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お名前： つぶやきゴロー
合併会計で繰延資産はなぜに切り捨てられるのですか。
切り捨てられた額は合併後にどうなってしまうのですか。
どなたか教えてください。
[2001/08/27 14:54:23]
お名前： かちゅき
つぶやきゴローさん、こんばんは。
＞合併会計で繰延資産はなぜに切り捨てられるのですか。
合併の考え方として、現物出資説と人格合一説の２つがありますが、つぶやきゴローさん
がいわれてるのは現物出資説のほうですね。
現物出資説とは、合併会社が被合併会社の株主から財産（ここ注意！）の現物による出資
を受け、それに対して株式を交付するという合併の考え方です。
繰延資産は資産であっても財産ではないので現物出資説の場合は切り捨てられます。
＞切り捨てられた額は合併後にどうなってしまうのですか。
未処分利益×××／繰延資産×××という処理を行い、未処分利益を減少させ
ます（この処理は合併比率計算の前に行う）。
ここまでの説明はあくまでも現物出資説のもので、人格合一説にはあてはまり
ません（人格合一説の場合は繰延資産も引継ぎ、そのほかにも資産・負債は
帳簿価額で評価する等現物出資説とは異なる処理を行う）。
こんなところでいかがでしょうか？
[2001/08/27 23:00:09]
お名前： あな
こんにちは。
水を差すような感じで申し訳ないのですが、
かちゅきさんのご指摘にちょっと気になるところがあったので
レスさせていただきます。
＞＞切り捨てられた額は合併後にどうなってしまうのですか。
＞未処分利益×××／繰延資産×××という処理を行い、未処分利益を減少させ
＞ます（この処理は合併比率計算の前に行う）。
現物出資説による仕訳を切る場合、
合併引継ぎ仕訳時に繰延資産などの計算擬制的な資産は引き継ぎませんが、
それらの項目について合併に先立って未処分利益相手に修正仕訳は行いませんよね？
未処分利益相手に修正仕訳を行うのは、
合併に先立って被合併会社の個別財務諸表を修正する場合です。
（貸倒引当金の設定率を合併会社と同率にするため、貸引の追加計上をする 等）
このあたりの話は結構混乱しやすいので、
お持ちのテキストなどで再度ご確認されてはいかがでしょうか？
[2001/08/30 08:29:54]
お名前： かちゅき
あなさん、こんにちは。
僕の書き方が悪く申し訳ありません。
＞＞切り捨てられた額は合併後にどうなってしまうのですか。
＞未処分利益×××／繰延資産×××という処理を行い、未処分利益を減少させ
＞ます（この処理は合併比率計算の前に行う）。
この処理は合併後ではなく、括弧内に書いているように合併に先立って被合併会社
の個別財務諸表を修正するという意味で書いております。
＞それらの項目について合併に先立って未処分利益相手に修正仕訳は行いませんよね？
繰延資産を切り捨てるときは、合併に先立って被合併会社の個別財務諸表を修正（未処分
利益相手に）すると思うのですが．．
[2001/08/30 13:24:47]
お名前： あな
こんばんは。
かちゅきさん、私の方こそ言葉足らずで申し訳ありません。
場合分けするのを忘れていました。
問題文に「合併に‘先立って’〜」という指示があった場合にのみ
未処分利益相手に修正仕訳を行います。
（未処分利益）×××（繰延資産）×××
この指示がない場合には、単に引継仕訳時に公正評価額で受けいれるだけです。
ひょっとして日商ベースでは処理が違うのかなとも思いましたが、
大原のパワーアップ問題集で確認してみたところ、
やはりこの指示の有無で適宜場合分けしているようです。
[2001/09/01 23:11:55]
お名前： かちゅき
こんにちは。
あなさん、わざわざ確認していただきありがとうございました。
疑問に思うところがあるので質問させてください。
僕が日商１級を取得したときはＴ○Ｃのとおるテキストを使ったのですが、それによると
合併の手順として、�仝鎚味臓殖咾僚だ機焚畴�度の修正、評価替等）��企業評価額の算定
�９臺使耄┐侶萃雖じ鯢娚�式数の決定�チ�加資本金の決定��合併後Ｂ／Ｓの作成となって
おります。
この手順でいくと、問題文に「合併に‘先立って’〜」という指示があろうがなかろうが
合併比率の計算前に個別Ｂ／Ｓの修正（繰延資産の処理を含む）が必要だと思うのですが。
＞この指示がない場合には、単に引継仕訳時に公正評価額で受けいれるだけです。
ちなみに上記のような処理を行う場合、企業評価額の算定の際、資産は繰延資産を含んだ
帳簿価額で行うのですか？そうであるなら現物出資説の考えに反すると思うのですが。
このへんが疑問点です。
お時間があれば教えて下さい。
よろしくお願いします。
[2001/09/02 16:03:44]
お名前： ぐれ
ＵＲＬ
こんにちは、つぶやきゴローさん、かちゅきさん、あなさん
合併の際に、個別財務諸表を修正した合併時貸借対照表を作成することは法的な要請では
ありません。ただし、合併比率についての説明書は作成の必要があります。すなわち、合
併比率を計算するにあたっては、そのための貸借対照表を作成する場合は帳簿上の、そう
でない場合は帳簿外の、個別貸借対照表修正仕訳が必要になります。合併受入仕訳と個別
貸借対照表のずれは、やはり何らかの形で仕訳処理がなされていると考えるのが自然でしょ
う。
通常、純粋に「××説による合併の仕訳をせよ」という問題は考えにくいです。なぜなら
学説には多様な分岐があり、誰もが「××説とはこういう内容である」という合意が得ら
れないからです。そこで、「合併に先立ってこれこれの修正をせよ」という指示が与えら
れることになります。しかし、「××説による」という指示がもし与えられるなら、それ
は、「合併に先立ってこれこれの修正をせよ」という指示を内包したものになります。
そもそも繰延資産は、既に費消された財貨であり、これを繰り延べているのは、その効果
が将来にわたって発現すると期待されているからです。会計的には、合併後もその効果が
将来発現すると期待されるときには引き継ぐでしょうし、そうでないなら、切り捨てるこ
とになりましょう。
合併を厳格に現物出資と考えるならば、既に費消された財貨である（従って換金価値のな
い資産である）繰延資産を引き継ぐことは、合併会社側の債権者にとっては許し難いこと
となり、当然切り捨てるべきという結論になるのも頷けます。
いずれにしても、合併会社と被合併会社の間の議論により決まることであり、理論的な両
極の間には無限の可能性があります。そして修正が必要な場合には、帳簿上か帳簿外の修
正が行われることになりましょう。
[2001/09/02 21:43:00]
お名前： かちゅき
ぐれさん、こんばんは。
丁寧かつ明確な回答ありがとうございました。
大変勉強になりました。
（あれっ？最初の質問者は僕じゃないぞ！）
[2001/09/02 23:10:58]
お名前： つぶやきゴロー
かちゅきさん、あなさん、ぐれさん、こんにちは。
遅れ馳せながら‘最初の質問者’つぶやきゴローです。
初心者には一つ一つの説明は少し難解でしたが、全て読んでよく分かった気になっています。
かちゅきさん、あなさん、たくさんの書き込みありがとうございます。（ゴローね、うっ、うれしいね）
まず、重要な事は「繰延資産は資産であっても財産ではない」ということ、
そして、「問題文に切り捨てる様に指示があれば、未処分利益を減らす」
ただし、「合併後もその効果が将来にわたって発現すると期待される時は引き継ぐべきであり」
同じく、「人格合一説の場合にも引き継ぐ」という理解でよさそうですね。
ぐれさん、総括ありがとうございます。
テキストでは知ることの出来ない貴重な裏知識を得ることができました。
それにしても、ぐれさんの解説の奥深さと明快さには、いつも感嘆させられます。
[2001/09/03 15:08:46]
お名前： つぶやきゴロー
ショック。ショッキングね。
今ね、ＴＡＣの「Ｖ倶楽部」ってサイト行ったのね。
したらね、なんと９８回で合併出題されてたね。
９９回じゃあ絶対出題ないね。
ずっと出てないから次回あたり出るとふんでたのね。
焦って過去問７月に買ったからね、９８回付いてなかったんだよね。
だから、今知ったのね。あー、ショックだよね。
[2001/09/03 16:24:36]
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