「…マルチ、今日までご苦労さん」
オレは、いろいろな思いを込めてマルチに言った。
「ありがとうございます。浩之さんには、本当にいろ
いろお世話になりました。またいつか、お会いできる
日があれば嬉しいです」
マルチは、ちょっぴり涙ぐんで言った。
「できれば、高校生活が終わるまで、ずっとマルチと
一緒にいたかったぜ」
「浩之さん…」
「でも、しょうがないよな。マルチは特別だし…」
「はい」
マルチはこくんとうなずいた。
「じゃあな、マルチ。元気でな」
オレは笑顔でそう言うと、マルチの頭に、ポンッと
手を置いた。
「浩之さんもお元気で。お体を大切に」
「ああ。じゃ」
オレは手を上げてマルチと別れた。
「さよ〜なら〜〜〜〜お元気で〜〜〜〜〜〜」
マルチはいつまでも、オレに手を振っていた。
終わり(バッドエンド) |