一般論と素人的盲点


 さて、前項に引き続き、ここでは素人ドライバーが走ると陥る・・かもしれない
一般論の落とし穴について語りたいと思います。

前項で、バトル中、ブレーキングで並びかけたときに直面するかも、というヒキだったのは、
その次にくるコーナー進入のときに発生する事だからです。

さきにポイントになる事を言っちゃいましょうかね。それは
「コーナーでは、イン側が絶対有利とゆーのは嘘かもしれない」
という事です。

 一般的には、または漫画なんかの表現でも、基本的にコーナー進入での勝負は
イン側が絶対有利という事になってますね。まあ、もちろん色々な状況や要素がありますから
一概に嘘とは言えません。しかし、ことシロートの走行会バトルに関しては、「絶対有利」って
ほどではありません。これも、ちょっと考えてみれば解ることですが、コーナーのライン取り
の基本はアウトインアウトですよね。では、大外回りとインベタ、どっちがライン的に
苦しいかを考えてみましょう・・・答えは歴然ですね。サイドバイサイドのままコーナーに
進入した場合、アウト側の方が若干車速が高いまま旋回できるのです。
つまり、入れるからと言ってむやみにインを差すのは危険かもしれません。


インに入ろうとしている無宇ハチロクの図。このときは相手が譲ってくれてます


インベタから進入した場合、いつもより遅い速度でないと旋回できないという事は絶対に
忘れてはいけません。でないとアウト側の人を巻き込む恐れがありますので(^^;
逆に、真剣バトルならインをとられた場合、アウト側ぎりぎりで粘ってブレーキを遅らせるのも
手ですね。こちらにつられて同じ速度できた場合、間違いなくイン側は突っ込みすぎになってます。
無宇も何度か、イン側に入ってきて・・・そのまま真っ直ぐコースアウトしていった車を
見たことがあります・・・・・自分でやっちゃったこともありますけど(爆)。

そこまで極端じゃなくても、インベタから進入すると、絶対に立ち上がり速度は低下します。
だからこそアウト側からクリッピングを奥にとって、加速重視のラインで立ち上がって
ラインをクロスさせて差し返す、俗に言う「エックス攻撃」なるライン取りもあるわけで。
これが一番一般的かつ安全な抜き返しかもしれません。


X攻撃の基本。赤いラインは出口が苦しい。
青いラインの方が早く加速体勢になってて差し替えせる。

模擬レース走行会のように、真剣バトル系の場合は、もっときわどいアウトからの競りかたもあります。
状況を選んで使わないと、大変危険なのであまりお勧めできない作戦なのですが(^^;
前走車に追いついたけど、コーナーでは若干相手の方が速い。直線では若干追いつくけど
抜くほどの差にはならない。結果的に膠着した状況の打開方法。
その必要条件は
1.絶対に真剣バトル可な時以外は使わないこと。
2.相手に、自分が仕掛けていることを認識させておくこと。
3.相手も信用できる腕であることを確認しておくこと。
4.相手の車より、ほんの少しで良いから加速で勝っていること。
などです。ちなみに無宇は「4」がネックで、使われてばかりです(爆)

まず、ブレーキングででアウト側から仕掛けます。無理して前に出る必要はありません。
並ぶか、半車身後ろくらいでもかまいません。そして、その位置から、早めにイン側に寄せて、
そのままサイドバイサイド状態を維持したまま、旋回します。もちろんイン側に相手のラインは
残しておきましょう。「幅寄せ」で、怯ませたりしてはいけません。寄せる目的は、
あくまで、「相手にインベタ以外のラインをとれなくする」事です。そして多少の失速は
覚悟の上で、クリップをすぎてもアウトにはらまずに旋回します。これでOKです。
立ち上がりまで、完全にインベタにラインを規制されたイン側は、確実に大きく失速します。
もともとの加速力の差に、失速するぶんが加わって、立ち上がりで楽々前に出られるはずです。
加速力に劣る車の場合、コーナー脱出が横並びだった場合は、その時点で負け確定ですから・・・。
逆に言うと、非力な車ではコーナー進入の時点、つまりブレーキングでなんとしても前に出ていないと
いけません。横並びの好きなラインを通れない状態で進入した段階で、本来の旋回速度は維持できなく
なりますからね。

もっと高度な話としては、直線で負けてる相手に対してインに鼻先を入れる、アウトに並んでおく等
の手段でラインの自由度を奪い、直線の加速を少しでも鈍らせておいて、次のコーナーのブレーキング
で仕掛ける足がかりにする、という連続技も存在するにはしますが、とりあえずそういう
「2つ先のコーナーまで組み立てて仕掛ける」というのは、もっとレベルの高い方々の話(笑)。
無宇のような底辺の人間にはほとんど関係ありません。(^^;残念ながら


 少し脱線しましたが、このように、ドライビングとか、車の持ち味を生かした作戦次第では、
「アウトが有利」という状況も生まれます。あまり「コーナーはインが有利」という概念に固執することなく、
様々な状況に対応できるドライビングを覚えた方が、実りは多いと思います。
まずは、あれこれ考えすぎない方がいいかもね、と(笑)。

・・・・・・もし、コース上で出会ったら、お手柔らかにお願いします(笑)。

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