記事タイトル:投資有価証券について教えてください(☆簿記初心者の高校生です☆) 


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お名前: マリノ   
簿記の先輩方教えてください。
私は今、簿記コンクール(高校生の簿記の大会です。)
の問題を解いている高校生です。
全国大会の問題で、
次のような問題があり、疑問に思っています。

問題
 松江商事株式会社は宇和島商会株式会社の
株式50株(額面株式@¥50,000 帳簿価格@¥62,000)について、
同社の財政状態が次のように悪化したので、
実質価格によって評価替えした。なお、宇和島商会株式会社の
発行済株式総数は200株である。
☆貸借対照表
 借方 諸資産  12,000,000  貸方 諸負債  7,500,000 
    繰越損失  5,500,000     資本金  10,000,000

答えは、 投資有価証券評価損 1,975,000/投資有価証券 1,975,000
になっています。

 解説を見ると、
「宇和島商事株式会社の発行済株式総数200株のうち、
所有しているのは、50株であるから、子会社株式ではない。
また、実質価格によって評価替えをするところから、
投資有価証券であることを判断する。」とあります。

 「発行済株式総数200株のうち、所有しているのは、
50株であるから、子会社株式ではない。」というところは分かるのですが、
「実質価格によって評価替えをするところから、投資有価証券であることを判断する。」
というところが分かりません。
 どうして「実質価格によって評価替えをするところから、
               投資有価証券であることを判断する。」のですか?

 「1級」とか「全経上級」とか「会計士」というような方々が
集まるハイレベルな場所に、私のような高校生が書き込むのは、
ちょっと恥ずかしいのですが、もし助けてくださるやさしい方がいましたら
教えてください。よろしくお願いします。

P.S.簿記を勉強し始めて1年半の高校生です。
    よかったらできるだけ詳しく教えてください。

[2001/09/07 18:13:47]
[2001/09/07 18:27:23]

お名前: ココア   
こんにちわ。
ぜんぜんはずかしくないですよ。

『株式』は金融基準では「売買目的有価証券」「子会社株式及び関連会社株式」
「その他有価証券」に分けられます。
問題文から、自己株式(実は上の区分には含まれません)と親会社株式(その他有価証券に
分類)、子会社株式を外すことができます。

実質価額によって評価替えできるのは、市場価格のない『株式』です
(金融基準 第三 二 6)。・・・有限会社その他はこの際考慮外とします。
ここで「売買目的有価証券」が外れます。市場価格がなければ「売買目的有価証券」に
分類できないからです。これはすなわち宇和島商会(事?)株式会社の株式が《有価証券》
ではないことを示しています。

これで残ったのは、「関連会社株式」と「(親会社株式を除く)その他有価証券」です。
有価証券に関する簿記の勘定科目は、証券取引法・財務諸表規則に従った財務諸表の表示科目
を使うのが一般的だと思います。
これによると「関連会社株式」は《関係会社株式》「(親会社株式を除く)その他有価証券」
は《投資有価証券》という勘定科目を使うことになります。
問題文からは、関連会社に該当するかどうか読み取れませんので、該当しないと判断した方が
無難だと思います。
なお、商法・計算書類規則の財務諸表では「関連会社株式」も投資有価証券で
表示されますので、勘定科目もこれにならうのが自然だと思います。

いずれにしろ、この問題では《投資有価証券》と判断するのが妥当ということになります。

「○○」:区分  《○○》:勘定科目
[2001/09/08 03:19:18]

お名前: ココア   
失礼しました。

発行済株式総数の25%を保有しているので、財務諸表規則上の関連会社に該当します。
財務諸表規則の表示科目に忠実に従うのであれば、使用する勘定科目は《関係会社株式》
ということになります。

計算書類規則の表示科目に従っているか、もしくは、簿記コンクールの認める勘定科目に
《関係会社株式》がないか、あるいは旧基準の内容で作成されているか。
いずれかであれば、《投資有価証券》ということになります。

ところで簿記コンクールですが、おもしろそうですね。
[2001/09/08 15:43:16]

お名前: マリノ   
ココアさんありがとうございます。
こんなに親身になって詳しく教えていただけるなんて感激です!
とても分かりやすくて感動しました。

実は、大変なことを書き忘れていました。
この問題は、平成10年の7月26日に実施された過去の問題です。
また、
仕訳の問題は、全部で16問出題されるのですが、
日商簿記検定のようにすべて勘定科目が指定されています。
この問題では、
「投資有価証券」は、その指定された勘定科目の中に入っており、
「子会社株式」 は、指定されていません。
指定された勘定科目によって「投資有価証券」か「子会社株式」かを、
判断することも問題を解く重要なポイントになっているのだとは思うのですが、
解説に「実質価格によって評価替えをするところから、投資有価証券であることを判断する。」とあったので、疑問に思っていました。
でも、ココアさんの解説でわかりましたよ!ありがとうございました。

高校の簿記の授業では(うちの学校だけかも)、証券取引法や商法、財務諸表規則などは
習いません。ココアさんの解説を聞いて、
簿記っていうのは、とっても奥が深いんだなぁーと思いました。
でも、問題が難しければ難しいほど、解けた時の喜びは大きいです。
来年の簿記コンクールでは、今年の先輩方(3年生)に続けるように、
全国大会入賞目指して頑張りたいと思います。
本当にありがとうございました。


また分からないことがあれば、ここに来て良いでしょうか?
[2001/09/09 14:37:38]

お名前: 鯖みそ   
君は関心な高校生だな。
[2001/09/09 15:54:15]

お名前: ココア   
平成10年7月6日実施ということは、旧基準で考えることになりますね。

しかし金融基準実施前の財務諸表規則であっても、《関係会社株式》という
勘定科目が使われているようです。
ただ、わたしが日商簿記を勉強していたとき(旧基準)には《関係会社株式》
を見たことがありません。税理士の簿記論を勉強していたとき(新基準)に
はじめて出てきました。
もしかすると新とか旧とか関係なく、検定簿記などではこの勘定科目を使う
ことがあまりないのかもしれません(おくそくです)。

もっとも、問題の指定する勘定科目に《関係会社株式》がないようですから、
自己株式・親会社株式・子会社株式以外で実価法が適用されるのは、
《投資有価証券》だけになります。
[2001/09/09 16:37:36]

お名前: ココア   
上)平成10年7月26日でした。
全国大会がんばってください。
[2001/09/09 16:49:55]

お名前: かっち   
こんにちは!簿記コン出てるんだ。僕は今高校3年ですが
今年の簿記コンにも出ましたよ!ちなみに全国入賞しました。
僕もこの問題やったよ。練習で(笑)
基本的に全商検定ベースでコンクールは行われるんだよね。
だから新会計基準には対応してないんだ。これから変わるかどうかは
わからないけどね。だからココアさんのいう通り実質価格によって
評価するってとこに注目するんだよね。全商の1級をもう一度
確認してみるといいよ。あと高校の授業では計算が中心。
理論はあまりやらないと思うから。
来年の大会ガンバってね!応援してるよ!
(ちなみに僕は高2で日商1級取ったよ)
[2001/09/15 11:46:25]

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