どちらも正しいです。
市場販売目的のソフトウェアは、その製品マスターの制作過程において、研究開発に該当
する部分と販売することが決定された製品マスターの製造に該当する部分に分けられます。
研究開発費等に係る会計基準の設定に関する意見書(企業会計審議会)には、
「販売の意思が明らかにされた製品マスター・・(中略)・・が完成するまでの制作活動が
研究開発と考えられる。」と書かれています。
例えば、まずプロトタイプが制作されます。この時点では、失敗におわるかもしれません
ので、将来の収益を獲得できるか否か不明です。したがってここまでの制作費は研究開発費
として費用計上されます。
次に、プロトタイプを改良してマスタータイプが制作されます。ここまでの制作費も研究開
発費として費用計上されます。なぜならやはり失敗におわったかもしれず、将来の収益を獲得
できるか否か不明だったからです。
このマスタータイプの制作完了までが、上記意見書の「販売の意思が明らかにされた製品マ
スター・・(中略)・・が完成するまで」に該当します。マスタータイプの完成はそのマスター
タイプを利用して製品を販売することが明らかにされたことを意味し、将来の収益獲得がここ
で確実となるわけです。
その後マスタータイプを改良・強化して正規版が完成します。この過程における制作費が
資産になります(著しい改良、つまり研究開発は除きます)。なぜなら将来の収益獲得が確実
となっているからです。また、将来の収益を実現させる費用(マスタータイプ〜正規版の制
作費)は当然その将来の収益と対応するはずだからです。無形固定資産とされるのは、マスター
自体が販売されるのではなく、それを利用することで製品を製造することや、法的権利(著作
権)を有していること等によります。
最後に正規版を複写して製品を製造して販売します。
[2002/02/23 01:17:53]