記事タイトル:仕損の仕訳 


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お名前: とめたろう   
みなさんこんばんわ。
下記の基本的な質問ですが、仕訳を教えてください。
勘定記入の問題で、仕損品・異常仕損費などの金額が出せません。

標準原価データ
 
材料          @750×  4kg  =  3000
変動加工費    @400×  2h  =    800
固定加工費    @600×  2h  =  1200
                                ーーーーーーー
1個あたりの正味標準製造原価         5000
正常仕損費(5000−500)×0.02=   90
1個あたりの総標準製造原価           5090

この問題はパーシャルプランで、仕損品は1個あたり500の正味売却価値があります。

仕掛品の勘定記入の問題なんですが、貸方に仕掛品正味売却価値40000、異常仕損費
144000となっています。数量は正常仕損48  異常仕損32 どちらも終点発生で
正常は異常に負担させないということです。

素人で、変な質問ですが、仕訳がわかりません。どなたか助けてください。
宜しくお願い致します。
[2001/10/02 20:09:17]

お名前: ぐれ    URL
こんにちは、とめたろうさん

1.原価標準(非度外視法)

この設問においては、原価標準の作り方に特色があります。ここでは完成品原価は、材料
費、変動加工費、固定加工費、そして正常仕損費の4種類の原価をもって構成されている
と考えられています。さらに、完成品100個について2個の正常仕損品が生じることも
わかります。このように正常仕損費をきっちり区別する方法で原価標準を作ることを、標
準原価計算において非度外視法的方法を取っているということがあります。

ここで、正常仕損品が48個であるならば、完成品は

 完成品の個数=48個÷0.02=2,400個

あることになります。全部で仕損品が80個生じているので、48個が正常、32個が異
常ということでもあります。

完成品原価は、仕損費を含めないなら5,000円、仕損費を含めるなら5,090円と
いうことになります。仕損費を負担しないものの原価は5,000円であることもわかり
ます。

2.仕損品評価額の扱い

正常であろうと異常であろうと、仕損費とは仕損品を製造するのにかかった原価から仕損
品の評価額を引いた純額で考えることになります。全部で仕損品が80個ありますから、
その評価額は、

 全部の仕損品の評価額=500円/個×80個=40,000円

です。

さて、パーシャルプランの仕掛品勘定を思い浮かべていただきますと、借方には材料費、
変動加工費、固定加工費の実際発生額が記入されているでしょう。さっき、原価は4種類
からなると書きましたが、仕損費の実際発生額はどうなっているのでしょう。

材料費や加工費は当期に実際に使ったものですが、そのなかには当期に「仕損品を作る」
のにかかったコスト、すなわち「仕損品を製造するのにかかった原価」がこみこみで含ま
れてしまっています。したがって、ここから仕損品評価額を差し引いてやれば、分別こそ
されていないものの、当期に発生した4種類の原価が借方に集計されたことになります。

ただ、勘定記入ではマイナス計算ができないので、貸方に仕損品評価額を記入することに
より、実際発生額の集計を完結させます。つまり、期首期末の仕掛品を無視すれば、

     仕 掛 品 勘 定
 ┏━━━━━━━┯━━━━━━━┓ 
 ┃///////│//評価額//┃ 
 ┃//材料費//┣━━━━━━━┫ 
 ┃///////┃       │ 
 ┠───────┨       │ 
 ┃///////┃ 完成品原価 │ 
 ┃/変動加工費/┃       │ 
 ┃///////┃       │ 
 ┠───────┨       │ 
 ┃/固定加工費/┃ 異常仕損費 │ 
 ┃///////┃       │ 
 ┗━━━━━━━┻───────┘ 
 
この斜線を引いた部分が、当期の実際発生額ということになります。実際に処分したので
はなく、評価しただけならば、評価額については仕掛品勘定から「仕損品」勘定(これは
それなりに価値のある資産の勘定ですね)に振り替えるわけです。勘定名はなんでも良い
です。それこそ仕損品評価額勘定というのを作ってもOKです。どっちにしても資産とい
うことになります。

(借)仕損品 40,000 (貸)仕掛品 40,000

実際に現金で処分したのであれば、

(借)現金  40,000 (貸)仕掛品 40,000

ということもありましょう。

ここまでで実際発生額の集計が終わりました。

3.完成品原価

完成品は2,400個あり、48個分の正常仕損費を負担します。既に書いたように、設
問の原価標準において、完成品の原価は仕損費を含めると1個当たり5,090円です。
ですから、

 完成品原価=5,090円/個×2,400個=12,216,000円

であるわけです。もちろん、これを分解して考えても結構です。つまり、

 仕損費以外の完成品原価:5,000円×2,400個=12,000,000円
+完成品が負担する正常 :5,000円×   48個=   240,000円
 仕損品の製造原価
−正常仕損品の評価額  :  500円×   48個=    24,000円
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 完成品原価      :              12,216,000円

なんです。こんなことをしなくても良いように原価標準が作られているのですから、それ
を使えばとても簡単ですね。完成品原価は製品に振り替えます。この仕訳は良いですね。

4.異常仕損費

異常仕損費も仕損費ですから、異常仕損品を作るのにかかった原価−異常仕損品の評価額
で計算されます。つまり、

 異常仕損費=(5,000円/個×32個)−(500円/個×32個)
      =144,000円

です。正常仕損費を負担しないとの指示がありますから、異常仕損品を作るのにかかった
原価を計算するのに使う単価は5,090円ではなくて5,000円です。異常仕損費は
非原価ですので、特別損失に振り替えます。

(借)異常仕損費 144,000 (貸)仕掛品   144,000
   ↑特別損失


あとは原価差異を計算して勘定記入するだけです。
[2001/10/03 10:08:37]

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