記事タイトル:引当金の設定論拠 


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お名前: 0701   
はじめまして。ただいま財務諸表論を勉強中ですが、分からないことが出てきまして悩んでい
ます。
引当金の設定論拠を費用収益対応の原則に求める場合なのですが、テキストには「財貨・用
役の費消及び支出又は支払義務の確定が将来にあるとしても、それに関連する収益が当期に
実現する場合には、かかる収益に対応した費用を当期に認識することになる。このような費用
を認識するために引当金は設定される」とあるのですが、しかし、たとえば下記の例を挙げ
ると、どうも良く分からなくなるのです。

たとえば、当社がある設備を保有しているとして、この設備は5年ごとに大修繕を行うため、
その際の修繕費に対して特別修繕引当金を設定するものとします。そこで、

当期;設備の使用により設備が傷む→修繕という経済的価値減少の原因が発生→当期に引当金
   繰入額を認識する必要がある。

次期;設備の修繕を行い財貨又は用役の費消が生じる→修繕という経済的価値減少が実際に
   発生。

とすると、今まで私も簿記の処理では当然に当期に引当金を計上していましたが、今回、良く
考えてみると、上に書いたような、引当金の設定論拠を費用収益対応の原則に拠ることでは、
説明ができないのではないでしょうか?
「財貨・用役の費消及び支出又は支払義務の確定が将来にある」とは、ここでは次期の修繕
費を指しているのだと思うのですが、「それに関連する収益が当期に発生する」とは、具体
的にどのような収益が当期に発生するのでしょうか?そのようなことは、どうも起こりえな
いように思われるのですが……。
原因発生主義を持ち出せば、上の例も簡単に説明できますが、費用収益対応の原則では無理が
あるように思うのです。
あるいは私の考え方がおかしいのか、それとも例がまずかったのか分かりませんが、どなたか
助けていただけないでしょうか?よろしくお願いいたします。
[2001/06/16 03:16:24]

お名前: 書いてみたかっただけの者   
勉強道具一式、貸ロッカーにぶちこんでるので、手元に財表のテキストが無
いのが痛いところではありますが(笑) 誤字脱字がもしあればご容赦を。
(ちなみに、日商の方はこんな話知らなくてヨシだと思います。)





お話を読む限り、引当金をそのように解釈していると、仮に原因発生主義を
持ち出したとしても、上の例を説明することは難しいのではないか、と思う
のは私だけでしょうか^^;

設備を使用すれば、通常確かに設備は痛みます。これをその設備の経済的価
値の減少と捉えるのはおっしゃる通りだと思うのですが、しかしこの経済的
価値の減少は、まずは「減価償却費」として毎期把握され、それがその期に
獲得された収益に対応させられます。
(こんなことはご存じなのは承知の上であえて述べてます。話の流れとして^^;)

しかし、5年後に大修繕を行わないと、その設備がその後稼働できないとい
うのであれば、それは毎期計上している減価償却費が、「減価償却費として
は妥当な金額」だとしても、「収益と対応させられるべき費用としては過小」
であることを意味していると考えます。

そこで、5年ごとに大修繕を行うことで、初めて設備の取得原価を耐用年数
に渡ってきちっと償却できることになります(そうでないと、耐用年数が到
来する前にその設備はイカれてしまうことになりますから、減価償却を耐用
年数到来時まで続ける合理的理由がなくなると考えます)。

とするなら、大修繕に要する費用は、毎期の減価償却が、収益と対応させら
れるべき費用としては過小であるので、当然「どこかの期間」には計上すべ
きものとなります。

但し、それを大修繕を行った期に一時に計上するのではなく、そもそも毎期
の減価償却が、収益と対応させられるべき費用としては過小となっていると
いうことで、だったらその大修繕費も、その収益から見れば過小に計上され
ている(ないし、された)減価償却費の計上期間、ないしは収益の獲得期間に
渡って計上しよう、そうすることで、毎期は過大に利益が計上されるが、5
年毎に帳尻が合うという期間損益計算ではなく、毎期毎期妥当な利益が計上
される期間損益計算ができる、というのが、とりもなおさず特別修繕引当金
の計上理由(ないし、設定論拠)だと考えます。

言い換えれば、設備を使用することで、収益は毎期毎期獲得できているわけ
で、そして本来それに対応させるべき費用としては、減価償却費と、大修繕
費の両方だということ。しかし、収益と減価償却費は毎期毎期計上されてい
るが、大修繕費は5年ごとに1回限りで発生すると。だったら、その大修繕
費も、減価償却費の計上期間、ないしは収益の獲得期間に渡って毎期毎期計
上しようと。

これが、大修繕費を期間配分した各期毎の大修繕費、すなわち、特別修繕引
当金繰入額であり、その際の貸方項目が特別修繕引当金になる、ということ
だと考えます。





で、以上のような特別修繕引当金を毎期毎期計上すべきとすること自体には、
費用の「発生主義」というものを、「事実発生に限る」とする説と、「原因
発生も含む」(「原因発生に限る」ではない」)とする説との間で、違いは無
いと考えます。

ただ、

費用(大修繕費)が発生するのはあくまで5年ごとであり、毎期引当金を設定
する理由は、それが各期に発生しているからではなく、将来に発生するもの
を単に繰り上げて計上しているだけのことであり、だったらそれは、まさに
費用収益対応の原則の適用以外の何者でもない、というのが「事実発生に限
る」とする説の引当金設定論拠。

つまり、「毎期毎期に発生しているわけではない」、言い換えれば、「財・
用役の消費はその期に起こっていない」と自ら言っているのだから、この様
に事実発生しか認めない発生主義では、その特別修繕引当金についてはもう
計上の理由が説明できない。だから、これは費用収益対応の原則を適用した
ものである、と言っているのがこの立場。

一方、

5年ごとに大修繕を要するような設備なら、毎期毎期収益が獲得できている
時点で、すでにそれに見合った(減価償却費以外の)設備に関わる価値の減少
も生じているはずであり、だったら、その分の価値の減少を、それが「顕在
化」する5年毎に把握するのではなく、「潜在中」の毎期毎期にその都度把
握していこう、とするのが「原因発生も含む」とする説の引当金設定論拠。

つまり、「生じているはず」ないしは「潜在中」ということを「原因」と捉
えて、だったらその原因は「毎期毎期生じている」わけだから、その分の費
用、すなわち、その期の特別修繕引当金は、ちゃんとその期に計上しましょ
う、と言っているのがこの立場。

よって、特別修繕引当金の設定論拠は、どちらの説に立っても説明はできま
す。





> > 「それに関連する収益が当期に発生

しているかどうかは、「費用としての引当金」について説明しようとしてい
るのが両者の立場ですから、収益をもたらしていない財・用役の消費の繰り
上げ、または、その原因について述べているものではないと考えます。費用
というからには、当然それに見合った収益が獲得できているだろう場合の話
であり、収益が獲得できていない財・用役の消費の繰り上げ、または、その
原因について述べるのであれば、それはもう費用の話ではなく損失の話にな
ってしまうと考えます。

お役に立ちましたでしょうか・・・ちょっと心配。
[2001/06/16 06:07:48]

お名前: 書いてみたかっただけの者   
差し替えお願いします(爆)


> > つまり、「毎期毎期に発生しているわけではない」、言い換えれば、「財・
> > 用役の消費はその期に起こっていない」と自ら言っているのだから、この様
> > に事実発生しか認めない発生主義では、その特別修繕引当金についてはもう
> > 計上の理由が説明できない。だから、これは費用収益対応の原則を適用した
> > ものである、と言っているのがこの立場。

を、

つまり、「毎期毎期に発生しているわけではない」、言い換えれば、「財・
用役の消費はその期に起こっていない」と自ら言っているのだから、この様
に事実発生しか認めない発生主義では、その特別修繕引当金についての計上
理由を述べる際に、「発生」という言葉が使えない(し、発生したものと認
めてもいない)。そこで、これは費用収益対応の原則を適用したものである、
と言っているのがこの立場。


に差し替え。失礼しましたm(_ _)m
[2001/06/16 06:42:31]

お名前: 受験経験者   
発生の概念には狭義、広義の二つの考え方があります。
狭義の発生とは、事実発生(財、用役の価値費消事実の発生)です。
そう捉えると費用収益対応の原則は、”当期の収益”と対応関係が認められる”期間費用”を
認識する原則になる。
一方、広義の発生とは、原因発生(財、用役の価値費消の原因事実の発生も含む)です。
そう捉えると費用収益対応の原則は、”発生費用”のうち”実現収益”と対応関係が認められる
”期間費用”を認識する原則になる。
発生の概念をどう捉えるかによって、費用収益対応の原則の性格は異なる事になります。
ちなみに発生の概念をどう捉えるかは、収益の実現をどう捉えるかの問題に由来します。
つまり、損益計算構造の問題になるので考え出すと非常に難しい事になってしまう・・

質問の答えになってなければ(なってないかな?)読み飛ばしてください。
[2001/06/16 22:19:16]

お名前: 0701   
レスを下さった皆さん、どうもありがとうございました。
特に 書いてみたかっただけの者 さん、ご丁寧な説明に本当に
感謝しております。とても役に立ちました。
[2001/06/17 21:23:52]

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