく解りません。解られる方、よろしくお願い致します。
げてもんや
「文福茶釜」 陶器製 印銘:与四 共箱付
緒〆と一緒でないと何の意匠か分かりません。狸の緒締と驚く坊さんの根付
作者の与四郎は、「根附の研究」によると
京都山科の有名なる陶工なり、又陶器を以て根付を作れり(印銘、與四)
「根付」レイモンド・ブッシェル著の、京都・祇園円山公園内・元禄創業の
老舗料理屋平野屋が昔、上得意に配った陶器根付「お多福」の作者と同人物かな
柳左根付「雨龍」  無銘 材質:象牙、鉄  サイズ:36mm×15mm 
浅草スクールでしょうか。象牙の色が綺麗です。
げてもんや
女達磨 銘「光龍斎」3×3.8×1.3 象牙
ツルンとしてて非常に使いやすいです。
大きさも手ごろで、このごろのお気に入りです。
美人画(花魁の図)の巾着を付けて使っています。
柏台77
    楼閣根付 木彫 サイズ40mm×27mm 高さ30mm
岩山に建物や松 路や階段を配した楼閣根付で 中央の家の中では 碁盤 あるいは
酒卓を囲んでいるのでしょうか 三人の人物が彫られています。
また 山道には荷物を背負った旅人と思われる人物が彫られています。
musasi
   「蛙」 猪牙彫 銘「滋女」 サイズ75mm×17mm 厚さ9mm
あまり大きくない猪牙だったのですが 滋女さんに石見根付風に
お願いしてできあがりました。
もっと 大きければ細工もしやすかったでしょうが 可愛い蛙が
できあがって 眼も象眼してあります。
musasi
   「天女と蓮」 象牙彫 サイズ39mm×14mm
柳左タイプの根付です。色つやともに良く 使い込まれた感ありです。
意匠は天女が雲の中を たぶん 蓮の花・・・を持って飛んでいる図です。
裏面は蓮の池でしょうか。彫りも緻密で素敵な一作です。
musasi
    灯明の火で尻あぶる 木彫り サイズ高さ5cm 印章根付
男が尻を出して、尻を灯篭にあててる図です。
変わった性癖の持ち主でも、間寛平のギャグ「かいーの」でもなくて、
ことわざの「灯明の火で尻あぶる」を表してます。誤ってたり、効果のないことのたとえだそうです。
ヤボテン