こんにちは、ち-こさん
お書きになった文章からは、何が起こったのか、少し把握しづらいので、いくつかの例に
分けて考えてみたいと思います。まず、フランチャイズ契約においては、通常、最初に営
業保証金を受け入れていますから、フランチャイザー側では、以下のような処理を行って
いるのではないかと思います。預り保証金(受入保証金)はいずれ返還するので負債です。
(借)現金預金 ××× (貸)預り保証金 ×××
1.フランチャイジーに売り上げた原料の代金が回収できなくなった
フランチャイジーに原料を掛けで売り上げた際には、
(借)売掛金 ××× (貸)売上 ×××
としています。売掛金が回収できない事情が生じた場合、まずは受入保証金をその代金に
充当するでしょう。つまり、本来返還するはずだった債務をもって、売掛債権と相殺して
いることになります。いずれにしても、保証金を「充当」していますから、貸し倒れては
いないです。その分は回収できたことになります。
(借)受入保証金 ××× (貸)売掛金 ×××
それでも足りない部分があれば、これは貸倒損失となります。貸倒償却という科目を使う
こともあります。
(借)貸倒損失 ××× (貸)売掛金 ×××
2.ロヤルティの未収分が回収できなくなった
代金が回収できなくなったのと同じです。ロヤルティという収益を支払期限が到来するた
びに認識しているのであれば、たとえば、
(借)ロヤルティ未収金××× (貸)受入ロヤルティ ×××
などの処理を行っていることと思います。この未収金部分が上の売掛金に該当します。科
目名はよくわかりませんので、例にすぎません。ロヤルティ未収金も売掛金と同じく、営
業によって生じた金銭債権ですから、売掛金と同じように処理します。
他方、ロヤルティについて、実際に回収するまでは収益を認識していなかったのであれば、
ロヤルティ未収金のようなものを計上していないわけですから、まずは受入保証金をロヤ
ルティに充当します。
(借)受入保証金 ××× (貸)受入ロヤルティ ×××
それでも足りない部分については、そもそも収益たる受入ロヤルティを計上していないの
で、費用を計上する必要はありません。収益が発生しなかっただけのことです。
3.フランチャイジーの離脱により、損害賠償金が発生した
この場合は、貸方に損害賠償による収益を計上します。まずは受入保証金をこれに充当し、
不足の分は未収金として計上します。これも科目は仮設的なものです。
(借)受入保証金 ××× (貸)受入損害賠償金 ×××
未収金 ×××
ここまで、受入保証金をほいほいと充当してきましたが、預かっている保証金を充当でき
る範囲については契約で定めているはずなので、それを超えて充当することはできません。
超える分は、フランチャイジーに返還しなくてはならないはずです。また、損害賠償金や
ロヤルティについても、これがいついかなる額で発生するのかは、契約に定められている
はずなので、これに従います。上で書いたことは、実際にこれらが発生したときには、こ
ういう感じで処理すればいかがでしょう、というほどのことです。念のため。
[2001/08/18 09:30:44]