記事タイトル:部門別計算 


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お名前: ホイス   
こんにちは。
質問があるのでお願いします。
製造間接費の部門別計算で予定配賦の場合に
補助部門費を用益提供量の合計で割って、
これにそれぞれの用役提供を掛けて製造部門費を求めます。
実際発生額の時に同じ数字(予定)を掛けます。
この理由が分からないのです。
実際発生額の場合、実際用益提供量で計算しなくていいのですか。

テキストはとおるテキスト117ページの7.9円/kwhです。
どうかよろしくお願いします。
[2001/10/02 20:13:36]

お名前: ぐれ    URL
こんにちは、ホイスさん

補助部門費を製造部門に配賦した後の製造部門費(部門ごとの製造間接費)を製品に配賦
するに当たり、予定配賦している場合には、補助部門費を製造部門に実際配賦する方法と
予定配賦する方法があります。予定配賦率をかけているのは予定配賦する方法です。

実際配賦した場合(実際発生額を実際用役提供量でわった配賦率で配賦した場合)、第一
に、補助部門における原価管理活動の良否の影響が製造部門に対する配賦額に混入します。
たとえば、補助部門が無駄づかいをしまくって実際配賦額が大きくなれば、まるで配賦さ
れた製造部門が無駄づかいをしたかのように見えます。これはおかしいので、補助部門の
無駄づかい(あるいは逆に節約の成果)を分離して原価差異として把握したいわけです。
第二に、特定の部門に対する実際配賦額は、他の製造部門における補助部門用益消費量の
大小に左右されてしまいます。つまり、ひとつの部門がまったく同じ電気を使っているの
に、他の部門がまったく仕事をしなかったために、なんと補助部門費の全額を負担するの
はおかしいのですが、実際配賦ではこうしたことが起こります。

そこで、補助部門費予算額を予定される用役提供量でわった予定配賦率でもって、補助部
門費を製造部門に配賦します。この結果、補助部門の原価差異が把握され、補助部門の原
価管理活動に役立てることができるし、他の製造部門の操業度(用役消費量)の大小にも
影響されなくなるわけです。
[2001/10/03 10:07:46]

お名前: ホイス   
ぐれさんありがとうございます。
完全に理解してからお返事を書きたかったのですが、今の自分の学力ではいつになるか分かりません。
というわけでとりあえずのお返事を書きました。

解説で理解できたのは、実際用役提供量で計算すると製造部門にとって不都合が生じるということです。
最後の「補助部門費予算額を予定される用役提供量で割った予定配賦率で計算すると補助部門の原価差異が把握できる」
これは第一の理由と同じ事を別の形で表現しているだけですよね。たぶん。

あまりイメージできなかったのが、第二の「ひとつの部門がまったく同じ電気を使っているのに、
ほかの部門がまたっく仕事をしなかったために、なんと補助部門費の全額を負担するのはおかしいのですが、
実際配賦ではこうしたことが起こります。」の説明です。
とおるテキストも読みながら考えたのですが分かりません。
ここのところをもう一度教えていただけないでしょうか。
たびたびで恐縮ですが、どうかよろしくお願いします。
[2001/10/04 12:03:08]

お名前: ぐれ    URL
こんにちは、ホイスさん

A製造部門とB製造部門の2つの製造部門があると考えてみて下さい。補助部門としては
動力部門1つです。動力部門はA製造部門とB製造部門に動力を提供しています。動力部
門のコストを見ますと、1キロワットについて10円の変動費が発生し、また、200円
の固定費があります。

1月に両部門が使った電気は10キロワットでした。内訳は次の通りです。

 A製造部門 5キロワット
 B製造部門 5キロワット

動力部門はお行儀よく予定通りの原価で電気を作って両部門に供給しました。すると、1
月の動力部門の部門費は、次のようになりますね。

 1月の動力部門の部門費=変動費10キロワット×10円+固定費200円=300円

これをAB両製造部門に実際配賦してみましょう。

 A製造部門への実際配賦額=(300円÷10キロワット)×5キロワット=150円
 B製造部門への実際配賦額=(300円÷10キロワット)×5キロワット=150円

さて、2月になりました。驚くべきことにB製造部門はまったく仕事をしませんでしたの
で、電気も使いませんでした。みんなで遊びに行っていたのでしょう。2月の電気使用量
は次の通りです。A製造部門は1月と同じように働いて、電気も使いました。

 A製造部門 5キロワット
 B製造部門 0キロワット

動力部門はいつものようにお行儀よく予定通りの原価で電気を作りました。

 2月の動力部門の部門費=変動費5キロワット×10円+固定費200円=250円

これをAB両製造部門に実際配賦してみましょう。

 A製造部門への実際配賦額=(250円÷5キロワット)×5キロワット=250円
 B製造部門への実際配賦額=(250円÷5キロワット)×0キロワット=  0円

B製造部門にしてみれば、「電気使わなかったんだからこれでOK」なんでしょうけど、
A製造部門にしてみたらどうでしょう。「1月と同じ電気量を使っただけなのに、なんで
負担させられる電気代(A部門からしたら動力部門費の配賦額は電気代みたいに見えるわ
けです)が増えるんだ!!」ということになりませんか?

もちろんB製造部門が1か月も遊んでいたからなのです。ただ、そのさらに背景には、動
力部門に固定費があって、これを配賦しなくてはならないという理由があります。動力部
門費が変動費だけで成り立っていたら、1月の動力部門費は100円、A部門への配賦額
は50円、2月の動力部門費は50円、A部門への配賦額も50円で、不満は出なかった
はずですね。

さて、これを予算上で、ABともに5キロワットずつ使うはずだ、ということを計画して
おいて、予定配賦率を使ってみたらどうでしょうか。予定配賦率は、

 300円÷10キロワット=30円/キロワット

ですから、これを使って、「補助部門費の製造部門への予定配賦」をしてあげれば、A製
造部門への2月の配賦額は、

 30円×5キロワット=150円

となり、A製造部門は大満足です。


ところで、お気づきになったと思いますが、これでもB製造部門への配賦額は、

 30円×0キロワット=0円

です。でも動力部門は2月に250円確かに使いました。残りの100円はどこに行って
しまうのでしょうか??これは動力部門の配賦差異として把握されます。でも、これでは
なんだか動力部門が悪いみたいですね。動力部門は毎月お行儀よく計画通りのコストで電
気を作っているのに。。。

これを解決する方法は「複数基準配賦法」というものです。これはまた別のおはなしなの
で、いずれは学ばれると思います。
[2001/10/05 07:54:43]

お名前: ホイス   
ぐれさんありがとうございました。
理解力に乏しい自分の頭でも一読しただけで理解できました。
この説明ならば小学4年生でも理解できますね。たぶん。

私が原価計算で一番手を焼いていたのが予定と実際についてです。
予定配賦率を使うとどこで、どんな差異がでるのかが理解できなかったのです。
今回のぐれさんの説明で、その辺りの疑問を解決する大きなヒントが得られたと思います。
本当に助かりました。ありがとうございました。
[2001/10/05 17:55:01]

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