<7/19>
通常パラオへ行くのは、グアムでトランジットしなければならない。 が、今回は、JALの直行便ということで4時間で到着してしまう。これは、なかなか楽なのだ。
名古屋発の直行便ということで、当然飛行機の中は、名古屋人を中心とした、中部地方の人間ばかりである。冷静に考えると(考えなくても)現地パラオに突然現れる数百人の名古屋人というのは、気持ち悪い。
などとくだらないことを考えていたら、早くも機内食がでてきた。しかし、ちょっと期待はずれであった。飛行機の中は、することがないので食事にがっかりすると、とたんにやることがなくなってしまう。しょうがないのでアルコールで我慢することにする。 しかし、あまり飲まないうちに、ウトウトしてしまった。
機内放送でおきると早くも着陸態勢に入るとのこと。
直行便は、はやいのである。
直行便は、早いが入国審査は遅いのである。
そして、我々の荷物が出てくるのは、さらにはてしなく遅いのである。
はやくも、南の島ののんびりペースの洗礼を浴び、「まあ、なるようになるさ」とホテルの送迎バスに乗り込む。
同じホテルへ行く人全員の荷物が無事手元に届き、バスに乗り込んできたのは、それからさらに1時間近くが経ってからであった。 南の島の、夜は長い・・・
今回、我々が泊まったホテルは、パラオ・パシフィック・リゾート(通称PPR)。パラオでは、珍しく目の前に砂浜のあるホテルである。すべて2階建てのコテージ(風)の建物で、都会的な匂いが少ないところが、グッドである。
目の前の海は、ダイビングポイントにもなっているぐらいの魚が豊富な場所で、素潜りでもいろんな魚を見ることができる。
しかし、結局その日、部屋に入れたのは、さらに1時間以上が過ぎ、うっすらと夜が明けはじめたころであった。
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<7/20>
今日は、昼近くまで熟睡し、のんびりと朝食(兼 昼飯)を食べる。移動の疲れ&外の強烈な日差しのおかげでなかなか外に出る気にならない。
夕方ようやく浜辺にでて、少し体を動かす。いい気分だ!
1時間ほど波間にプカプカ浮かんでいたら、早くも少し背中が痛い。
夕方とはいえ、パラオの太陽光線をなめてはいけないのだ。
パラオと日本の時差は、ありがたいことに0(ゼロ)である。
そして、テレビもNHK(BS)が映るのである。そんなわけで、テレビをつけると今日のニュースが見れる。これは、日常を忘れたい私には、うれしくないのだが、我が息子は、「まいちゃん」や「おじゃるまる」が見れるのでご機嫌であった。
旅の疲れか、夕食の後に、飲もうと思って、売店で買ったビールも飲まず、早々に寝てしまった。(最近、こればっか)
あっという間に一日が過ぎる。南の島の一日は、のんびりしているがあっという間なのだ。
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<7/21>
2日目の朝である。本日は、ロックアイランドへ行くのである。
本当は、潜水艦(セミサブマリン)で泳げない息子にも海底のすばらしい景色を見せてやりたかったのだが、なんと、潜水艦が定期点検中で陸に上がっているとのこと。
どうやら本格的に到来する日本人の夏休み前に、点検を済ませてしまおう! という魂胆らしい(?)と勝手な想像をし、あきらめてロックアイランドツアーへ参加する。
最初のうちは、「うおぁ〜」と酔狂な声をあげていた息子もボートが更に加速すると、こわばった顔のまま固まってしまった。石像のように固まった息子を乗せ、20分ほど行くと目的の島が見えてきた。
途中日本軍の残した、砲台やゼロ戦の残骸などがあり、いつもこういうものを見るたび少し複雑な気分になる。
ロックアイランドも空から写した写真ばかりを見てきたせいか、少しイメージと違う気がした。それは、ともかくとして(少し人数は多いが)無人島気分というのは、なんとなくワクワクしておもしろい。
まったく人のいない島に上陸してみたいものだが、環境保護のため上陸していい島が決められているらしい。(ウミガメの産卵地を荒らさないようにらしい)
しょうがないのだ。
そのあと、2ヶ所シュノーケリングポイントに寄って、ホテルに帰ってきた。
途中から降り出した雨と、ボートのしぶきで結構ぬれて寒い。(海の中は、本当に美しくあったかいのだが)
後の2ヶ所は、深いところだったので(息子にとって)少し無理だなと思っていると、ガイドのにいちゃんが「いっしょに泳ごう!」と誘ってくれたので息子も泳ぐことができた。息子もみんなと同じことができたので上機嫌であった。(実際は、浮き輪の上で石像になっていたのだが・・・)
「恐かったか?」と聞くと「ううん」と首を横に振る。どう見ても恐がっている顔にしか見えなかったのだが、3歳児なりの男の意地があるらしい。
海からあがると、同乗(船)者が口々に「ナポレオンフィッシュを見た」と言っていた。景色(海色)に気を奪われていたのか見ることができなかった。くやしいのである。しかし、魚影の濃さは今までの経験した南の海では文句なくNO.1であった。
本日の夕食もホテルである。本当は、現地のおいしい(怪しい?)店に行きたいのだが、なんとなく面度臭くなってしまった。
夕食のときに毎日(だと思う)ショーが開催されるのだが、本日は昨日とは少し違う、ビートの効いたダンスであった。パラオ(ミクロネシア)のダンスは、ポリネシアのダンスよりスローテンポだと聞いていたのに、以前フレンチポリネシア(タヒチ)に行った際に見たダンスと似ているなあ、と思いながらダンスを観る。
夕食後にロビーに貼ってあるビラを見ると、本日のイベントのところに「ポリネシアン ダンスショー」と書かれていた。
「なめんなよ!」
ポリネシアのダンスに似てるのではなく、そのものであったのだ。これでは、熱海の温泉街で見る「ハワイアンショー」と同じである。(ちょっとちがうか)
確かに毎日「パラワン ダンスショー」では、飽きる人もいるだろう。しかし、勘違いしたまま日本に帰る人も多いんじゃないかな。現に多くの人たちが、カメラに収めてた。少し恐いな。
せめて同じミクロネシアの、キリバスとかの踊りが見れたらよかったのに・・・(それでも、東北3大祭り大集合と同じか・・・)
ブツブツ言いながら部屋に戻り、2次会を開催。本当は、ヤシ酒を一度飲んでみたいのだが、ホテルの中ではどうしようもない感じである。しょうがなく、ビールで我慢、我慢。
(本日のナイスショット!)
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<7/22>
あっという間に3日目の朝がきた。
本日は、ガラスマオの滝へ行くのだ。前日、ツアーデスクへ行って
「滝へ行きたい」と告げると、
「お子様は、何歳ですか?」と質問が、
息子が「3さい!」と元気よく答えると
「・・」(少し無言)
「お父さん、がんばれますか?」と再度質問。
いきおいで「あっ、はい」と答える。
聞くと、片道30分程度の山道があるという、まあでも昨年の沖縄でも、滝まで歩いたし、これでも10数年前の学生時代に山登りをしていたこともある。
「なんとかなるっしょ。」と妻と顔を見合わせて
「お願いします。」と申し込んだ。
ただその時に、ツアーデスクのオニーサンが電話越しに会話していた内容が少し気になった。
オニーサンは、電話の相手と 「3人お願いします。3歳のお子様がいます。」
「ええ、それは説明したんですが・・・」という会話をしていた。
想像するに電話の相手は、「おい、3歳じゃ無理だよ、大変だよって説明したか?」
などと眉をひそめてしゃべっていたに違いない。
多少の不安を抱えて、ボートに乗り込む。
パラオで一番大きい島であるバベルダオブ島は、空港のある島なのだが、ほとんど開発されていないため、島の北部にある滝へ行くのにボートで海上から接近するのだ。
昨日とは、逆方向に20分ほどボートで突っ走っていくとガラスマオ州の港に到着した。 そこは、さらにさらにさびれた港であった。港というより、コンクリートの桟橋がぽつんとあるだけの船着き場であった。
そこからさらに四輪駆動車に乗って滝に接近するのである。
そのヨンクがまたなかなかのものであった。窓ガラス(フロント!上部!)はヒビ割れ、いたるところサビていたからである。
南の島の、車はたいがいサビていることが多い。その昔、沖縄の先島の辺りで見かけたやつは、トランクに穴が空き、さらにその底にも穴が空き、つまりトランクを閉めた状態で地面が見える! という恐怖のスケルトンブルーバードを見たことがある。それには及ばないものの、窓ガラスにヒビが入っているものは、初体験なのだ。 南の島は、車もワイルドなのである。
車に乗ると、窓ガラスが割れてしまう理由を知るのに、5分とかからなかった。
南の島は、道もワイルドなのである。
本日、ツアーに参加したのは、我々2.5人のほかに、男性2名、女性3名の計7.5名である。その7.5名に加えてさらに、ガイド+運転手を乗せ、1台のおんぼろサファリは、乗員を飛び跳ねさせながら、ぐあ〜ぐあ〜と叫びながら悪路を進むのであった。
途中、全員が車(&荷台)から降り、車だけが強行突破する難所を乗り越え、ガラスマオの集落を越え、ようやく滝への登山道への入り口に到着。
そこからやっと(ついに)登山(下山?)開始である。ほとんど行く人がいない=登山道が整備されていない ということで久しぶりに獣道のようなジャングル道(?)を歩いた。
港からガラスマオの集落までの道が、車のガラスを頭で割ってしまうようなとんでもないでこぼこ道である。滝までの道が平坦であるわけがない。最初の1分ほどは、子供の手を引いて歩いていたのだが、それ以上は3歳児では「無理」であった。気合一発(というほどでもないが)16kgを抱かえて歩き始める。
心配げに親の顔を覗き込む息子に「にっ」と引きつった薄ら笑いを浮かべ、よたよたと最後尾を歩いていく。
途中、腰ぐらいまである深さの沢を横断し、熱帯林の中を歩くこと40分、目の前に落差20mを超える滝を見た時は、なかなか爽快な気分であった。
「うむ、満足、満足」とうなずきながら、滝をしばらく眺める。
しばらく滝壷で泳ぎ、ガイドのにいちゃんが持ってきてくれた弁当をほうばる。
その横で、ガイドのにいちゃんは、ビンロウチューイング。本当にパラワンは、ビンロウ好きである。昨日のロックアイランドへ行ったときの、ボートを運転していたにいちゃんも、待っている間くちゃくちゃとやっていた。
「食うか?」と(パラオ語?で)言われたが帰り道もあるし、こんなところでトリップしてもやばいので断った。(少し後悔)
ジャングルから帰還し再び車(&荷台)に乗る。途中、ガラスマオの集落で売店によるとなんと「バドワイザー」が売ってるではないか!フロントガラスにヒビが入るような道の先の集落に「バドワイザー」がある!「酒飲み、おそるべし!」である。
(本日のナイスショット!)
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<7/23、24>
とうとう最終日である。
今日は、消化試合(?)ということで、「中心街へ出てみよう!」ということになった。ホテルのフロントでタクシーを頼む。最近(10月現在)各ホテルを中心に巡回するバスのサービスが始まったらしいが、我々が訪れていた7月時点では、公共交通機関は一切なし。移動は、もっぱらタクシーを利用するしかなかった。
しばらくすると「TAK−C」と手書きされたプレートを屋根にのせた、タクシーが来た。「おまえ!本当にTAXIだろうな!」といいたくなるような怪しさである。パラオのタクシーは、メーターが無い。最初に目的地と値段の確認をするのが基本である。白タクもキムタクもへったくれもないのである。
街中のショッピングは、目新しいものも見つけれず、少し不完全燃焼であった。
それでも腹は減る。パラオの伝統料理が食べたかったのだが(結局ホテルでは、食べられなかった)中華料理の店「中国飯店」に入る。卵チャーハン、坦々冷麺(肉味噌ときゅうりののった冷麺)、豚肉のすい餃子、そしてビール!をチョイス。チャーハンが2$に対して餃子が6$もする。「高いな」と思っていると、「どか〜ん」と大量の餃子が来た。日本の餃子とラーメンの感覚で餃子を頼むとえらい目にあう。どう考えても1人分ではない。(または、パラワンが大食い)。味は、かなり本格的な中華(台湾系?)の味付けで日本で食べる中華とは一味違っていた。
結局一度もパラオ料理も食べず、ヤシ酒も飲めず、こと食事にかけては、不完全燃焼気味ではあったが時間切れである。
コロール国際空港の離陸は、AM4:30の予定。そのためホテルを出たのは、AM2:00。パラオは、深夜0:00以降の外出は禁止されているため、街中は閑散としている。
出国手続きは、子連れ優先で処理してくれるため、みんなの冷たい視線を背中に受けながら、先に出国待ちロビーで待つことにする。
「のどかわいたー」と息子。「しょうがないなー お茶にしろよ」ということで妻が烏龍茶を購入してきた。
一口飲む「うえ〜 甘い〜!」 パラオ(台湾?)産の烏龍茶の缶には、「微糖」としっかり記載されていた。
わしらの旅の最後には、やっぱり「おち」が必要らしい。
(本日のナイスショット!)
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<関連リンク>(当サイト外へのリンクです。)
・PPR(パラオパシフィックリゾート) 今回のおやどです。(日本語、オンライン予約可能なのだ)
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おわり |