ベトナムぐるぐる日記


2月18日


会社の社員旅行でベトナムに行くことになった。
といっても、「好きな国に好きな時にかってに行ってきていいよ。」という不思議なルールのおかげで、ほとんど個人旅行。今回は先輩のU野さんと一緒に旅することとなった。

で、11:30羽田を離れ、関西国際空港へ。うーん、KIXはむやみにデカイ。外は雪。
結局雪のせいで1時間遅れの15:15に、JL749便はベトナム、ホーチミンへ出発した。
それにしても会社の金なので文句はいえないが、せっかくならベトナム航空で行きたかったよなあ。雰囲気でないっつーの。

まあ、そんなこんなで21:00にタンソンニャット国際空港着。あたりまえだけど、出入国カードってベトナム語なんだね。妙に感心してしまった。
しっかし、国際空港という割にはこじんまりしてるなあ。ロビーのすぐ外で、タクシーや迎えのバスやバイクがうじゃうじゃとまってる。いつもならこの時点で荷物を握りしめて、超警戒モードで客引きの中に突っ込んでいくんだけど、今回はなんと送迎バスつきなのだ。こんなことで感動してしまう自分がカナシイ。

10分位でホテルに着いた。途中街灯らしきものがあまりなく、外の雰囲気があまり分からなかったが、まだ市街地まではだいぶあるようだった。
ホテルはなんと「オムニ・サイゴン」。おいおいおい。会社の金じゃなかったら絶対に縁のないホテルだね。とにかく風体からしてかなり浮きまくっているのは間違いない。
一応団体ってことで来ているので、別室でまとめてチェック・インして、部屋の鍵を受け取る。この時点で10時を過ぎていたが、このまま寝てしまおうなんて思ってもいない私とU野さんは、早速街に出てみようということになる。

と、勢いよく出てきたのはいいが、どっちが街かもわからないので、とりあえずバイクが沢山向かっているほうに歩いていくことにする。途中で「SAIGON」というベタなタバコを買う。
しばらく歩いていくと、なんだか妙に盛り上がっている場所にでた。地図を見ると「ヴィンギエム寺」に着いたことが分かった。40mの7重の塔で有名らしい。旧正月のお祭りの真っ最中らしく、この時間なのに身動きができないほどの超満員だ。
しかも車道にまで張り出した露店で、大渋滞。いやースゴイ熱気。いっきにベトナムに来たことを実感する。なんかいい感じだ。

正月らしく巨大線香がバシバシ売れていく。 蛍光灯よりもズッとでかい円柱上のものだけど、こんな大きなものは初めて見る。しかもスゴイのは、おっちゃんらは、それに火をつけて片手で抱えたままバイクにまたがって帰るんだよな。そこらヘン、火花というか火種というかが、バラバラ落ちてて危ないって。火事になるぜホント。むちゃすんなあ。
以前は爆竹で死傷者が続出したそうで、今は禁止されてるっていうから、こんなもんじゃないんだとは思うけど、やっぱパワーあるワ。

寺を一通り見たあと、境内の屋台で「フォー」を食う。
ウ、ウマイ〜!

個人的には香菜は苦手なんだけど、なんでこういう所で食うものは美味いんだろう。大満足。

お腹が一杯になったので向かいの茶店でお茶を飲むことにする。座って少し落ち着いてくると、なんだか足がかゆいことに気が付いた。店先ではよく見えないので明るいところで見ると、凄まじく蚊にクワレているではないかい。ガーン、しかもなんだかコッチの蚊は強いのか、蚊に食われたとこがつながって、手のひらサイズにまでなってんじゃん。
ううっ、こりゃ短パン系はダメだね。この暑いのに・・・。
蚊に食われて勢いが削がれてしまって、この日は宿に帰ることにする。
とにかく今日は長かった。





2月19日


今日は朝早く起きて市街地まで行くことにする。ホテルで朝飯をくってバスで出かける。

レロイ通りにぶつかったところでおろされたので、まずはベンタイン市場へ向かう。ところがまだ時間が早かったようで開いていなかった。ぐるっと一週するとお寺があったので覗いてみる。ここも正月の関係か、人で一杯だった。
あてがはずれてしまったので、どーしようかと考えるため、屋台で7upを飲みながら一休み。U野さんは朝からいきなりTigerビール・・・。当然後追いで付き合う。クーッ、美味いですなあ。

そこの屋台の斜向かいが宝石屋で、U野さんが奥様にお土産を買っている最中、ちょっと通りをブラブラすると、乾物屋さんがあったので寄ってみる。何品か試食させてもらった。結局、店のおばちゃんに薦められたココナッツの実を干したものを、会社の人へのお土産として買った。(ここで味見したときは超美味かったんだけど、会社では大不評だったんだよね。ミンナわかっちゃいねーよな。)

ベンタインにはまた来ることとして、とりあえず市民劇場に向かってレロイ通り沿いを歩く。ホーチミンはやっぱり都会のなのか、想像よりも整然としている印象を受けた。物乞いも物売りも少なく、街の通りも綺麗に清掃されている。もうちょっと裏道も歩いてみたい。

グエンフエ通りとの交差点まで来て、疲れてきた。ここが街の中心地であることは間違いない。すごい人通りだ。しかもバイクの量が半端じゃない。交差点を渡るのに勇気がいる。
交差点を渡ったところで、またまた一休み。ここの露店のおばちゃんはとてもいい人たちで、話が弾んだ。とても落ち着いたゆっくりした時間が流れる。
おばちゃん達に、きっとまた来ることを約束して茶店をあとにした。

サイゴン川に向かう途中、「ベトナム・ハウス」で昼飯を食う。一般的なベトナム料理が定食で食えたのはよかったし、味もまあまあだったが、客の半分が日本人と西洋人だったのにはガッカリした。

このグエンフエ通りは店が充実していて、なかなか前に進めない。骨董系のネックレスとヒスイの腕輪、前からほしかった羅盤を2個買う。
そして、サイゴン川へ。

変な観光船があるゾ。
観光船らしく船首が魚の頭の形をしているんだけど(船自体が白鳥の形とかしてるヤツはよくあるじゃん)、生半可な造形じゃない。物すごく恐い顔した魚だ。ベトナム人はこんな船にのって楽しいのだろうか・・・。だとしたら、かなわないって。


とにかく頭に焼き付いて離れないほどに印象的な船だった。

裏道にはいって、しばらく歩くと、ミュージックテープ屋があったので、U野さんと物色する。結構な量を買った。
いつの間にかぐるっと市街地を一周してしまったようで、ベンタインの脇に出てきてしまった。
サイゴン・バスターミナルからチョロンのビンタイ市場行きのバスに乗る。適当な時間に動いているらしく、客がある程度集まったら出発した。2000ドン。
終点で降りるが、ビンタイまではまだ歩かなければならず、迷う。
見かねた人たちが集まってきて、みんなで道を教えてくれた。いやあ、基本的に穏やかでいい人が多いような気がするなあ。こういうことがあると単純なので、一気に好きになってしまうのだ。

やっと、ビンタイにつくがこちらも正月休み。ガガーン。正月ならではのお祭りや飾り物は見られてラッキーな反面、こういうことがあるから残念だ。失意のなか、すぐに帰るのももったいないので、近くのティエンハウ寺による。天后寺というだけあって華僑系の人の参拝者が多いように思えた。

ここまで歩いてきたので、途中のバス停からバスにのろうとするが、どうもバス停が見当たらない。かなり歩いて、フト気がついた。
バス停が木にくくり付けてあるじゃん。


こんなの気がつくわけねーだろが。しかも小さな字で「BUS STOP」とか書いてある。
はあ〜。やられたね。

帰ってきてからニューワールドホテルのほうに向かって歩いていくと、屋台が沢山でている所にぶつかった。そこでバインセオを食べる。これはイケル。
そしてついにバインミーを食べた。こりゃ超ウマイじゃん。日本でも絶対売れると思うけどなあ。

そのまましばらく通りを進むと、野外ステージにたどり着いた。多分、文化公園だと思う。何をやっているのか見当もつかなかったけど、とりあえず入場料をはらって入る。コントと歌のショーをやっていた。言葉は全然分からなかったけど、スジは簡単だし、ウけているベトナム人を見ているだけで楽しい。
なんだか得した気分になった。


さて、ショーは楽しかったが、ここがどこだか全く分からなくなっていたので、とりあえずレックスまで、シクロで戻る。New Year Price とかわけの分かんないことを言ってるので、値切って10000ドンでホテルレックスへ。
さてと、ここからどーやって帰ろっかな。



2月20日


今日はオプショナル・ツアーでメコン川クルーズをすることになっている。
ホテルからバスでミトーヘ1時間30分。とにかくブッ飛ばす。道は限りなく直線道路。しかも信号1個も無し。こうなったらおきまりのアジアンハイウエー状態。とにかく道の真ん中をバイクをけちらしながら爆走する。

途中、レストラン「チュンルオン」で昼飯。名物の「象の耳」とかいう魚のから揚げをライスペーパーで喰う。美味い。他にも、ゴイクンやラウタップカム、チャーゾーなどが出てきて、なかなか良かった。当然U野さんと私は、浴びるほどビールを飲む。

メコン川に到着。へえ〜、これがメコン川かあ。水量がスゴイ。こんだけ豊かな水と気候に恵まれていながも、川を食いもんにしていない感じがいいね。川は川として流れている。

渡し舟に乗ってタイソン島に向かう。船内で「ハッカ油」の小瓶を拾う。聞いてみると、現地の気付け薬だという。たしかにかなりスッとした香りがする。そういえばチョロンからの帰りのバスの中で、子供が気持ち悪くなったとき、お母さんが子供の顔中に「ハッカ油」を塗りたくってたことを思い出した。
その子は、まったく回復せず、ゲロゲロやってたけどね。

タイソン島ではいろいろなフルーツが出てきた。特にミルクフルーツは絶品。なんてうまいんだろう。この島では竜眼が有名らしく沢山でてきた。

それから島の中を結構あるかされて、船着き場へ。メコン川クルーズとは、一体どんなことをするのかと期待してたら、おばちゃんが櫓を漕く小舟に2人づつ乗っけられて、かなり穏やかな小川をチョロット下るだけだった。
えっ、これで終わり??
うっそ〜。なんだかこのためにミトーまで来たかと思うと、一気に力が抜けたよ。

ホーチミンまで帰ってきてたらもう夜中になっていた。腹が空いたので、この前約束したおばちゃんの露店に晩飯を食いに行く。カレーうどんみたいな不思議なものを食わせてもらう。これも美味い。さらに、現地の人がよく飲んでいる白い飲みものがズッと気になっていたので、それも飲んでみるが、なんと、豆乳だった。これは超マズイ。とても飲みきれない。
まだ、食い足りなかったので、近くの露店でゴイクンを山盛り食べる。

落ち着いたので、U野さんとこれからどうするか話しているうちに、どうも現地の若者と接していないことに気づき、ベトナムのクラブ系にいってみることになった。
まあ、こっちではクラブというより、ディスコって感じだね。

まず、ドンコイ通り沿いの「リバティー・ダンシング」へ。ここは入口からしてかなり入りにくい。勢いつけて入ってみると、なんだか変な雰囲気だった。たしかに中央に踊る場所はあるが、周りをボックス席が囲んでいる。
ママさんが1つの席に案内してくれ、お姉ちゃんをつけてくれるという。うーん。ちょっと違うかも。

まあ、とりあえず英語の話せる人をつけてもらう。すると今度はかなりキワドイ服を着たお姉ちゃんが2人して寄ってくる。
何かと思うと、ヘネシーのキャンペーンをやってるとのこと。ボトルをすすめられるが、いくらボッタクラレルかわからないので、グラスでいいと断る。かなり粘っていたが諦めたようだった。はあ。
なんかいらん緊張を強いられているよなあ。

ベトナムらしい、かわった仕組みで、「ディスコ系」「チーク系」「社交ダンス系」の音楽が入れ替わり流れ、そのたびにボックスから年齢層にあった客が出てくる。なんか見てるだけで面白い。そのうち、店内が明るくなって、さっきのヘネシー姉ちゃんが出てきた。
よく聞いていたら、これから抽選会をやるとのこと、入場券の番号で商品があたるらしい。
なんと、一等は全自動洗濯機。
おいおい。当たったらどーすんだよ。
運よく(?)ハズレたが、どうも変な心配ばっかりかかるので、店を出ることにした。

U野さんと、もう1つ行ってみることになった。今度はレックスホテルのクラブ。
こっちはなかなか入りやすかった。店にはいると物すごい音。超満員。これだよね。
ただ、年齢層はかなり低めで、みんな高校生位に見える。U野さんが声をかけると、やっぱりその位らしい。みんなかなり盛り上がっている。しかもお洒落してきてるヤツが多く、適当なカッコしている我々はちょっと目立つが、みんな結構キサクで、いい感じだった。

夜も10時を過ぎたころ、一斉に人がいなくなる。どうやら規則かなにかがあるらしい。あんなにいた人が10人位に減ってしまった。へんなの。
我々も外に出る。フラフラになりながら道を歩いていると、客引きがよってきて、「オンナ・チェンジマネー?」と声をかけてきた。
そーいえば、こんな客引きらしい客引きは、ベトナムに来てから初めてだ。なんかヘンだが、妙に嬉しくなってしまった。

ホテルに帰って寝転んでいると、どうも、体が熱っぽい。というか、部屋全体が暑い。
こりゃ、おかしいゾ。エアコンは一応回っているが、全く効き目がない状態。どうせ、最後の夜だから面倒おこすのもなあ、と思っていたが、我慢の限界に突入した。
たまらず、フロントにTELすると、エンジニアを向かわせるとのこと。流石に1流ホテルだねえ。まさか機械屋さんが常駐しているとは思わなかったよ。

しばらくして、おっちゃんが寝惚けながらやってきた。
2人で汗ビッショリになりながら作業してたが、どうやらダメらしい。一生懸命やってくれてたので、申し訳なかったが、一応クレームをつけると、副支配人が出てきて謝られてしまった。
ウワワッ。いやー、そんな事を大きくするつもりじゃなかったんだけどね。
結局、「オムニ・サイゴン」のメンツが立たないということで、別の部屋に移らせてもらうことになった。ワルイねえ。
「将来このくらいデカイホテルに泊まることになったとしたら、オムニグループのホテルに泊まるから」と言うと、ちょっとウけてくれたので、助かった。はあ。
しかし、ノートラブルで旅行できたためしがないなあ。



2月21日


今日でベトナムも最後。まだ市場を見てないので、ベンタインに向かう。今度はちゃんと開いていた。
なかなかいい雰囲気だ。 やっぱり市場はいいねえ。

ゆっくり見てまわったので、もうお昼になってしまった。
いったんレロイを戻って、「バクダン」でココナッツアイスとコーヒーをたのむ。アイスコーヒーは日本のように初めから冷えている訳ではなく、グラスに氷を一杯に入れて、そこに熱いのを注ぐ形で面白い。

山下さんが美味いコーヒー豆を売っている店を教えてくれたので、そこに行くことにする。
途中、バックパッカーのたまり場である、ファングーラオ通りに寄っていく。きっと普通に来てたら、ここのどっかの安宿に泊まっていたに違いないな。やっぱりこの辺になると、街の感じも変わってくる。普通の人の暮らしがそばにある。



「サー・サイゴン」で小物をいくつかお土産に買う。暑いのでそこいらの店で「ドリアン・アイス」を買うが一口食べてギブアップ。
なんじゃこりゃ。
ベトナムには美味いものが沢山あるが、不味いものも沢山あるな。

U野さんは、ベトナムでは「ドラえもん」がブレイクしているはずなのに、全然みかけないことに、かなり納得がいかないらしく、このあたりから「ドラえもん」探しに躍起になってきた。
さて、道に迷いながらも、コーヒー屋にたどり着くことができた。来てみると卸売りみたいだったが、快く分けてくれた。
そばにあった雑貨屋で、中国将棋とワラのようなもので編み込んだバッグを買った。あと、ベトナム式のコーヒー入れ機を10個。やっぱり、土産物屋じゃない普通の店なので、めちゃくちゃ安い。

荷物が増えてきて、歩くのにつかれたので、そのへんの屋台で「フォー」を食う。これがまた美味い。「フォー」はかなり食べたが、店によって若干味付けがちがい、奥が深い。日本人がラーメン好きなのと同じような感覚がした。

すっかりくつろいでいたら、もう夕方になってしまっているではないか。
ガガーン。集合時間まであんまり間がない。のこったドンを土産で消化し、タクシーでホテルまで戻る。集合時間5分前。なんとか間に合った。戻ってきたのはメンバーの中で最後から2番目だった。

ひょんなことから、ベトナムに来るころになった今回の旅だったけど、ここまでくるとやっぱり帰りたくない。はっきり言って過剰な期待をしていなかっただけに、逆にすごくベトナムの面白さを感じた旅だった。今度来るときはファングーラオあたりでクダをまく旅行者になってそうだけど、また、そんな旅がしたくなるような国だった。

ところで、帰りのJL740便って、23:45発だったと思うけど、それまでどーすんだろ。まだ、19:00だゼ。


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