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お名前: ねこねこ
皆さんこんにちは。ねこねこです。
第84回 会計学正誤問題にて、「労働協約、就業規則などに基づいて計上される
”退職給与引当金”は条件付債務に該当するため、商法 第287条の2〔引当金〕
に該当しない」となっています。
(確かに商法条文を読む限り、その様に解釈されます)
しかし実際には、”退職給与引当金”は計算書類規則・第33条の通り、
引当金の部を設けて記載するか、商法第287条の2に規定する引当金であることを
注記されてBS上に記載されています。
両者は矛盾するように思われますが、どのように解釈すればよろしいのでしょうか?
どなたかお判りの方、いらっしゃいましたらご教示下さい。
よろしくお願いします。
ではでは。
By ねこねこ
>計算書類規則 第33条(引当金の部等)
>商法第287条の2に規定する引当金は、第25条の規定にかかわらず、
>負債の部に別に引当金の部を設けて記載することができる。
>3 第1項の引当金で、引当金の部に記載しないものについては、
>商法第287条の2に規定する引当金であることを注記しなければならない。
>商法 第287条の2 〔引当金〕
> 特定の支出又は損失に備ふる為の引当金は其の営業年度の費用又は損失と
>為すことを相当とする額に限り之を貸借対照表の負債の部に計上することを得
[2001/05/17 15:50:46]
お名前: ぐれ
こんにちは、ねこねこさん
私もわかるわけではないのですが、議論の端緒にでもなればと思い
一言書かせて下さい。
商法287条の2は公正な会計慣行にもとづく引当金の計上を認め
るという積極的な趣旨に加え、留保利益を(株主総会の承認なく)
引当金として計上することにより配当可能利益を制限することを認
めないという制限的な趣旨をあわせもっております。この点では、
「退職給与引当金」は問題となりません。
他方で、287条の2は引当金の計上を義務づけておらず、ここか
ら、法的債務(すなわち計上すべき負債)は287条の2の引当金
ではないと解釈されます。この点で「条件付債務である退職給与引
当金」が引当金ではなく負債として計上されるべきとの考え方が採
られます。
ここからねこねこさんの疑問、すなわち、実務上「労働協約、就業
規則などに基づいて計上される『退職給与引当金』」が負債ではな
く引当金として計上ないし注記されることが、計書規違反ではない
のか、という疑問につながるのではないかと思われます。
私は実務上どのような注記がなされているのか存じておらず、たん
なる推測なのですが、法的債務に当たるかどうかが労働協約等から
は実際にはそれほど明確にはできないのではないか、そこで、より
多くの情報を提供するという観点から、貸借対照表能力の弱さ(商
法の容認により初めて貸借対照表能力が認められる)を注記により
表示するという安全策を採っているのではないかと考えます。
諸賢のご意見をうかがいたいと思います。
[2001/05/17 21:53:34]
お名前: Lei
商法287条ノ2の引当金
内容:公正な会計慣行により妥当とされる非債務性の引当金を、負債として計上できるように
「特別に」規定したもの。債務性の引当金は当然に負債の部に計上されるのが前提。
趣旨:改正以前、利益留保性の引当金の設定・取崩による利益操作が頻発
よって、利益留保性の引当金を排除すると同時に、非債務性の引当金を明文で認めた。
前提となる「退職給付引当金」れっきとした債務のため、当然に負債計上されるでしょう。
また、いわゆる「商法の引当金」は債務でない引当金の計上を、妥協的に見とめたもので、
修繕引当金や債務保証損失引当金など独特なものです。
かつて、僕もねこさん同様の疑問を持ちましたが、33条の規定が「25条にかかわらず〜
記載する事ができる」とあったので、287ノ2でいう引当金が、すべての引当金についていった
のではないと納得できました。ぐれさんが改正の経緯も含めた視点から説明があったので、
それにも触れて書いてみました。
[2001/05/18 11:39:06]
お名前: ねこねこ
ぐれさん、Leiさん、RESありがとうございます。
と言う事は、企業会計原則注解18に列記してある・・・
「製品保証引当金、売上割戻引当金、返品調整引当金、賞与引当金、工事補償引当金、
退職給与引当金、修繕引当金、特別修繕引当金、債務保証損失引当金、損害補償損失引当金、
貸倒引当金等」
の内、修繕引当金/特別修繕引当金/債務保証損失引当金/損害補償損失引当金
は非債務性の引当金のため、本来であれば負債欄には表示できないが、商298ノ2で
特に認めている引当金ゆえ、引当金の部又は負債欄に注記して表示が出来る。
それ以外の引当金は、条件付債務の為、当然に負債欄に表示。
(注記は不要だし、引当金の部に表示することもできない)
と考えればよろしいですね。
商法287ノ2 の趣旨までも理解できた気がします。
本当にありがとうございました。
ではでは。
By ねこねこ
[2001/05/18 16:25:41]
お名前: 通行人
こんにちは、ねこねこさん。
>しかし実際には、”退職給与引当金”は計算書類規則・第33条の通り、
>引当金の部を設けて記載するか、商法第287条の2に規定する引当金であることを
>注記されてBS上に記載されています。
>両者は矛盾するように思われますが、どのように解釈すればよろしいのでしょうか?
もう一度、注記をよ〜っく見て下さい。ひょっとして、「退職給与引当金に含まれる
役員の退職給与引当金」又は「役員退職慰労引当金」となってはいませんか?
役員の退職給与は、(勤務期間を通じた)労働の対価であるかが必ずしも明確ではあ
りません。そのため、「役員の退職給与引当金(役員退職慰労引当金)」は債務性を
持たず、商法第287条の2に規定する引当金に該当することになります。
それでは。
[2001/05/28 03:31:17]
お名前: ぐれ
こんにちは、通行人さん
とても勉強になりました。お礼を申したくて書いてしまいました。
ありがとうございます。
ちょうど役員退職慰労金関係で苦杯をなめた後だったりもしまし
て。。。。
今後ともよろしくお願いいたします
[2001/05/28 10:14:27]
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