ゲームを終えて店を出ると、ちょうどマルチの友達
ロボット、セリオがやってきた。
「あっ、セリオさん」
「――お待たせしました、マルチさん。――どうも、
こんにちは、浩之さん」
「おっす」
「それでは、浩之さん。今日は本当にありがとうござ
いました。とっても楽しかったです」
「おう、また今度一緒に遊ぼうな」
「はいっ」

 ――ブロロロロ…。
 そのとき、バスがやってきた。
 プシューっと、乗車口の戸が開く。
「浩之さん、それじゃ、また明日」
「おう」
 にっこり笑顔で手を振って、マルチはとんとんと、
バスに乗り込んだ。
「――さようなら、浩之さん」
「おう、じゃあな」

 ブロロロロ…。
 ふたりの乗ったバスが、走り去っていく。
 後部座席に座ったマルチは、ガラスの向こう側から、
笑顔で手を振っていた。


 夜

早く寝る