部分時価評価法ないし全面時価評価法を行う現行の連結財務諸表制度から
すれば、「借方」に出てきた連結調整勘定は、超過収益力、すなわち「の
れん(暖簾)」を意味します。
そして、こののれんは有償取得でののれんなので、個別財務諸表での「営
業権」と変わるところがありません。
そこで、個別財務諸表上、営業権は無形固定資産に計上し、その償却分は
販管費に計上するので、それとの整合性をとり、連結財務諸表上も、連結
調整勘定は無形固定資産に計上し、その償却分は販管費に計上するわけで
す。
では、「貸方」に出てきた連結調整勘定は何なのか?
素直に白状すれば、私にはわかりません。そして、それをご存じな人も滅
多にいないと思います(笑)。
つまり、「貸方」に出てきた連結調整勘定が何を意味するのか、その理論
的な見解が今だはっきりしていないんです(と私は習いました。)
かといって、実際に貸方に出てきた連結調整勘定をほかっておくわけには
いかないということで、理論の決着はついていないのではありますが、制
度として実施する以上、一応の処理ないし表示の決まりは作っておかない
とマズイ。
ということで、「貸方」に出てきた連結調整勘定は、よくわからないけど
とりあえず固定負債に計上し、その償却分は、これもよくわからないけど
営業外収益に計上しましょう、ということに制度上はなっています。
よって、「借方」に出てきた連結調整勘定の意味、その会計処理ないし表
示方法はしっかり理解された方がよろしいかと思いますが、「貸方」に出
てきた連結調整勘定のそれは、こういうものなんだ程度で覚えておけばよ
ろしいのではないかと思います。
[2001/06/12 00:15:21]