記事タイトル:修正パーシャルとパーシャル 


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お名前: あき   
簡単な質問なのですが、よろしくお願いします。
パーシャルプランと修正パーシャルプランの使い方なのですが、
材料に月初仕掛品や月末仕掛品が有る場合は、問題にパーシャルプランによってと
書かれているときは、修正のパーシャルのほうを使ってとくのですか?

どなたかよろしくお願いします。
[2001/10/01 09:56:39]

お名前: あき   
補足すると95回の工業簿記の問題なのですが、
問題にはパーシャルプランによって解答と書いてあります。

そして各原料の数値は
原料  月初在庫   当月購入量  当月消費量  月末在庫
X    400kg   12600kg  11900kg  1100kg
Y    1000kg   21500kg  22000kg  500kg
Z    500kg    7800kg  8100kg   200kg

仕掛品ー原料費のT勘定記入を問う設問(月初仕掛品 月末仕掛品はないものとする)で

     仕掛品ー原料費
―――――――――――――――――
月初仕掛品  0 |  完成品
               |
当期投入  A |  月末仕掛品 0
               |    原料消費量差異

上記においてAは、標準単価×実際消費量になっているのですが、
パーシャルプランだったら原料における(月初在庫+実際購入原価―月末在庫)の金額
ではないのですか?

どなたかよろしくお願いします。 
[2001/10/01 20:23:40]

お名前: ぐれ    URL
こんにちは、あきさん

特段の指示がない場合、パーシャルプランは修正パーシャルプランにはしません。第95
回の問題については、修正パーシャルプランであるわけではなく、明示の指示により、材
料受入価格差異を分離しているだけです。たとえば、問われてはいませんが、ここに労務
費があれば、これは普通にパーシャルプランで記帳することになるでしょう。

材料受入価格差異は、消費もしていないのに把握される特殊な差異でして、材料勘定に記
入されることなく直接分離され、材料払出高と材料期末在高に配賦されます。これを把握
することが指示されたら、材料勘定も含め、それ以降の単価は予定単価(標準原価計算な
ら原価標準における単価)となります。

材料勘定については、パーシャルプランであっても特殊な処理をする指示がつくことがよ
くあります。指示がある場合には、パーシャルプランの一般論よりも個別の指示が優先す
ることになります。
[2001/10/03 10:06:19]

お名前: あき   
いつもぐれさんに助けていただきましてありがとうございます。
確認したいのですが、問題文で原料受入価格差異ではなくて普通の価格差異でパーシャルプラン
の場合の材料T勘定と仕掛品(原料費)T勘定はどのようになるのですか?
また、ぐれさんの文章で材料受入価格差異把握することが指示されたら、材料勘定も含め、それ以降の単価は予定単価(標準原価計算なら原価標準における単価)となります。と書かれていますが、これは、材料勘定と仕掛品勘定の記入はすべて(期首、期末)予定単価(標準原価計算なら原価標準における単価)となるということですか?
普通の予定価格による材料勘定は期首、期末に金額が与えられていて当期購入は実際購入金額を書き、消費分は予定価額×実際消費量をかきますよね?
しかしこの問題の場合(材料受入価格差異把握する場合)は材料勘定の期首、期末も標準価額×期首、期末在庫量を書くのですか?
宜しくお願いします。
[2001/10/04 19:44:57]

お名前: ぐれ    URL
こんにちは、あきさん

1.材料受入価格差異ではない場合

普通にパーシャルプランになります。つまり、

 買掛金          材 料            仕掛品      
──┬─────  ─────┬─────  ───────┬───────
  │       AP×AQ│AP×AQ┐ 期首仕掛品  │       
  |AP×AQ─→AP×AQ│AP×AQ│ SP×SQ  │ 完 成 品 
                     │ ───────┤ SP×SQ 
                     │        │       
                     └→当月直接材料費├───────
                       AP×AQ  │ 期末仕掛品 
A:実際                          │ SP×SQ 
S:標準                          ├───────
P:単価                          │ 価格差異  
Q:数量                          │ 数量差異  

です。まったく普通のパーシャルプランですね。

2.材料受入価格差異を把握する場合

材料受入差異を把握していることはいろいろな形の文章で表現されますからご注意くださ
い。たとえば「原料は掛けで購入したときに、標準単価で原料勘定に借方記入している」
という指示を見たことがあります。

材料受入価格差異を把握しているなら、勘定連絡図は次のようになります。

 買掛金          材 料           仕掛品       
──┬─────  ─────┬─────  ───────┬───────
  │AP×AQ┐ SP×AQ│SP×AQ┐ 期首仕掛品  │       
        ├→SP×AQ|SP×AQ│ SP×SQ  │ 完 成 品 
        │            │ ───────┤ SP×SQ 
        │            │        │       
        │  材料受入価格差異  └→当月直接材料費├───────
        │ ────────┬──  SP*AQ  │ 期末仕掛品 
A:実際    │         │           │ SP×SQ 
S:標準    └→(AP−SP)×│           ├───────
P:価格            AQ│           │ 数量差異  
Q:数量              │                   

ただし、これは会計期間中の1原価計算期間における勘定連絡です。差異を放置していま
すよね。会計期末には、材料受入価格差異は、普通の差異と異なり、材料払出高と材料期
末在高に配賦されます。「原則として売上原価に賦課」ではないのです。材料期末在高に
配賦されるということは、期末材料の単価は、結局、実際単価になってしまうということ
です。1会計期間を取った場合の材料勘定を示せば、

       材 料 勘 定      
 ─────────┬─────────
          │         
 期首:AP×AQ │         
          │仕掛品へ     
 ─────────┤         
          │   SP×AQ 
 当期:SP×AQ |         
          ├─────────
          │         
 ─────────┤期末:AP×AQ 
 材料受入価格差異の│         
 期末在高への配賦額|         

ということになります。こういうのは特殊な指示のある場合です。「当期を1会計年度で
あるとして」なんていう指示がある場合ですね。これは差異の処理を見たい場合に書かさ
れるものです。会計期間中の1原価計算期間にはこんなことはしません。これが注意点の
第一。

注意点の第二は、修正パーシャルとの違いです。材料だけを見ていると別に違いはないで
すよね。でも、これは材料勘定だけの話です。材料受入価格差異を把握したからといって、
賃金などについても修正パーシャルになってしまうわけではありません。逆に、シングル
プランの場合でも材料受入価格差異を把握する場合としない場合がありえます。材料受入
価格差異を把握するかどうかは、標準原価計算の勘定記入方法とは独立に決まってくるも
のであるわけです。

3.予定配賦の場合

それだけではなく、予定配賦の場合でも、材料受入価格差異を把握する場合があります。
あきさんの書かれた予定配賦の場合というのは、材料受入価格差異を把握していない場合
です。では、その場合の「価格差異」とは何か、といいますと、それは正確には「材料消
費価格差異」というものです。

       材 料 勘 定      
 ─────────┬─────────
 期首:AP×AQ │払出:EP×AQ 
 期首:AP×AQ │期末:AP×AQ 
          |材料消費価格差異

予定配賦であっても材料受入価格差異を把握するのであれば、

       材 料 勘 定      
 ─────────┬─────────
 期首:EP×AQ │払出:EP×AQ 
 期首:EP×AQ │期末:EP×AQ 

となります。材料勘定にはいる前に価格差異を把握するのです。ちなみに、

 材料受入価格差異:単価の差×受け入れた材料の数量
 材料消費価格差異:単価の差×払い出した材料の数量

というふうに、差異の金額は違ってきますので、どちらの差異を念頭に置いているのかを
きちんと把握して下さいね。材料受入価格差異というのはとっても特別な差異なのです。
最初にも書きましたけど、「材料受入価格差異というのは消費されてもいないのに差異を
考える」というところが特別なのです。だからこそ、原価計算基準でも、

原価差異は、材料受入価格差異を除き、原則として当年度の売上原価に賦課する
       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
と特別扱いされているわけです。
[2001/10/05 07:55:29]

お名前: あき   
いつもいつも詳しい説明ありがとうございます。本当に分かりやすいです。
わたしは、ぐれさんの解答をいつもプリントしてテキストにはさめるようにしております。
今回も詳しく書いていただいて時間を費やしていただき感謝しております。

一つ疑問なのですが、ぐれさんの文章の 3.予定配賦の場合の材料勘定のところで
期首:AP×AQ が二回、期首:EP×AQ が二回書かれていますが、誤記入なのですか?
それとEPのEは予定配賦額ですか?
お手数ですが、よろしくお願いします。
[2001/10/05 16:11:36]

お名前: ぐれ    URL
こんにちは、あきさん

すいません、間違えましたね。借方の下の方は当期発生分です。Eは予定です。

       材 料 勘 定      
 ─────────┬─────────
 期首:EP×AQ │払出:EP×AQ 
→当期:EP×AQ │期末:EP×AQ 
[2001/10/05 16:41:40]

お名前: ぐれ   
材料消費価格差異の方の材料勘定も、同じく、借方の下の方は当期発生分です。
ごめんなさい。
[2001/10/05 16:44:27]

お名前: ぐれ   
材料消費価格差異の方の材料勘定も、同じく、借方の下の方は当期発生分です。
ごめんなさい。
[2001/10/05 16:44:27]

お名前: あき   
ぐれさん、またまたすいません。。

シングルプランの場合でも材料受入価格差異を把握する場合しない場合は
わかるのですが
シングルプランの場合でも材料受入価格差異を把握する場合
の勘定連絡図は
2.材料受入価格差異を把握する場合でぐれさんが書かれていたものと
まったく同じなのですよね。(材料勘定は、すべてSP×AQ)
お手数ですがよろしくお願いします。
[2001/10/05 18:56:52]

お名前: ぐれ    URL
こんにちは、あきさん

シングルプランだと、単価の部分は一緒ですが消費量の部分が違います。仕掛品勘定には
AQではなくてSQでもっていきます。シングルプランですからそうですね。したがって
数量差異は材料勘定で把握されます。仕掛品勘定は全部標準できれいなもんです。

 買掛金          材 料           仕掛品       
──┬─────  ─────┬─────  ───────┬───────
  │AP×AQ┐ SP×AQ│SP×SQ┐ 期首仕掛品  │       
        ├→SP×AQ|SP×AQ│ SP×SQ  │ 完 成 品 
        │      |数量差異 │ ───────┤ SP×SQ 
        │            │        │       
        │  材料受入価格差異  └→当月直接材料費├───────
        │ ────────┬──  SP×SQ  │ 期末仕掛品 
A:実際    │         │           │ SP×SQ 
S:標準    └→(AP−SP)×│                   
P:価格            AQ│                   
Q:数量              │                   
[2001/10/05 19:34:52]

お名前: あき   
ぐれさん本当にありがとうございました。わたしの中でわかっていたつもりの
部分が実は間違った解釈をしていました。
残りのじかんをフルに使って修正していこうとおもっています。
いつも本当にありがとうございました。
[2001/10/06 13:07:59]

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