·  育休を終えて

保育園生活が始まってからなんともいえない淋しさが続いている。正隆の成長・発達の瞬間に僕自身が立ち会えない淋しさだ。迎えに行くと、その日の朝まではできなかったしぐさを見せられる。両手でのパチパチ、「これ、これ」という指差し、「こんにちは」「いただきます」などのぺこぺこおじぎ。育休中には、おすわり、寝返り、つかまり立ち、ハイハイなど、すべての発達の変化は全部僕が見守っていたし、日時まで記録したのも僕だった。もう少しでできる、あと一歩、などと心で念じながら応援する楽しみは、僕だけのものだった。

時間がゆっくりと流れ、気持ちもゆったりとしてせわしなくなく、子どもたちとゆったりと付き合うことができた。そんな育休生活の良いところばかりが思い出されて懐かしい。

忙しい生活の再来とともに、つい「早く、早く」と子どもをせかすことが多くなった。そんなときには、育休中のゆったりとした気持ちの落ち着きを思い出したいと願うこのごろだ。

今は春。送り迎えの途中、風をあびながら下り坂に自転車を転がしていくと、道脇の園芸農園の花々が目にとまる。心休まる瞬間だ。でもすぐに上り坂が待っている。息も切れ足も棒になって大汗をかく。

花咲く坂道の登園風景は、子育ての幸せと苦労を象徴しているようだ。

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