こんにちは、ちょろさん
詳しいということはないのですが。
おっしゃるように、本来、持分法とは所有株式の評価方法であり、個別財務諸表において
支配目的の所有株式に持分法を適用すべきであるという主張もあります。しかし、制度会
計上、この方法は採用されるに至っていません。すなわち、関連会社株式は子会社株式と
同様、取得原価をもって貸借対照表価額とするものとされています。
これは、子会社株式や関連会社株式への投資が実物投資としての性格が強いこと、そうで
あるならば、仮に評価益が生じている場合にこれを計上することは望ましくないこと、か
らこのような制度になっていると言われます。
さて、連結会計は、個別会計に比べてより経済実態を素直に表現する性格が強いです。こ
れは極端な言い方をすれば、個別会計の目的が配当可能利益計算にあるのに対し、こうし
た役割を連結会計がまったく持っていないからです。制限が緩いわけです。
さて、親会社を中心に考えるとき、連結対象会社は親会社と非常に密接な関係がある会社
であり、持分法適用会社は親会社とまあまあ密接な関係のある会社です。その外にはほと
んど関係ない会社が広がっています。同心円みたいなイメージを描いていただければよろ
しいのではないかと思います。
そして、連結は親会社の持分のみならず、少数株主持分も含めて結合してしまいます。こ
れに対し、持分法は親会社持分のみを結合します。別の言い方をすると、連結対象会社に
ついては、誰の持分であるかを問わず企業集団に含まれる全ての主体について当期の業績
を合算して示すのが連結財務諸表であり、持分法は、この連結財務諸表に、親会社の投資
勘定の評価を通じて、持分法適用会社の業績のうち親会社に帰属する分だけを反映させる
方法です。結合範囲が狭いのです。
強い結びつきを持つ範囲の主体については強い結合を、弱い結びつきを持つ範囲の主体に
ついては弱い結合を、それぞれ適用することによって、なだらかになっているとも言えま
しょう。
連結財務諸表は連結企業集団の状況をなるべく実態に即して表現したいという目的を持っ
ているので、このように中間的なエリアを設けることで、より実態に即した表現ができる
ことになると考えてはいかがでしょうか。
[2001/09/03 23:18:08]