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生(なま)ってなんだ!

 生ってなんだ!
「生貯蔵酒」 と、「生詰酒」 って 実は、違いが無いのだ!

ここまで 読んで、 なんのこっちゃ分からんという 「ポン酒」 初心者の方、
「そんなわけは無い!」 と思っている方、

そうなんです。 これが、そもそも今の日本酒業界を象徴するような、変な言葉なんです。
(今日は、アカデミックなのだ)


まず、みなさん 「生」(なま) と聞いて、何を想像しますか?

生野菜、生魚、なまむぎ・なまごめ・なまたまご・・・・
すべて、「加熱調理」 していない状態を 「なま」 と呼びます。(当たり前ですよね)


ところがどっこい、日本酒業界は、なんと一度火入れ(つまり、加熱ですね)したものも 「生」 という言葉をつけて呼びます。

まず、「生貯蔵酒」
「お酒を、”生のまま貯蔵” し、 出荷前に一度火入れ(加熱)したもの」

なんと、我々が口にするときには、加熱された状態なんですね つまり、生ではない・・・


つぎに、「生詰酒」
「新酒を一度火入れしてから貯蔵し、出荷前の火入れをしないもの」

これも生ではなかったんですね・・・


そもそも、通常の日本酒は、二度火入れをする。
これを、一度しかしていないぜ! 
と強調したいために、こともあろうか 「生」 という言葉を使ってしまった・・・
そのせいで、「本当の生」を表現するのに 「なまなま」(2度の火入れをしていない、最初も生、最後も生) なんていう本末転倒な表現をせざるを得なくなってしまったのだ。


そして、さらに、この 「貯蔵」 というのが曲者(くせもの)で、
じゃあ、いったいどれだけ ほっておけば 「貯蔵」 と言えるのか?

「1ヶ月くらいかな」

「ブー!」

実は、決まってないんです。
1時間でも、30分でも いいらしい・・・


ということは、(賢明な読者はお分かりだと思いますが)

 ・新酒 ⇒ ちょっと休憩 ⇒ 火入れ ⇒ 出荷  なら 「生貯蔵酒」
 ・新酒 ⇒ 火入れ ⇒ ちょっと休憩 ⇒ 出荷  なら 「生詰酒」


休憩せずにがんばって仕事すれば、

 ・新酒 ⇒ (休憩なし) ⇒ 火入れ ⇒ 出荷  で 「生貯蔵酒」
 ・新酒 ⇒ 火入れ ⇒ (休憩なし) ⇒ 出荷  で 「生詰酒」

つまり、 どちらも ”新酒 ⇒ 火入れ ⇒ 出荷” となり

極端な話、 「生貯蔵酒」=「生詰酒」  になってしまうのだ!


こんなことをしている酒蔵は、ない。 と信じたい。 

そして、きちんと消費者に品質を保証できる仕組みを 業界を挙げて取り組んで欲しい
と、飲んだくれのおじさんは、切に願うのであった。

生のお酒を頼むのに 「生生」(なまなま)ちょうだい! っていうのは、もういやなのだ。