記事タイトル:製造間接費実査法変動予算 


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お名前: のんちゃんのパパ   
申し訳ありませんが、どなたかお教え願います。
初歩的な質問で大変申し訳ないのですが
製造間接費の差異分析で、
実査法変動予算の時の計算方法が
なぜそうなるのか全く判りません。
具体的には以下の問題がなぜそうなるのか
理解できません。

(問題)(間接費の部分だけ抜粋)
当期の製造間接費予算差異、操業度差異を
計算しなさい。なお当社は実査法による正常配賦を
行っている。
当期の間接費に関するデータは下記の通り。

1、基準操業度 1500h
2、実際操業度 1419h
3、実査法による変動予算
  1350h  4,387,500円
  1500h  4,530,000円 
4、間接費実際発生額 4,378,180円

(解答)
予算差異   : 74,870円(借方差異)
操業度差異  : 167,670円(貸方差異)
製造間接費差異: 92,800円(貸方差異)
(計算)
 1350hから1500h迄の変動費率:(4,530,000−4,387,500)÷(1500h-1350h)
                 =950円/h
 基準操業度における間接費予算:4,387,500+(1419h-1350h)x950
                 =4,453,050
 (ここまでは何とか判ります)
 
 ∴予算差異   :4,453,050−4,378,180=-74,870
          (予算額-実際発生額=総差異では????)
 ∴操業度差異  :4,530,000÷1500hx1419h−4,453,050=167,670
          (基準操業度における配賦予定額-予算額=操業度差異???)
 ∴製造間接費差異:-74,870+167,670=92,800

大変申し訳ありません。差異分析計算の理論が全く判りません。どなたか
ご教授ねがえませんでしょうか。       
[2001/01/25 11:45:08]

お名前: Holy   
実査法変動予算では、特定の操業度における「予算許容額」をあらかじめ計算しておきます。
それが、1350h  4,387,500円  1500h  4,530,000円  です。
したがって、この中には、固定費総額、および上記の各操業度での変動費が含まれています。
予定配賦額ではないので、固定費の総額が含まれていますので注意してください。

この金額は予定配賦率に操業度をかけて求める予算とは異なり、その操業度での発生額を実際に調査(=実査)しているので、とっても正確な数値です。

しかし、すべての操業度について発生額を実査するのは非常に煩雑で事実上不可能です。
そのため、たとえば実際操業度が1419hならば、1350h〜1500hの間で、
おおよその数値を算定することになります。

その際、(4,530,000−4,387,500)÷(1500h-1350h)=950円/h を用います。
これは、公式法変動予算における変動費率とは異なります。
なぜなら、実査法では、実査された予算許容額の間での変動額のみしかわからないからです。
そのため、この 950円/h は補間率と呼ばれます。
公式法変動予算での変動費の求め方と同様に解釈すれば、
1350hの点を0h、1500hの点を150hと考えたときの 0h〜150h の間では、950円/hで金額が変動することになります。
実際の計算はかかれているとおりです。

さて、本題の差異分析ですが、
「予算差異=実際操業度における予算許容額−実際発生額」でもとめられます。
実際操業度における予算許容額は、4,387,500円+69h×950円/h=4,453,050円 ですね。
だから、これから実際発生額4,378,180円を引けば予算差異がでてきます。

次に、「操業度差異=予定配賦額−実際操業度における予算許容額」でもとめられます。
公式法変動予算の場合、固定費率×(実際操業度−基準操業度)で求めるのが一般的ですが、
差異分析図を書いていただければ、上の式の意味がわかると思います。
公式法変動予算であればこんな面倒なことをしなくてもよいのですが、
実査法変動予算では変動費と固定費が合わさって図解されるため、この式が必要になります。
ちなみに、予定配賦率は
基準操業度 1500h、実査法による変動予算 1500h 4,530,000円 より、
 4,530,000円÷1500h=3020円/h がもとまります。

これを式に当てはめて計算すると、
(実際操業度1419hでの)予定配賦額 1419h×3020円/h=4,285,380円
 実際操業度における予算許容額            4,453,050円
 この差が 167,670円(不利差異)の操業度差異となります。

製造間接費差異(総差異)は「予定配賦額−実際発生額」でもとめられるので、
 4,285,380円−4,378,180円=92800円(不利差異) と計算されますし、
または、予算差異と操業度差異の合計で求めてもかまいません。

回りくどい説明になりましたが、実査法は確かにわかりにくいので、図の意味を理解し、
差異分析は公式法のときを想定して行えば、間違えにくいと思います。
[2001/01/25 12:36:59]

お名前: のんちゃんのパパ   
Holyさん、早々の回答大変有難うございました。
非常に詳しく解説頂き本当に感謝致しております。
Holyさんの解説を読ませて頂いた後に
参考書の実査法の差異分析図の書き方のところを
勉強しましたら、何とか理解出来ました。
ところで、上記の私の書きこみですが
後で見なおししてみたら
借方と貸方、+と-を全く逆に書いていました。
会社の休憩時間に大急ぎで書きこんだので
訳の判らない内容になってしまいました。
その点もフォロー頂き有難うございました。
[2001/01/26 07:09:03]

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