記事タイトル:圧縮記帳について 


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お名前: あき   
圧縮記帳は人からもらったお金で有形固定資産を購入したときに、その貰った金額については、

取得原価にしないでおこうと言う処理ですよね。ここで疑問なのは、なんのためにするのです

か?毎期の減価償却の額を少なくするためですか?では、なぜ少なくするのですか?多いほうが

当期の利益は多くなって、そっちにほうが得なのでは???

だれか教えてください。お願いします。
[2001/01/26 18:22:54]

お名前: Niirvana   
圧縮記帳は補助金を受け入れた期の税負担を繰り延べるために行われます。

話を簡単にするため以下のような具体例を設定します。

   (1) 有形固定資産の取得価額 = 200万
   (2) 国庫補助金受入額 = 100万
   (3) 減価償却:残存価値を0とし、5年で償却する。(定額法)
   (4) 減価償却費を控除する前の利益は5年間毎期100万とする。
   (5) 法人税率は50%とする。

A. 圧縮記帳しない場合                            

(1年度P/L)
    減価償却費控除前の利益    1,000,000
    減価償却費              ▲ 400,000   ← 200万÷5年
                         --------------
    経常利益                   600,000
    国庫補助金受贈益          1,000,000
                         --------------
    税引前当期利益            1,600,000
    法人税等                 ▲ 800,000
                         --------------
    当期利益                   800,000

(2〜5年度P/L)
    減価償却費控除前の利益    1,000,000
    減価償却費              ▲ 400,000
                         --------------
    税引前当期利益             600,000
    法人税等                ▲ 300,000
                         --------------
    当期利益                   300,000

B. 圧縮記帳する場合

(1年度P/L)
    減価償却費控除前の利益    1,000,000
    減価償却費              ▲ 200,000  ← (200万−100万)÷5年
                         --------------
    経常利益                   800,000
    国庫補助金受贈益          1,000,000
    圧縮損                ▲ 1,000,000
                          --------------
    税引前当期利益              800,000
    法人税等                 ▲ 400,000
                           --------------
    当期利益                    400,000

(2〜5年度P/L)
    減価償却費控除前の利益    1,000,000
    減価償却費              ▲ 200,000
                         --------------
    税引前当期利益             800,000
    法人税等                ▲ 400,000
                          --------------
    当期利益                   400,000

C. 税額の比較
                      1年度   2年度   3年度   4年度   5年度
  A. 圧縮記帳しない    80万   30万   30万   30万   30万
  B. 圧縮記帳する      40万   40万   40万   40万   40万
 
以上のように圧縮記帳をしない場合、補助金を受け入れた期の税金額が
一時的に多くなる反面、2年〜5年度の税金額は圧縮記帳をした場合に
比べ、減価償却費が多い分税金額が少なくなっています。

せっかく補助金をもらって固定資産を取得したのに、その年に税金という形で
もっていかれる額が増えてしまっては補助をした意味が薄れます。
また、補助金はもう使って(支出して)しまったので手元になく、これで税金を
たくさんもっていかれたら資金ショートする危険性が高くなります。

減価償却期間中に支払う税額合計は変わりませんが、圧縮記帳をすることに
よって、支払う税額の年次の偏りが調整されることになります。
[2001/01/26 21:30:52]

お名前: イソギンチャク   
圧縮記帳は、法人税法上の課税の繰延のための規定です。
簡単に言えば、固定資産の取得年度に多額の税金が課税されないようにするための措置です。

国庫補助金収入等は、法人税法上『益金』として課税されます。
従って、圧縮記帳をしなければ、当然損金との両建てがされないわけで、法人税が
その分多く課税されてしまいます。
圧縮損を計上すれば、まず、益金と相殺できますよね。
(特別利益と特別損失で考えてください、両方とも同じ金額になりますよね
               ⇒利益に影響を及ぼさないのが良くわかると思います)
一方で減価償却についてはどうでしょうか? 
ご指摘のとうり圧縮記帳をしない場合に比べて毎期の減価償却費は少なく計上されます。
それはつまり、税引前当期利益が多くなるということですよね。
その結果、法人税が圧縮記帳しない場合に比べて多く課税されてくるということです。

まとめると
圧縮記帳しない場合の法人税額はその資産の取得年度に多く課されるのに対して
圧縮記帳する場合は、法人税額を毎期なるべく平準化していこうというものです。
せっかく、国庫補助金等で資金を得ても、それによって多額の法人税を支払わなければ
ならなくなったら、当初予定していた固定資産の取得もおぼつかない・・なんてことを
回避できるというわけです。
[2001/01/26 21:40:23]

お名前: あき   
Niirvana さん、イソギンチャクさんありがとうございました。

とっても、わかりやすい説明であきは、感激しました。これからもご指導よろしくお願いします
[2001/01/28 13:26:05]

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