はじめまして！私は今、簿記コンクール（高校生の簿記の大会）に向けて
勉強している者ですが、かなり難しい問題に３日間も悩んでいまして、
誰かの助けをお借りしたいと思っております。
簿記コンクールの平成８年度の問題なんですが、
問題 下記の資料によって、次の金額を求めなさい。
（１）試用販売による売上高 （２）期末商品帳簿棚卸高（試用品も含む）
（３）棚卸減耗費 （４）商品評価損
資 料
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残高試算表
------------------------------------------
繰越商品 456,400 | 売 上 3,633,040
仕 入 2,422,810 | 試用仮売上 198,000
試用品 198,000 |
|
繰越商品勘定の中には試用品の繰越高が￥50,310含まれており、
売上勘定の中には試用販売による売上高が￥734,940含まれている。
�供セ醉冏稜笋砲弔い�
ａ．当期の試用販売の売価は、一般売価の１０％増しである。
ｂ．試用品勘定の期首商品有高は￥83,850であるが、
当期にその金額について買い取るむねの通知を受け、適正に処理している。
ｃ．当期試用品のうち￥4,950（売価）について返品を受けていたが、未記帳である。
ｄ．決算日に当期試用品のうち￥9,900（売価）について買い取るむねの通知を受けたが、
未記帳である。
�掘ゴ�末商品棚卸高
手許有高 帳簿棚卸高 ￥370,000（ただし、返品分は含まれていない。）
実地棚卸高 ￥367,245（ただし、返品分は含まれている。）
試用品 期末現在、買い取り意思表示のない分は、￥（ ？ ）である。
なお、時価は原価に対して２％下落しており、
手許商品・試用品ともに低価基準によって評価損を計上する。
以上
（１）の試用販売による売上高（￥734,940＋￥9,900＝￥744,840）は何とか分かるのですが、
（２）の期末商品帳簿棚卸高（試用品も含む）の問題が、一般販売の原価率を算出することができず、
解説を読んでも難しすぎて理解できません。
解説には、「試用販売については、当期の試送分を一般売価に還元して計算する。」とあり、
計算式は、
（￥456,040−￥50,310）＋￥2,422,810−￥370,000
-----------------------------------------------------------------
一般販売（￥3,633,040−￥734,940）＋当期試送分￥849,090÷（１＋0.1）
＝ 0.67（一般販売の原価率）
になっています。
計算式の分母にある「一般販売（￥3,633,040−￥734,940）」は理解できます。
しかし、「＋当期試送分￥849,090÷（１＋0.1）」の考え方がちんぷんかんぷんです。
前述した解説の中の「試用販売については、当期の試送分を一般売価に還元して計算する。」
というところをずーっと考えているのですが、
どうして「当期の試送分を一般売価に還元する。」のか分かりません。
日商１級や全経上級とかレベルの高い方がいらっしゃる所に、
私のような高校生がこのような質問をするのは、
お恥ずかしいのですが、どうかよろしくお願いします。ほんとに悩んでます。助けてください。
解答は、
（１）￥744,840 （２）￥484,570
（３）￥5,770 （４）￥9,576 です。
[2002/01/17 12:37:03]
まず、原価の詳細を考えますと一般販売分と試用販売分に分けます。
ＢＯＸ図で考えますと下記に記しました。
一般販売分原価データ
┌───────┬───────┐
│期首棚卸高 │売上原価 │
│ 406,090 │ │
│ │ │
├───────┤ ？ │
│当期仕入分 │ │
│[一般分のみ] │ │
│ │ │
│ ？ │ │
│ │ │
│ ├───────┤
│ │期末帳簿棚卸高│
│ │ 370,000 │
│ │ （返品除く）│
└───────┴───────┘
試用販売分原価データ
┌───────┬───────┐
│期首繰越分 │売上原価 │
│ │（期首繰越分）│
│ 50,310 ──┼─＞50,310 │
│ │ │
├───────┤─ ─ ─ ─ ─│
│当期仕入分 │売上原価 │
│ │（当期仕入分）│
│ │ ？ │
│ ？ │ │
│ ├───────┤
│ │返品分 │
│ │ ？ │
│ ├───────┤
│ │期末未販売分 │
│ │ ？ │
│ │ │
└───────┴───────┘
なお、試用販売分の期首繰越分が全て売れていますので売上原価の内、期首繰越分が
分かります。（資料�兇裡發�ら）
次に売価の詳細を考えますと一般販売分と試用販売分に分けます。
ＢＯＸ図で考えますと下記に記しました。
一般販売分売価データ
┌───────┬───────┐
│期首棚卸高 │売上高 │ 純粋の一般売上高
│ ？ │ │ 3,633,040−734,940＝2,898,100
│ │ │
├───────┤ 2,898,100 │
│当期仕入分 │ │
│ │ │
│ │ │
│ ？ │ │
│ │ │
│ ├───────┤
│ │期末帳簿棚卸高│
│ │ ？ │
│ │ │
└───────┴───────┘
試用販売分売価データ
┌───────┬───────┐
│期首繰越分 │売上高 │ 残高修正後の試送売上高
│ │（期首繰越分）│ 734,940＋9,900＝744,840
│ 83,850 ──┼─＞83,850 │
│ │ │
├───────┤─ ─ ─ ─ ─│
│当期仕入分 │売上高 │
│ │（当期仕入分）│
│ │ 660,990 │
│ ？ │ │
│ ├───────┤
│＝ 849,090 │返品分 │
│ │ 4,950 │
│ ├───────┤
│ │期末未販売分 │ 残高修正後の試用仮売上
│ │ 183,150 │ 198,000−9,900（販売済み）−4,950
│ │ │ ＝183,150
└───────┴───────┘
と判明します。
今回は原価データを分けましたが？が沢山あり、詳細が分かりませんでした。次に分け
ずに総原価（一般販売と試用販売をまとめて）考えましょう。
総原価データ
┌───────┬───────┐
│期首繰越分 │売上原価 │
│ │（期首繰越分）│
│[一般] │[一般] │
│ 406,090 │ ？＜──┼─┬ 売価 2,898,100（一般ベース）
│[試用] ──┼─＞[試用] │ │
│ 50,310 ──┼─＞50,310 │ │
│ │ │ │
├───────┤─ ─ ─ ─ ─│ │
│当期仕入高 │売上原価 │ │
│ │（当期仕入分）│ │
│ │ │ │
│ │[一般] │ │
│[一般] │ ？＜──┼─┘
│ ？ │[試用] │
│[試用] │ ？＜──┼─ 売価 660,990（試用ベース）
│ ？ ├───────┤
│ │返品分 │
│ │ ？＜──┼─ 売価 4,950（試用ベース）
│（合計） ├───────┤
│＝2,422,810 │期末繰越分 │
│ │[一般] │
│ │ 370,000 │
│ │[試用] │
│ │ ？＜──┼─ 売価 183,150（試用ベース）
└───────┴───────┘
合計 2,879,210
なお当期仕入高の一般販売分と試用販売分の合計が2,422,810になるのは当期中に一般販
売の目的で、又は試用販売の目的で仕入れようが、購入時は対照勘定法でしたら、
仕入 ／ 買掛金等
という仕訳を行っていますので、内訳は分かりませんが仕入総額は分かっていますので
合計で計算してください。そうすると期首商品棚卸高＋当期商品仕入高の合計が分かります。
ですから総原価データの？の内訳は分かりませんが、？の合計額はＢＯＸ図の貸借差額
で算定可能です。？が2,458,900と判明します。次にこれに対応する売価は売価データから個々に算定します。
このときに、そのまま原価÷売価＝原価率を算定すると一般販売と試用販売をゴチャ混ぜになった原価率が算定されます。本来、一般販売と試用販売では同じ商品を販売して
も売価が異なります。結果、原価率が異なる事になりますので、それぞれの原価率を算
定します。その為、どちらか一方の原価率を算定する為に試用販売をしなかった場合
（つまり全部一般販売した場合）と仮定して試用販売分の売価を一般販売ベースに修正
します。
それで、原価÷売価（一般販売）で一般販売の原価率が算定出来る事になります。
一応、上記の解説は簿記コンの主催団体が略称「ＴＩＴＡＣ」という前提で「ＴＩＴＡ
Ｃ方式」で解説しました。もし違ったらゴメンナサイ!!!
分かりにくい説明で申し訳ございませんが、どなたか補足説明して頂くと有難いです。
[2002/01/17 15:12:25]
元ＪＬＡに携わっていた人間さん
どうもありがとうございました。完全に理解できました。
私は、どうやら特殊商品売買の意味すら全く分かっていなかったみたいです。
「そのまま原価÷売価＝原価率を算定すると、
一般販売と試用販売をゴチャ混ぜになった原価率が算定されてしまう・・・」
のところで、完全に理解できました。
仕入れるときの窓口は一緒で、出て行くときには、それぞれの販売形態で出て行くんですよね。
だから、どちらか一方の原価率を算定する必要があるんですね。
元ＪＬＡに携わっていた人間さんの解説をじっくり読んで、
その後、自分で新しく試用品勘定を書いてみました。
そしたら、
☆計算式の分子にある試用品の前期繰越高（原価）￥50,310をマイナスする意味、
☆計算式の分母にある試用品の売上高￥734,940をマイナスする意味、
☆当期の試送分を一般売価に還元する意味、
が理解できました。
３日間悩み、苦しかったことも、もうすっかり忘れてしまいました。
どうもありがとうございました。
それでは、またいろいろ教えてください。
[2002/01/17 18:23:02]