「あ…」
 階段の途中で、下の廊下を歩いている本の山を見つ
けた。
 …じゃなくて、前が見えないほど荷物を持たされて
るマルチだ。
 誰が持たせたのか知らないが、どこにあんな沢山の
本を持っていく必要があるんだろうか。

「しょーがねえやつだな」
 苦笑して、手伝ってやろうと足を速めると、角の向
こうからレミィが歩いてくるのが見えた。
 …なんかイヤなタイミング。
 ふたりは、ちょうど同じ速さで歩いている。
 このまま行くとたぶん、出合い頭に衝突だ。

 オレはダッシュして――。

 A、マルチを止める。
 B、オレがレミィとぶつかる。